1-b.提案(イベント)

2014年8月25日 (月)

【提案・イベント】問題表示について

 ちょうど昨日のSTUでも、問題表示が好評だった模様(標本はn=5くらいですが)なので。


 僕は今まで自分の大会で(Kitsch Return、Quiz-NA、早立ち01Stand-Art''など)で、積極的に「問題と答えをプロジェクターで投影すること」をやってきました。
 といっても、僕がやりだしたわけではありません。少なくとも僕より先に早稲田オープンあたりでで「日めくりカレンダー方式」で答えの表示をやっ ていた記憶があります。第何回かは忘れた(高円寺会館だった記憶があるので、2000年?)のですが、少なくともめくり係がさいやだったことは確かです。

【メリット】

1.観客の方にとってわかりやすい
2.問題のフォローにかける時間を削減できる

 特にペーパーや早立ちなどで「参加者同士が相互採点を行う」場合、この2点は非常に大きく効いてきます。
 別解がどうか、そもそもどんな字を書くのか、いちいち口頭で説明しなくてもよいからです。
 必須とまでは言わないですが、相互採点の場合はかなり優先順位が上がってきます。
 (今この話をするのは、STUの翌日というのもありますが、mono-seriesの準備という点も大きいのです)

【リスク】

 とにかく「うっかり他の問題が映し出されてしまう」ことに尽きます。
 二の足を踏む人が多いのも、このポイントではないでしょうか。

 現にStand-Art''ではそれで1問潰しました。
 これはかなり参加者の方への印象が悪くて、「問題無駄にするくらいなら投影やめた方がいい」という意見もちらほら耳にしました。

 プロジェクターがONになっていることに気付かずに動作確認してしまう、という「うっかりミス」もありますが、さらに可能性が高く、さらに大きな被害を及ぼすのが「パソコンの挙動がおかしくなり、次々とスクロールしてしまう」ことです。
 こうなると、その先に用意していた数十問単位がパーになることも考えられます(すぐにプロジェクターのランプを隠す、という手もありますが、天井備えつけのタイプだったらそれもできない……)。

 あと、「問題の入れ替えに対応しづらい」とか、「一度問題セットを決めた後に入れ替えた場合、手間&実際の順番と違うものが投影される可能性がある」というのもリスクではあるのですが、この点についてはあとで。

【考えられる手段】

1.Excel
2.PowerPoint
3.その他プログラム
4.カメラ(書画カメラ、デジカメ、ビデオカメラ)に問題カードを投影

 Excelで一つのシートに問題を表示するとか、PowerPointを使用する……あたりが一番ポピュラーだと思いますが、これ、「暴走したときのリスク」というのが怖いところです。
 その他プログラムについては、僕はCard(今はもうない。懐かしい)というデータベースソフトなどを使うのがいいかなあ、と思いますが、あまりポピュラーではない。多くの人のPCに使われているソフトを使うのがベターかと思います。

 昨日のSTUは書画カメラを使用していました。出力端子を使えば普通のカメラやビデオカメラも使用できる可能性が高いです。
 確かに1枚1枚人の手でやるので、上記の「暴走リスク」はほぼ回避できます。
 ただ、明るさの問題があって、昨日見ている限りだとかなり前の方にいた僕でも結構ギリギリかなあ、という感でした(フォントである程度はカバーできますが、それでも見易さはPC使用と比べると劣ると思われます)。

【とりあえずこんなの作ってみた】

 たたき台として、24問用をExcelで作ってみました。
 https://dl.dropboxusercontent.com/u/15682848/mondai_touei.xls
 (問題は今月のシンサ小企画のものです) 

<使い方>

・事前に「問題」タブに、使用する問題の「問題番号」「問題文」「解答」をコピペ。
・まず全タブをグループ指定して、1・2行目を指定して「選択範囲に合わせて拡大/縮小」を選ぶと、1・2行目しか表示されないようになる。(ここまでクイズ前の準備)

・問題はタブごとになっているので、問題を読むタイミングでそのタブを指定。
・Enterキーか↓キーを押すと下にスクロールされ、「問題」「問題・正解」が表示される。

<コンセプト>

 多くのPCに入っているExcelで使用できる、というのが大前提。その上で、

・1問ごとにタブで切り替えられるようにする。
・「問題」と「問題・正解」のページの間に、「これから問題を映す」「これから解答を映す」という見出しを入れる。
・1ページ目の下の方に、小さく「問題文の最初の数文字」を表示する。

 いずれも、「うっかり他の問題が映し出されてしまう」リスクを回避するためです。
 もちろん、フォーム製作の手間を考えると1枚のシートで管理した方がラクなのですが、「エンターキーが暴発して大惨事」というのを防ぐため、このような形にしました。

 最初にフォームを作るのがやや手間ではあるんですが、誰かがちゃんとしたフォームを作ってしまえば結構有効活用できるのでは、と思います。STU向けということを考えると800タブ必要、ってことでしょうか。
 問題が変わっても、「問題タブ」にコピペすればいいだけですしね。

 あとパソコンによって縦横の幅が違ったりするので、それの対応をどうするか、は要検討ですね。「誰のPCで使っても、設定の手間がかからない」初期設定を、どなたかご教示いただければ幸いです。



 他に何かいい手があったらご教示ください。

2014年4月 4日 (金)

【提案(イベント)】mono-seriesにこめた思い(久々のクイズ論)

 久々にクイズ論を。
 mono-seriesをやるにあたって、僕が「こんな思いがあったからこそ開催したい」と考えていたものです。

 「クイズ論ありきのイベント」と思われたくなかったし、「まずイベントを見て頂いて感じてほしかった」部分もあるので、第1回の前に言うのは止めておきました。
 とか言ってるうちに第2回のコンセプト設計のタイミングに入ってきたので、まとめるとしたら今かな、と。

 細かく書いていくといくら時間があっても足りないし、いまいちまとまりのない内容ですが、箇条書きに近いようなメモとして記しておきます。項を分けて補足するかも。

【大前提:mono-seriesを開催するにあたっての心構え】

 僕は今まで、「こういうのもあってもいいのではないか」という問題提起をいろいろしてきました。また、「まずとりあえずやってみよう」というような実験企画もやってきました。
 しかし、mono-seriesについては、問題提起や実験企画とは違った心構えで準備しました。

 これまで20年クイズに触れてきた中で、あらためて「クイズって何?」というところからコンセプトを考えていきました。
 その上で、今主流となっている「競技としてのクイズ」はそれはそれで楽しいし普段やっているのてすが、それだけではない、クイズの根源の一つで ある「お互いの知識をやりとりし、新しい知識を得ること」にフォーカスしたイベントを、今後のスタンダードの一つ(メインストリームにならなくても)にな りうる存在として実施したかった。
 そのことが、今後のクイズの発展として必要不可欠だし、最近のクイズではやや顧みられるところが少ない傾向ではあるので、それを改めて実現しようと考えた。それがmono-seriesです。

