【動機】クイズをやる人=「頭がいい人」「何かを記憶するのが好きな人」?
「クイズって”頭のいい人”とか、”何かを記憶するのがもともと好きな人”がやるもんでしょ?」
こういう認識の方って、クイズ界以外の一般社会には非常に多いのではないか。
そしてそれが、「"やる"クイズ」が敬遠される一つの要因になっているのではないか。
……という話が、xyzの打ち合わせの際に出ました。
そういわれてみれば、橙も職場でそんなことを聞かれた記憶があります。
ちなみに僕は、「野球少年にとっての甲子園が、僕にとってはクイズ王番組だった。それだけのことですよ」と返答したのですが。
クイズ界を見回してみると、確かに「頭のいい人」「単純に記憶するのが好きな人」「情報を得ることに喜びを感じる人」もいないわけではありません(イント郎さんとかストローワラさんとか、「知の巨人」とも言うべき人はごくわずかです。それにしてもストローワラさんがKOを袖にしなければこのツートップが同期で成立していたかと思うと、個人的には惜しい気がします)。
しかし、大多数の人は”頭がいい”と自覚している(本当はどうであれ)わけでも、"覚えること""情報を得ること"そのものが好きなわけでもなく、「競技・ゲームとして何か打ち込めるものがほしかった」であるとか、もしくは「テレビ番組に出たい」であるとか、ひょっとすると「もともと興味はなかったけど、人から勧められてクイズをやってみたら面白かった」といったあたりが動機ではないでしょうか。
もし最初に挙げた認識が一般的だとしたら、クイズ界の現実とは大きなギャップがあるわけで、クイズは非常に損をしているのかもしれません。自分のことを「頭がいい」「記憶するのが好き」と思っている人は、クイズ界にもクイズ界以外にもおそらくほとんどいないのですから。少なくとも、自分のことを「足が早い」「走るのが好き」という人、「歌がうまい」「歌うのが好き」という人に比べれば非常に少なく、むしろ「変人」だったり「傲慢」「勘違い」の可能性すらある。
となると、大多数の人々(自分のことを「頭がいい」とも思っていないし、「記憶することに苦手意識を持っている」人)は、「クイズは自分がやるものではなく、もっと特殊な人達がやるもの」と捉えてしまう恐れがあります……というのが、最近持っている仮説です。
となると、そんな大多数の人々に対してヒットするような、クイズの魅力を伝えるやり方が何かあるのではないか。うまく伝えれば、クイズの市場はもっと広がるのではないか。
たとえば、下記のようなメッセージ。
・みんながクイズ王を目指しているわけではない。
野球と同じで、プロを目指している人もいるし、草野球レベルで楽しむ人だっている。
また、「競技する」「勝ち負けを競う」だけがクイズの楽しみ方じゃなくて、いろいろなクイズの楽しみ方がある。
・そもそもクイズ王だって、全ての知識を知っているわけではない。
「クイズに出やすい知識」を重点的・経験的に覚えているし、どんなに簡単な問題でも100%解答するのは非常に困難。野球のバッターと同じで、3割打てれば一流。
それにテレビ番組は、正解が出ない問題はカットしているし、アタック25やミリオネアは「正解が出そうな問題」を事前にプロフィール等からリサーチして出している(これはクイズ界外の人には衝撃的らしいです)。
・クイズを通して、お互いの「好きなこと」「経験してきたこと」にまつわる知識を共有化することができる。
いわば、コミュニケーションツールとして、クイズを使うことが可能。
・まあ、というよりクイズって楽しいよ。まずは一回やってみない?