 「こういうのもあってもいいのではないか」ではなく、「こういうのがなければならない」。
 それくらいまで確信持てるくらい、mono-seriesについてはいろいろと掘り下げて考えました。
 それが正しいのか、まだまだツッコミどころがあるかは、いろいろな方のご意見に耳を傾けたいと考えています。

【思い1:クイズへの「参加機会」「解答機会」をもっと増やしたい】

 なぜ「ペーパー+早立ち」か、という話。

 早押しは人数が多すぎるとできないし、端子数を増やすと場が荒れやすい。そのため、イベントにおけるクイズができる機会(参加機会)は平均しても多くないし、ましてや競合以外はほとんどクイズに「参加」できない。
 また、参加できたとしても、1問につき答えられる(解答機会)のは基本1人。
 (参加機会、解答機会が少ないからこそスポットライトが当たるだし、だからこその「非日常」が興奮を生むので、これがイコール悪いこととは思い ません。が、大半のイベントが「ステージ型、参加機会と解答機会が一部に偏る」形をとっているのは確かで、他のスタイルを模索したかった)

 mono-seriesでは「早立ち」というスタイルを用いることで、幅広い層にとって「参加機会」を増やし、さらに「解答機会」も確保するように努めました。
 「負けた人が納得いく」ことを目指したイベントはいくつか目にしますが、今回は「そもそも全員が、同じくらいクイズに参加できる、解答できる機会がある」という設計にしました。

 「参加機会」と「解答機会」という考え方は、サークル運営とかフリバ会なんかでも僕はよく意識しているのですが、いまいちメジャー・共有されている考え方ではなさそうなので、今後も折につけ触れていきたいと思っています。

【思い2:「プレーヤー対プレーヤーの競技」だけがクイズではない】

 「プレーヤー対プレーヤーの競技」として、クイズをとらえる考え方が、特に近年は顕著です。
 短文基本を主な対象とし、努力して臨むのを前提にする「競技クイズ」という表現が、賛否両論あるにせよ最近よく目にするようになってきました。
 「スポーツとしてのクイズ」というのは、数年前は完全に「単なる比喩」でしたが、今ではアスリートのような姿勢が広まってきているように思えます。もちろんそれだけではないにせよ。

 今回のmono-seriesは、「誰が一番物知りかを決める」というコンセプトも掲げており、「プレーヤー対プレーヤーの競技」という側面ももちろんあります。
 が、それだけを追求するつもりはありませんでした。
 最近やや見落とされがちですが、クイズの一面は「プレーヤー対問題作成者」であり、それを重視しました。問題スタッフという「集団」としてもそうですし、一問一問の問題が「これ、○○さんが作った問題だったのか!」という意味でもそうです。

 「競技」「スポーツ」の側面はあるにせよ、一問一問の問題、一つ一つの知識、そしてそこに込められた問題作成者一人一人の思いに対してどう感じて頂くか……の方が優先順位は高かったです。

【思い3:「対策」「努力」だけがクイズではない】

 どうしてもクイズプレーヤーは「勝ちたい」「活躍したい」「答えたい」のが性。特に近年は「対策して臨むクイズ」がベテラン・若手問わず前面に出されている感が強いです。
 僕も、「ABCで青プレートとる」という目標を掲げてガチガチ対策してました。このような対策や努力も楽しいのは確かです。

 ただし、「対策」「努力」のクイズばかりに目がいってしまうと、どうしても「成果に結びつかない知識」「幅のある企画」が軽視されがちです(も ちろん大半の人は、そこはバランス感覚をもって臨んでいるし、対策・努力が反映されないクイズが出て怒る人は2014年のクイズ界ではあまりいないでしょ うか……10数年前とは雲泥の差……)。

 今回はその点、「対策」「努力」については一切考慮に入れませんでした。ひょっとすると対策して臨んだ方もいるかもしれませんが、それが有利になるような意図的出題はしなかったし、逆に「クイズでよく聞くからあえて外す」こともしませんでした。

【思い4:「クイズNo.1物知り決定戦」って……物知りってなんだ?】

 「物知り」とは何か。

 今回は、あえて僕から明確な定義はしませんでした。
 しいて言うと、参加した人が、「うおっ、この人物知りだ!」と感心できる機会が何回かあったのであれば、今回のmono-seriesをやる意義があったのかな、と思っています。

 これはかなり過激な意見かもしれませんが、僕は「優勝者をあえて決めず、”誰が一番強かったか”を観客それぞれが決める」、そんなイベントやサークルの企画があってもいいのかなあ、と思います(これは「あるべき」ではなく「あってもいい」「実験」レベルの話ですが)。 

 普通のクイズであれば正解すればポイントが入りますが、一つ一つの知識が全てほぼ同等の「1p」として扱われてしまうのは、「定量化」という点では当然とはいえ、「それだけが唯一の手段か?」という感がします。
 たとえば正解したら「その答え」を獲得し、最後にそれぞれが獲得した「答え」を見比べて感想戦をやる。投票で優勝者を決めてもいいし、いっそ決めずにそれぞれに委ねてもいいのかもしれない。それもクイズの一つの可能性だと思うのです。

 その際の価値基準はいろいろあると思います。目が覚めるようなポイントだとか、ピンチのときでも動じない勝負根性だとか。その中の一つに「幅広 いだけでも、深いだけでなく、両方を兼ね備えてるんだなあ」つまりは「物知りだなあ」と思わせる、というのがあるんじゃないかな、と。

【思い5:なぜ「いろいろな傾向のクイズ」が必要なのか】

 僕は「いろいろな傾向(評価基準)のクイズがあるべき」という考えです。
 もちろんこれは絶対ではなくて、「一つのクイズの傾向に収束されるべき、優先されるべき」という方もいるでしょう。確かにその方がブレがなく、クイズに触れていない人にも説明しやすいし訴求力は強い。

 でも、僕はクイズには「いろいろな傾向」が必要だと思ってます。
 ここを論じだすと本当にキリがないのですが、僕が普段考えているのはこんなところです。

・評価するのが「人間」であり、その人の価値基準により大きく異なる。
・評価する「出題者」と、評価される「競技者」が入れ替わることができる。これはメリットでもあるし、ともすれば「内輪、癒着」と見なされがち。何か一つの傾向に固定しようとしても、多くの反対が寄せられることが予想される。
・クイズの対象となるのは世間の森羅万象であり、「開かれていて」「無限」で「常に更新されている」。切り取り方も人によりさまざま。

 上記のようなクイズの根本的な性質は、今後も変わらないと思われます。もちろん「プログラムで問題を自動選出する」とか、「出題者と解答者の間 に一切の交流を禁じる」とか、「ベーシックイングリッシュや学校のテスト範囲みたいに”クイズに出していい範囲”をあらかじめ決める」というのであれば話 は別ですが、多分そうはならないでしょうし。
 である以上、「いろいろな傾向」は必要だと思っています。

 今回、mono-seriesのような問題傾向は、昨今行われている「競技クイズ」とは異なるものでした。
 しかし、「こういうのもあっていい」のではなく、競技とは異なるコンセプトで作られた問題群が「あるべきだ」、というのが、このイベントを突き動かした原動力の一つでした。



 第2回がどうなるかはまだわかりません。
 これから3か月くらい、いろいろな方のご意見を伺いながら組み立てていきます。その中には上記のような思いが前面にでるところもあるかもしれないし、かなりセーブする部分、他のイベントに回す部分も出てくると思います。

 ともあれ、第2回についてもいろいろな方にご協力を頂く機会があると思いますし、その中で自分の考え方が変わってくるところもあると思います。
 自分の思いを固執せずに、かといって思いを捨てて流されないように、最終的には「より多くの人が楽しめる」ものが作れるよう励む所存です。あらためて皆様、よろしくお願いします。

2012年9月16日 (日)

【提案・イベント】思考実験・「クイズ界の人数が激増したら」

 「極めるページ」云々のところで「「クイズ人口が仮に5倍になったとして、どんなことが起こって、どう対処するか」というのは、思考実験として面白そう。」という話をしたのと、ちょうど「早押王/新人王」のアンケート絡みで人数対応の話が出たもので。

 「もしクイズ界の人数が激増したら」どんなことが起こるか、少し考えてみました。

【そもそも現状はどうなの?】

 関東における一部特定の大会は、キャパを完全にオーバー。
 その他についてはまだまだ余裕あり……というのが現状です。

 キャパオーバーの大会(キャンセル待ちがかなりの数発生する)は、知ってる限り「EQIDEN」「STU」「天」「早押王/新人王」あたり。それと全員早押しやキャパの問題がある「GTO」「ISD」でしょうか。「賢押杯」もキャンセル待ちあったっけ?
 それと、KQA(関東クイズ連合)の「例会」もここに含まれるかと思います。掲示板見ている限り、船橋での例会が「加盟校8校だけで135名+非加盟校で25名」とか凄い話になってる……。
 http://ip.tosp.co.jp/Kj/Tospi200.asp?I=waseda912&P=0&Kubun=K3

 こうみると、「キャパオーバーする大会」の特徴としてはこんな感じ。全部に当てはまるわけではないですが。

・関東の高校生 (EQIDEN、STU、関東の新人王、KQA例会)……「知識の甲子園」風高校生クイズの影響が大?→その割に関東以外の影響力が少ない……
・クイズサークル単位での参加 (EQIDEN、天。KQA例会もここかも)
・「みんなが行くもんだ」という認識が生じてる大会
・問題は短文基本系中心
・ペーパーで絞られるのではなく、なんらかの形で全員に早押しの機会がある

 逆に言えば、上記以外のところはまだキャパオーバーは起こしていないわけで、「人数増にどう対応するか」は火急の問題ではありません。
 個人的には、「サークルの数がまだまだ足りないこと」「地方でのクイズ人口は増えていないこと(関西ですら!)」「強豪層がクイズをやめない一 方で(これ自体は歓迎すべきだが)、6-10年目のミドル層の定着率が悪いこと」の方が重大という認識です。特に3番目は「担い手側の人が残らない(サー クルにせよイベントにせよ)」という点で、なんらかの手を打つべき問題だと思っています。

 ただ、上記のサークルの主催者、それこそ今回であれば早押王/新人王とかのスタッフにとってみれば「火急」の検討課題でしょう。
 また、将来何が起こるかわかりません。『ナナマルサンバツ』が大ブレイクするかもしれないし、テレビのクイズ王番組の復活が「やるクイズ」の需要を喚起するかもしれません。ゲーセン等のクイズでもう1つヒット作が生まれるだけでもクイズ人口は変わってくる気がします。
 ので、「人数が激増したらどうするか」、優先順位は下だとしても、考えておいても損はないかと思います。

【人数増への対応策】

 会場のキャパがある以上、どうしても一大会の人数は制限されます。
 である以上、キャパ以上のエントリーが殺到した場合、考えられる手はいくつかあります。
 他まだまだあるかも。あったら教えて。   

1.何もしない。現状と同じく「早い者勝ち」。
2.何らかの手で優先順位をつける。地域枠(Mino-one)、兼任スタッフの優遇(早押王)、実績を残した層を招待選手にする(Q-League)とか。
3.あえてコンセプトや参加費、求める条件などを厳格化して、意図的に「敷居を高くする」。賢押杯なんかはこれに該当するのかも。
4.ネットを使った事前予選
5.抽選(Q-League)
6.コンセプトや会場などを「分散」させる。

 ここでは6の「分散」について考えてみます。

【「分散」とは?】

 参加となるターゲット層をカテゴライズする。
 そして、それぞれに対して同一大会を別会場で行ったり、別の大会に分けることで、人数増に対応する……というやり方です。

 カテゴライズについては、たとえば「地域」「性別」「クイズ歴」など。
 「同一大会の別会場開催」というのは、早押王/新人王の東西開催がこれに該当します(厳密にいえば問題がクロスオーバーしてるし主催者も独立し ているけど、事実上同一大会とみなしていいでしょう)。東日本がキャパオーバーであるならば、「新人王はオリンピックセンター、早押王は蒲田区民センター で同日開催することで、キャパを倍増させる」という手はあるかもしれません。会場確保はかなり困難ですし、人手もいりますし、一体感がなくなるなど諸々の 懸念点はありますが。
 「別の大会に分ける」のは今の所見受けられませんが、たとえば 「個人戦のabcと、団体戦のEQIDENを別日程で開催する」「STUを高校生版と大学生以上に分ける」などの案がこれに該当します。あ、上記はいずれも僕の妄想なので念の為。
 これの合わせ技も考えられます。たとえばEQIDENをさらに「東日本予選」「西日本予選」に分けて(同一問題で)、abcの翌日に予選勝ち抜けチームで全国大会を行う、とか。これも妄想です。念の為。

 クイズ人口が極端に増えてきたら、もっとカテゴリーが狭まった形、たとえば「神奈川県在住の社会人限定で100人の大会」とかが開かれるのかもしれません。
 もしくは、同一の大会が「神奈川」「千葉」「埼玉」で複数回開催されるとか。