などなど。
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一方で現実を見てみると。
*ここから先、「学歴」というかなりデリケートな話題に踏み込みます。
誤解がないように先に書きますが、橙武者は
「学力・学歴に一切関係なく、できるだけ多くの人にクイズを楽しんでほしい」
「しかし、現状を見る限り、高偏差値の大学生・OBに偏っている」
「であれば、それ以外の方々にももっとクイズを広めるチャンスがあるのではないか」
……という立場であり、けして「高偏差値以外の層はクイズをやるな」という立場ではないことをお断りしておきます。
「高校・大学のクイズ研は、偏差値が高い学校に集中している」というのも、一つの事実です。
たとえば高校生オープンやabcを見ると、上位どころか出場している人も、いわば高偏差値の学校の人が大半を占めています。開成や東大寺などの私学の超・進学校のみならず、県浦和・県前橋・県船橋・仙台一・水戸一といった公立校も、いずれも県トップクラスの公立校です。
これは最近だけではなく、クイズ研が山のようにあった90年代初頭でも、やはりその大半は高偏差値の学校に集中していた記憶があります。
また、テレビのクイズ番組を見ていても、「タイムショック21」「天」いずれも出場している学校は高偏差値揃い。高校生クイズで「優勝候補」として取り上げられるのは、たとえクイズ研ではないにしてもラ・サールや東大寺などの「超・進学校」の面々(ラ・サールってクイズ研、確かなかったのでは)。
これらの番組を見ていると、「クイズを(わざわざ)やる人=高学歴=頭がいい人」という認識がさらに強まる可能性が高いのではないでしょうか(「学歴と頭の良さの相関」が正しいかどうかは触れません。一般的にそう認識されていることが問題です)。
「高学歴の人しかクイズを”やる”ことができない」と一般に考えられているとしたら、それは物凄く「もったいない」ことであると考えます。
それ以外の方にいかにクイズを広めていくか。今後の課題として考えていきたいと考えています。
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それにしても、素朴な疑問。
何故、高偏差値の学校にクイズ研は集中しているのでしょうか?
高校生クイズには様々な学校が参加していることを考えると、もっといろいろな学校にクイズ研があってもおかしくないのでは?もっといろいろな学校の人、いろいろなバックボーンの方がクイズを楽しんでもらうことができるのでは?
……このことについて、どなたか考えてみませんか?
橙の仮説としては、「何かを覚えることが好き」という人はクイズ界にも非常に少ないものの、「何かを覚えることに抵抗がない」という人はわりと多いのでは、というものです。
「何かを覚えることに抵抗がない」というのは、単純に記憶力の問題ではない。好奇心の強さとか、忍耐強さとか、向上心の強さとか、そのようなファクターも関連してくる。そしてそれらのファクターは、受験勉強にも活かされるので、正の相関関係が見られるのではないか……と。
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なお、「クイズを始めるまでの流れ」を「アイドマの法則」っぽくチャート化すると、各段階でそれぞれ違った阻害要因があり、今回の「クイズは”頭のいい人”がやるものだ」というのも、その阻害要因の一つとなります。
【クイズに興味がない】
<Attention(注意)><Interest(関心)>
・まずは「クイズ」や「”やる”クイズ」の存在を知ってもらう必要がある。
↓ この部分については草の根では難しく、マスコミの力が非常に重要。
草の根でやれることかあるとしたら、「会社のレク」「公民館などの公的行事」など?
【テレビ番組などで、クイズに興味を持つ】
<Desire(欲求)>
・クイズって「見る」ものだけど、「やる」ものじゃないよね。
→「やる」クイズがある、ということを知ってもらう
↓ =「クイズ体験」(コミクリや職場レクなど)
・自分がやっていいの?クイズをやるのは頭がいい人なんじゃないの?
→今回のテーマ。ここの抵抗感をどう和らげるかがポイントになる。
【クイズをやってみたい】
↓ <Memory(記憶)><Action(行動)>
・どこでやればいいの?→各サークルや、クイズ体験イベント「xyz」の告知
【クイズをやる】
再び<Action(行動)>
・入れるサークルがない→サークルの案内(特に初心者サークル)
↓ ・イベントに行っても、クイズ的にも人間関係的にもついていけない
→・初心者にも参加機会・解答機会があるイベント(Quizzes-2など)
・仲間の輪(内輪)に引き込む仕組み作り
【クイズを続ける】
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