 ともあれ、「一つの大会で担う」のではなく、「複数の大会に分散させる」、という考え方がこの項で述べた内容となります。 
 そのためには、「どう分散させるか」「運営のノウハウをどう共有するか」というのが議論のテーマになってくるでしょうね。

【「みんなが集まる祭り」の終焉】

 上記のキャパオーバーの大会に感じることですが、クイズ以外の要素として「クイズ関係者の大半が一堂に会する祭り」的な要素があって、それがまた集客に繋がっている面もあると思います。
 テレビで見かけるクイズ王から、クイズはじめたての新人までが、一つの会場に集まっているという「一体感」。もちろん実際に来ているのはクイズ界の一部ですが、「祭り」に近いような感覚。

 ……しかし、これは冷静に考えれば、これまでのクイズ界は「クイズ王から新人まで」が集まっても一つの会場で収まりきった、そんな牧歌的な世界だったのかもしれません。
 囲碁にせよ将棋にせよカルタにせよ、他の趣味で階層を超えて一同に会する機会ってあるんでしょうか。おそらくあんまりないんじゃないか、と思います。トップ層はトップ層、高校生は高校生、といったようなカテゴライズがされているのではないかな、と。
 キャリアを超えた人が集まるとすれば、それはもっと地域とかを限定した世界(将棋の○○県予選とか)じゃないかなあ、と。あくまで推測ですが。

 同一会場に集まれるのは、ホール等ではいいとこ600名が限度かな、と思います。
 スタジアムとか武道館を借りるというのは話は別ですが、完全に有志団体が行う世界を超えてきますしね(それはそれで興味ありますが。陸上競技場とかで2000人規模の早立ちとかできないかな)。
 上記の「分散」にしても、やはり限度があります。

 「一会場で人が集まれなくなったときに、どのようにしてみんなで共通の認識を持って、盛り上がるか」というのも、今後の議題のテーマかもしれません。
 たとえば早押王/新人王についての話が盛り上がるのは、東西で同一の問題を使っている&すぐに問題を公開するため、問題についての話がしやすい……というのがあります。共有できる情報があると盛り上がりやすい。
 Ustreamとかの活用なんかもここに入ってくるのかな。

【人数増について、何もしなかったらどうなる?】

 逆に「多人数に対し、このまま何もしなかったらどうなる?」ということも考えてみます。
 僕は「大きな問題はないのでは?」と思っています。
 ただし、「少なくとも各サークルでクイズができること(どこのサークルでもクイズができない、という「難民」が発生しないこと)」が最低条件。できれば上記の「分散」イベントがあればベター。

 確かに、今のように「みんながみんな参加するようなイベント」はもうできないでしょう。会場の定員がある以上、なんらかの手で増え続ける人口にストップをかけざるを得ません。「クイズ界は……」みたいな共通認識を持つのも、難しくなってくるかもしれません。
 でも、そもそも今までが「ムラ」だったわけで、「都会」になったら「ムラ」の牧歌的な要素が失われるのは、ある種必然でしょう。

 また、人が増えれば増えるほどクイズをやる機会は減るわけで、となると「クイズができる」というイベントの魅力は減少します。
 となると、「分散」してクイズをやる機会をキープしない限り、魅力を感じなくなる人が出る→「早押し機に触れないなら行かないや」→参加人数が収束していく、という可能性は高いでしょう。
 「ナンバーワン決定戦でありながら、全員が早押しができる……そんないい時代がありました」と、過去を懐かしむような時代がいずれ来るのかもし れません。ナンバーワン決定戦はペーパーでバサっと絞る、全員が早押しできる大会は地域ごとに行う……などの切り分けが進む可能性も考えられます。
 フルオープンに参加するのは「ベテラン層」と「よっぽどやる気のある若手」で、あとは県ごと傾向ごとに100人規模のイベントがあって、そこは幅広い層が参加する、というのが現実的な気がします。というか大半のイベントが今そうなってるのか。

 さらに言えば、「イベントに参加せず、サークルだけで楽しむ」という人が増えるのかもしれません。これはこれで歓迎すべきです。というか今もそうでしょう。みんながみんなイベントに参加してるわけじゃない。
 もっとも「イベントの担い手論」から言えば、6-10年目のミドル層がプレーヤーとして達成意欲がない→イベントから離れる→イベントの担い手 の不足、というのは一つの問題ではあるので、「サークルでだけクイズをやっている方に、いかにイベントに来ていただくか」というのも、別口で考えなければ ならない点ですが。 

【終わりに】

 といろいろ考えてきましたが、10年前の「このままいけば人数が激減する」という頃に比べれば雲泥の差だなあ、実に贅沢な悩みだなあ、と思っています。
 また、「関東以外の地方」とか「短文基本系以外の傾向」にとってはここらへんの問題とも全く無縁なわけで、むしろ「ベースはあくまで地方」で「短文基本系以外を好む」自分にとってはこっちの方が切実だったりします。

 とはいえ、冒頭でも書きましたが「思考実験」としては興味深い。今回は触れませんでしたが、事前審査とかネット予選について考えても面白いかもしれません。

 あと最後にいきなりちゃぶ台返しするようですが、企業の倒産でありがちなのは「業績急拡大やブームのあとの急落」だったりします。むしろ「じわりじわりと落ち続ける」会社の方が倒産しない。
 急拡大に備えようとするあまりどこかに歪みや驕りが生じないか。高クイやQMAがいきなり打ち切りになって、クイズ界の新規人口が1/10になっても続けられるのか。……というのも、同時並行で考えていった方がよさそうです。

2010年4月11日 (日)

【ご意見募集】新スタイルのクイズイベントについて

 現在、全く新規のクイズイベントの構想を練っています。
 実際にやるかどうか、そもそも実現できるかどうかは全然未確定です。
 細部は全く詰めていません。まだまだラフなイメージ図だけです。
 
 が、まず皆様に
 「こんなイベントがあったら、参加してみたいと思いますか?」
 「面白そう、と感じられますか?」
 「ここをこうしたら、もっと面白くなるのでは?」
 という観点で、ご意見いただければ幸いです。
 
 ちなみに、「名前から思いついた」「最後に下ネタとドヤ顔が待ってる」といういつもの展開ではなく、珍しく真面目に考えています。

【コンセプト】

 「知識勝負」と「早押しクイズのスリル」の新たな融合。
 そして、それを極力「多くの方」に、「多くの時間・量」提供する。

 そのために、「ステージ上でのクイズ」ではなく、かといって「複数会場に分かれてのクイズ」でもない、「参加者全員がずっとクイズを楽しめる」新たなスタイルを考案しました。

【概略】

 ・100人同時参加の早押しクイズ。

 ・新しい早押し機システムを使用。先着のn人が押したところでチャイムが鳴り、問題の読み上げがストップされます(基本は10人ですが、ラウンドによって異なります)。

 ・問題の読み上げがストップされた時点で、押した人も押していない人も、全員手元の回答用紙に正解を書きます。

 ・得点はラウンドによって異なりますが、ベースは下記の通りです。
  1着   →正解+6、誤答-6、かつ早押し6問休み(ボード解答は可能)
  2-n着  →正解+3、誤答-3、かつ早押し3問休み(ボード解答は可能)
  それ以外→正解+1、誤答-1

 一言で言えば、「100人同時の早押しボード、新しいのは”1人ではなく、n人押した時点で問題がストップ”」というイベントです。
 「An×An(4人中2人押したら問題が止まる)の超多人数版」、と言ってもいいかもしれません。

【問題の難易度、長さ】

 各ラウンドにより異なります。
 ベースとなるのは、「早押しボード向き」とされる、「前フリが1~2個あり、最後まで聞けば聞くほどわかる人がじょじょに増える」ような傾向です。難易度的にも、「最後まで聞けば3割近くの人が答えられる」レベルを基本とします。
 ですが、それだけに限定しません。
 
 ・数人しかわからないような、難しい問題、これまであまりクイズに出なかったジャンル・傾向の問題
 ・逆に、参加者の大半がわかるような、スピード勝負の基本問題
 ・「頭の体操」「マジカル頭脳パワー」のような、頭の回転を求めるような問題
 ・「平成教育委員会」のような、学校の教育に近いような問題

 など、さまざまな問題傾向の問題を出題します。

【ルール】

 上記のように、基本は「100人参加」「n人(基本は10人)が押したところで問題がストップ」「全員がボードに回答する」のが基本となります。
 ですが、ラウンドにより、ルールは変化します。また、問題傾向によってもルールが変わってきます。

 ・初心者に限定したラウンド。問題は易しめ。
 ・超難問。その代わり最後まで問題を読みきる。ペナルティも緩め(1回休みなど)
 ・基本問題。その代わり誤答即失格(多分ガラスが割れる音が鳴り響く)。
 ・通常の早押しクイズ。1人が押した時点でストップ、口頭で解答。普通じゃないのは「100人一斉」という点。
 ・長めの問題文を使用。「不正解者」がポイントになる。

 一部の参加者限定ラウンド以外は、「全員」がクイズに挑戦します。
 問題・ルールを変えながら、1日ひたすら早押しボードを行い、その合計点(もしくは順位点の合計)で勝者を決定します。

【早押し機】

 パソコンに接続するタイプの物を新たに開発します(って簡単に書いてますが、ここをどう開発するかが大会実現を左右することは承知の上です)。
 押したn人については、プロジェクター経由で画面に表示されます。
 プラス、1着については、場内カメラで表情を追いかけます。

【得点】

 100人分の得点を管理しきれないので、3人一組による相互採点システムで(要は「隣の人の答案をチェック、それをまた別の人が再チェック」、ということです)。

【会場】

 現実的には「会議室で、全員が前を向くスクール形式」です。
 が、学校の体育館のようにだだっ広いところがとれたら、「全員が輪になる」スタイルもやってみたいなあ。


 ……現時点でのイメージは以上です。
 これを考えるにあたってのクイズ論的バックボーンもあるのですが、そこについてはあえてここでは書きません。参加者の大半は「クイズ論を読んで」ではなく、「そのイベントが面白そうかどうかを直感的に判断して」参加するかどうか決めるわけですし。

 というわけで、上記のようなイベントを「参加したい」「面白そう」と感じるか、また「ここをこうすれば、もっと面白くなるのでは?」という観点で、ご意見いただければと思います。

 ここ1ヶ月くらいずっとこのイベントについて考えていますが、僕にしては珍しく、まだ名前が決まっていない……。

2009年1月 6日 (火)

【特に関西の方々に提案・イベント】関西でのabc対策会「プレabc(仮)」やりませんか?

 vitaの飲み会で盛り上がった話。
 関西にてabcの対策会ができないか?という話です。

 【目的】
 
 ・abc参加層(特に関西在住)の当日の活躍に寄与する。
 ・長い目で見れば、「楽しむために強くなる」醍醐味を知ってもらう。
 ・関西在住のabc参加層間の交流に寄与する。

 【詳細】
 
 ・出題は関西社会人有志。abcに出そうな問題を、1人100-200問集める。
 ・参加はabc参加資格があれば誰でも可能。関西中心だが、他の地域からも参加可。
 ・abcと同様、音響を使った演出を用意、ステージ型で行なう。ネームプレートも作るよ。照明は無理にしても。
 ・形式は基本的にabcに準拠。人数によって微調整。
 ・EQIDENをやるのはちょっと厳しいかなあ。

 【日時】
 
 1月はテスト期間&準備の時間が足りないし、3月はイベントが重なってきている。
 2月下旬だとOUQSがオープン準備でバタバタになる可能性アリ。
 ということで、2/11(祝)、14(土)、15(日)のいずれか。中高生にも来てほしいこと、難問杯と同日にやりたくないことを考えると、15(日)が濃厚でしょうか。

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 関西に住んでいるのも一つの縁、関西在住のabc参加層には頑張ってほしい。
 で、abc参加層有志で1~2組、オープンの対策会をやるという話もあるようです。実のところ、「自分らで問題を用意するのが最大の対策」というのは、あらゆるクイズイベントに共通する真理です。
 ただ、折角なので「abc基準において、関西の学生で一番強いのは誰だ」というのを決めても面白いし、だとすると「学生が企画する=企画者が参加できない」よりは「社会人企画=全学生が参加できる」というのが1回あってもいいんじゃないかなあ、と。

 あと、「abcの本番で壇上に上がりそうな層」だけではなく、「そこの何歩か手前の層」にとってもabcへのモチベーションを上げてほしい、とも思っています。abcは一種の「お祭」ですしね。
 ここについては、「abcのペーパーを過去通過したことがない人」限定の「abcトライアル(仮)」があってもいいかなあ、と思っています。ここについては、当日に併催するのか/別の日にやるのか、別の日にやるとしたら社会人か/学生か、というところも踏まえて、各方面と打ち合わせをしたいと考えています。
 
 副次的効果として、橙武者自身の2月の「天3」対策というのもあったりするのですが。
 あとは「壮行会」の名のもとに飲み会やるとか。結局そこか。

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 というわけで、皆さんにお伺いしたいこと。

【学生の方々へ】 
 上記日程で参加できる、という方はどれくらいいるでしょうか?
 また、「この日程だとテスト期間や合宿なので厳しい」などがありましたらご一報ください。
 (こちらからも情報収集しますが)

【関西の社会人の方々へ】
 上記のもくろみに乗ってみたい、という方、ご協力いただけますと幸いです。 
 50-100問でもご協力いただければ大変助かります(自作でなくても、既存問題集からの引用、改題でも結構です)。

2008年12月30日 (火)

【提案・イベント】イベントでの「本名/ハンドルネーム」問題~「イケフジング」の提案

 「【スタッフ・イベント】2連戦を振り返る・その4~イン・ザ・ネイム・オブ・ラブ」の続き。

 これは「新人王/早押王」だけではなく、クイズ界全体に向けて提案したいことがあります。
 参加者の「名前」……本名を名乗るか、ハンドルネーム(以下HN)を名乗るか……についてです。

【イベントの現状】

 最近、「HNでも参加可」の大会が増えてきました。以前からFQUIZ系を中心に散見されたのですが、最近ではイントロ系、QMA系、さらにはそれ以外のイベントでもちらほら見られるようになってきています。
 とはいえ、まだまだ量から言えば、「本名を名乗るのが前提」のイベントが多数派です。

【参加者側の現状】

 xyz等の経験から主張したいのは、「本名を名乗るくらいなら、クイズイベントにはわざわざ行きたくない」という「本名忌避」の方々がいる、ということです。特に「まだクイズを始めていない層」「クイズを始めて間もない層」については。
 
 以前と大きく変わってきていることは、ネットの存在です。「ネット経由でクイズに入る人が多数派で、非ネット経由で入る人が減ってきている」かつ「ネットの世界は、HNが基本、本名を明かすよう求められることは少ない」ということです。
 で、ネット上でのHN使用は当然ですが、オフ会など実際に会うときでも、基本的にはHNを使ってのやりとりが基本になります(少なくとも僕が参加したオフ会はそうでした)。もともとネット上での付き合いがHNをベースにしている以上、わざわざ本名に切り替える必要性もあまりないわけですし。
 一方でクイズ界のイベントの多数は、未だに入り口で「本名を名乗ること」を要求しています。ネット関係の他の諸趣味と比較して見たとき、これは初心者にとって「余計な参入障壁」になっている、というのがxyzの経験から言えることです。

 もちろん、クイズに対して凄く意欲がある人は、本名に抵抗を持っていたにせよずんずん入ってくるでしょう。でも、そういう人ばかりでもない。
 「クイズには少し興味がある。でも、本名を人前で名乗るのはちょっと……」という、「本名忌避>クイズへの興味」という層は確実に存在します。特にネット経由では!!
 であれば、それが現時点ではたとえ少数派でも、参入障壁はとっぱらっていっていきたい。「この世界に興味を持っているか微妙」だからこそ、そういう人に、「まず来てもらう」ためにも、余計な障壁である「本名」義務化は撤廃すべき(もちろん本名を名乗りたい人の自由も保障する)、というのが僕の意見です。

 なお、「新人王/早押王」では、本名と「当日名乗る名前(本名でも可)」の両方を聞いています。参加資格の確認、という意味で本名が必要というのがその理由です。が、xyzではさらに一歩進めて、「スタッフに対しても、一切本名を名乗らなくても参加可」としています。これは上記の「参入障壁を可能な限り低くする」という考えに基づくものです。

 この「本名忌避」の動きは初心者に限ったことではありません。既存プレーヤーにとっても、「ネット上に本名が乗るのは避けたい」というニーズは、今後一層強まると予想されます。で、「当日は本名義務化だが、Web上ではハンドル可」というやり方もありますが、当日の模様がWeb上にアップされることがありえます。
 一心精進はまだ主催者側の働きかけでコントロール可能ですが、mixiやblogについては(「ここを勝抜けたのは○○さん、△△さん」など)、主催者のコントロール外になりますし。考えすぎかもしれませんが、「そういう場面でも名前が挙げられるのはイヤ」という人が増加する可能性はありえます。
 現に僕自身、仕事の都合上、数年後になると「本名がWeb上に出る」のは極力回避しなければならなくなる見込ですし(現時点では「自分からはWeb上では本名を名乗らないけど、出たら仕方ないか」くらいですが、そうも言っていられなくなる)、そのリスクを考えると「当日、会場でも本名を名乗れない」=「本名を名乗る必要があるくらいなら、クイズの場に出られなくなる」事態も考えています。
 
 話が長くなりましたが、「本名を名乗るくらいなら、クイズイベントにはわざわざ行きたくない」という層がいること、本名義務化にするということは、そういう層の参加がなくなること……というのは、皆さんにもご理解いただければ幸いです。

 また、「本名・HNどちらでもいいが、選べるのならばHNで出たい」という層は確実に増加しています。上記の「本名を名乗りたくない」というネガティブな理由ではなく、「本名よりもハンドルネームの方が、自分を示す"記号"としては認識されている」というポジティブな理由で。
 これはQMA・AnAnからクイズに入った方だけではなく、ネット経由で入った方にとっても同様です。ネット上ではHNを名乗る人が圧倒的多数なわけですし。で、「その人の存在を知ったときの名前」で呼ぶのが定着しますよね(それこそ、はんちょさんにせよミキモトにせよ他の関西ネクステメンバーにせよ、本名知ってるけどHNで呼んでます)。

【企画者側の現状】

 おそらく大半の企画者の方は、この「本名/HN問題」について、そこまで意識していないのではと思っています。今までのクイズイベントが本名ベースだったので、そのままそれを踏襲している、という方が大多数でしょう。
 しかし、中には「HNでも参加可の大会があることも、本名を名乗りたくない人がいることも知ってるけど、それでも自分の大会は本名を義務にしたい」という主催者もいるでしょう。
 そして、その気持ちもわからないでもないです。

 おそらくは「演出の都合上、本名とHNが混じるのはあまり印象が良くない」というのが一番の理由では、と思います。確かにabcをイメージしたときに、「定森洋人、大美賀祐貴、猫猫にゃんにゃんにゃん、豆源、出逗海スタイル、アーンド大爆笑カレー!」ってコールは確かにサマにならないなあ(実在のHNだと差し障りがあるので、舞城王太郎作品の探偵の名前で代用します)。
 既存の「本名ベース」のクイズイベントに慣れた人が不快感を持つかもしれない、だとしたら主催者としては、今まで通り「本名ベース」でいこう……という判断も、一つの考えとして尊重されるべきだと思います。

 とはいえ、一方で「本名を名乗りたくない」層がいて、そういう層にもいろいろなクイズイベントに参加してほしい、というのが当方の考えです。うむ、だとしたらどうしたらいいのか……。

【提案】

(1) 「本名・HNどちらでもいいが、選べるのならばHNで出たい」という層がいることから、演出的にこだわりがなければ、クイズイベントは基本的には「本名/HN/併記の選択可」とすることを提案・推奨します。
 大会後のコミュニケーションの活性化を考えると、一番ベターなのは「本名・HNの併記」なんでしょうね。

(2) 「本名を名乗るくらいなら、クイズイベントにはわざわざ行きたくない」という一部の参加者層のニーズ、一方で「いかにもなHNは演出上名乗ってほしくない」という主催者のニーズの双方を達成するために、「本名を名乗りたくない人には、本名っぽい別名で参加いただく」という選択肢を用意することを提案・推奨します。この選択肢を「イケフジング」と命名します。

【イケフジングにまつわる問題】

 イケフジングの名前の由来は池藤修くんで、これは本名ではないんですが、ぱっと見たところ本名に見えなくもない。もちろん彼はabc等「本名が要求される場」では本名を名乗ってますが(青プレートだ!)、この「池藤修」名義がabcの場でコールされても、そんなに違和感はないですよね。
 なお、この手の名前の先駆者は群馬の蜂谷直さんだと思いますが、「ハチヤイング」は語呂がよくないのでご容赦を……
 
 で、この「本名っぽい別名」というのは、簡単に見えていくつか問題を内包しています。
 一つは「国籍」の問題。日本人っぽい別名を押し付けるというのは、日本以外の国籍の方、もしくは日本国籍でも日本以外のバックボーンの方にとってみれば、「現代の創氏改名」になりかねない。そういう事情を考慮すると、「日本人の本名っぽい別名」という言い方は非常によろしくない。
 といっても、いかにも日本人にしか見えない人が「私はイザヤ・ベンダサンです!本名っぽい別名だからいいですよね」といって参加するのも、「いかにもなHNは避けたい」というニーズからすると問題があります。この点は悩ましい。
 二つ目は「いかにもなHNと、本名っぽい別名の境界線」。たとえば、日本人に多い「漢字表記で姓名がある」とはいえ、「影木栄貴」はいいのでしょうか?「綺羅星明日姫」は?逆に「本名でエントリーしたのに、HNっぽいと言われ、主催者に改名を要求された」というトラブルが起こる可能性もある。実際、知人で「本名がHNっぽくて、HNが本名っぽい」人もいます。特に若い世代になればなるほど、上の世代からすれば「本当に本名か?」という名前が増えてくるわけで……。
 
 ここらへんの問題はおって検討する必要がありますが、主催者のポリシーを守りつつ、参加者の参入障壁を下げるという点、このイケフジングは非常に有効なのではないか、と考えています。いかがでしょうか。

【余談】

 ところで上で何の疑いもなく「本名」「本名」と連呼してきましたが、本当の意味で「本名」を要求している大会はあるのでしょうか?
 というのも、僕はテレビクイズ以外の場で、「本名」確認を要求されたことが一度もないからです。写真付の身分証明書を見せるとか。本当に僕は「ジンノヨシハル」なんでしょうか。それを確認した人はいますか?
 しいて唯一挙げるなら、往復はがきを送る必要がある「QUIZ ROAD CUP」が、「自分の住所を書かせる=本名に類する名前でなければ、返信はがきが届かない」という点でそれに近いかもしれませんが。

2008年12月18日 (木)

【提案・イベント】Web上での公平な抽選

 ここ数日、「Web上での公平な抽選」について考えていました。

 今回の「天3」のように、「短時間の間でのエントリーの殺到」は、今後も可能性がなくはない。
 で、「先着順」というのは判断の根拠として明確ではありますが、Web上での「先着順」というのはシステムの信頼性という意味でまだちょっと怖いのかな、という気もしています。殺到によるシステムトラブル、の可能性もないわけではないので。

 というわけで、ベターなのは「原則先着順、ただし一定の時間内で区切って(1時間単位とか)、その中で抽選」という形でしょうか。
 たとえば「12/15の3時」にエントリーした人よりは「12/15の1時」にエントリーした方が先着順で有利、ただし「12/15の1時1分」と「12/15の1時5分」は差をつけず、もしそこで参加可否をジャッジしなければならない場合は抽選、と。
  
 では、Web上での抽選というのは具体的にどうするのか。
 今回はもともと「エントリー」という場面で考えてたんですが、よくよく考えたら今度のQuiz-NAのように、「組み分け抽選」という点でも考えなければならないんですよね。

・「主催者の意向」(特定のサークルが有利/不利になるように、等)や「参加者の意向」(複数サークルによる談合)という要素が入ることなく、
・手間やシステム上の負担をかけずに
・nチームを、「1位~n位に割り振る」

 ……といったあたりが条件になります。

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 んで、最初考えていたのがこんなやり方です。喜び勇んで某所に書き込もうとしたら、「地方公共団体の入札」でかなり似たやり方があるらしくてがっくし。

 【案1:平均数字の使用】

・あらかじめエントリー時に、各チームに1000以下の数字を"3つ"(ここがミソ)書いてもらう。
・ジャッジに使われる数字は、3つのうち1つ。エントリーチーム数を3で割って、1ならA、2ならB、0ならCを使う。
・ジャッジの方法は、「全チームの平均値から近い順」。
 ただ、これだと500に集中するので、1と1000は隣接している、とみなす。
 (つまり、仮に平均が150だったら、1000の方が400より有利)

 3つ書いてもらうのは「談合防止」のためです。
 いくつかのチームが談合して、多い方or少ない方に寄ってしまうのを防ぐ、と。一つの数字が似通っていたら「偶然」かもしれませんが、三つが一致してたら談合の可能性が高いだろう、と。

 まあそれでも談合の可能性は捨てきれないし、ジャッジは困難ではありますが、少なくとも「スタッフ側による単純な抽選」よりははるかに公平性は保たれているかと思います。

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 Quiz-NAについてもこれで行こうかなあ、と思っていたんですが、ここで恐ろしい思いつきが出てきました。

 【案2:未来近似値】

・近似値クイズを2問出題。エントリー全チームに書いてもらう。
・ただしその近似値クイズは、エントリー時点ではまだ確定していない、未来に関するもの。たとえば「エントリー〆切日の平均株価」「〆切日翌日に行われる駅伝の優勝チームタイム」など。

 これであれば問題漏洩は不可能ですし、「主催者の意向」も入れようがないですし、参加者側も談合するメリットがありません。手間もかけずのジャッジが可能です。ある程度「努力」の要素を入れたいのであれば、「調べないと判断つかない、調べたら有利になる近似値(上記の駅伝のように)」にする手もあるし、もちろん単純な「抽選」の色を強めることも可能です。
 恐ろしい子、未来近似値!
 

 ……まさかまわりまわって7年前に自分がやった案が亡霊のようにまた出てくるとは……。
 Quiz-NAに脈々と流れるKITSCHの血。

2008年5月14日 (水)

【提案・イベント】関西再放送プロジェクト(仮)

 昨日の記事「関西クイズシーンの現状と活性化」でも少し触れましたが、他地域でやったイベントを関西で再び実施する、「関西再放送プロジェクト」(仮)を、8月までにスタートしたいと考えています。

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 【ねらい】

 (1) 関西の方々に、「所属サークル以外で、クイズを楽しむ場」を、ローコストで提供。その楽しさを知ってもらい、ゆくゆくはその担い手も兼ねてもらう。
 (2) 関西の方々の中での交流を増やす。単にプレーヤーとして競い合うだけではなく、「友達・仲間を作れる場」としてのクイズの魅力を訴求し、それによるクイズへの意欲増大を図る。

 これは、昨日の記事の「今後のアクション」のところで書いた「ねらい」と完全に同一です。

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 【具体策】

 (1) 関東の大会主催者と「バイヤー(橙武者)」が交渉、「問題」と「形式」の使用権利を購入。
 購入金額は、「収益(参加費収入-会場費など)の半額」。参加者50人・参加費500円としたら、会場費・印刷費などの経費が15,000円近く想定されるので、(500*50-15000)/2=5,000円お支払いすることになる。なお、赤字の場合でも必ず一定額はお支払いする(その分の赤字は、quiz_too_funにて補填する)。

 (2) 購入したら、事前の修正・当日運営する「運営責任者」を決める。別日開催の場合、「もともとの大会に参加した人」が担当するのが望ましい(そうすれば一人でも多くの人がプレーヤーに回れる)。
 運営責任者には、「収益(参加費収入-会場費など)の半額」を支払う(これも5,000円前後)。複数人の場合はこれを分配。赤字の場合も一定額は支払い。

 (3) このサイトなどを参考にして、会場を確保する。関東と同日開催でもいいし、別日開催でもいい。参加費は基本的には500円。

 (4) 問題・形式については、関西向けに若干修正してもいいし、全くしなくてもいい。また、たとえば「もともとの問題を8割、自作問題を2割」という形でミックスすることも可能。ただし、どの程度ミックスするかは、事前の告知段階で明言することとする。企画書の印刷などは、梅田の「総合生涯学習センター」などの印刷機(製版代10円×ページ数+印刷代1円×枚数+紙代)を使用し安く上げる。

 (5) 告知については、一心精進及びクイズポータル内のプロジェクト公式ページにて実施。ただし結果については一心精進に掲載せず、プロジェクト公式ページにのみ掲載する(情報漏洩の可能性がある以上、一般のクイズイベントとは違った扱いとする)。 

 (6) 当日の運営については、「運営責任者」が責任持って実施する。音響・PPTなどは使ってもいいし、使わなくてもよい(音響を使う場合は、できれば元の大会と共有できれば望ましい)。ここらへんは「+α」の範囲。

 (7) 交流を促進するため、下記の施策を導入する。
 ・胸名札(所属サークル+“My Favorites”などが掛かれたもの。内容は毎回異なってもよい)の着用
 ・懇親会の実施(くじ引きでの席割り)
 ・団体戦の導入(本企画とは別に、フリバ企画で毎回シンプルな団体戦をやっても良い)

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 【メリット】
 ≪関西の参加者にとってのメリット≫
 (1) 量。参加できるクイズイベントの絶対量の増加。
 (2) 質。イベントの種類・傾向についても、幅広いものに参加可能。
 (3) 利便性。他の地域までわざわざ遠征しなくても、クイズイベントに参加可能。
 (4) 交流。より多くのプレーヤーと知り合う場ができる。不快な思いをすることもゼロとは言えないが、同好の士と合える可能性も増える。

 ≪関西の運営責任者にとってのメリット≫
 (1) スタッフ経験。これまで「サークル主催のイベント」がメインだったため、スタッフ経験を積む場が限られてきたが、このプロジェクトによりスタッフ経験(会場取り、告知、司会、問い読み、音響、打ち上げ等)を体験できる場が増える。「将来何かをやってみたいけど、なかなか一歩が踏み出せない」人にとってはいい場になるのでは。
 (2) ローコスト。大半の問題は既に用意済みであり、通常のイベントに比べれば遥かにローコストでイベント開催が可能。

 ≪元大会の主催者にとってのメリット≫
 (1) 資金。全くコストをかけずに5,000円前後を入手できるため、会計黒字化に貢献できる。
 (2) 参加者の増加。折角用意した問題・企画を、より多くの人に味わってもらえる。
 (3) 試験回数の増加。特に実験的な形式の場合、より多くの回数サンプルをとることが可能。
 *自分自身、折角用意した問題・企画だったら一人でも多くの方に味わってほしいし、出題相手によって反応が違うのは面白いんですよね。

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【懸念点】

 (1) 問題漏洩
 同日開催以外の場合だと、どうしても「問題が漏洩するのでは」という懸念がある。
 また、そのことを嫌がり、参加しない層が出てくる可能性もある(とはいえ、「既に問題集まで出していた」u-4/Quizzesでも60名参加頂いたが)。
     ↓
 ・問題漏洩の可能性をゼロにするには、「元の大会と同日開催」がベター。但し、そうすると「出題責任者がプレーヤーとしては参加できなくなる」「元の大会の参加者の減少(詳しくは(3)にて)」が課題。そのため、原則は「別日開催」となる。
 ・「別日開催」の場合、元の大会が開催する前に「関西再放送」を決まっていたら、元の大会の参加者にブログ・mixiでの書き込みを一定期間ご遠慮いただく。まだ決まっていなかった(元大会終了後に開催が決まった)ら、mixi・ブログなどで全体に公開された問題については、関西では出題しない。
 ・とはいえ、問題漏洩のリスクはゼロにはできない。そのため、結果については公式サイトのみでの公表とし、ステータスと成りうる「一心精進」への掲載は行わない。「通常のクイズイベントとは一線を画す」形とする。

 (2) 元大会の参加者への「書き込みご遠慮」の強制の是非
 元大会の参加者の方々には、「一定期間、この大会についてのブログ・mixiへの書き込みをご遠慮いただく」必要が出てくる。そのことにより、「大会終了後の感想戦が盛り上がらなくなる」リスクが生じる。また、「このようなことを参加者に強制するのは好ましくない」と考える企画者の方がいてもおかしくない。
     ↓
 ・主催者判断によっては、「終了後の盛り上がりを重視し、ネット上での発言については制限なし」の形をとってもよい。その場合は、「ネットで公開された問題は、当日出題しない」形をとる(チェックの手間、問題補充の手間はかかる)。

 (3) 関西→他地域の遠征勢の減少
 関西でも大会に参加できる……となると、関西から他地域に遠征する参加者が減少することが予想される。「関西と他地域との交流を損なう」「元大会の参加者減少」というリスクが考えられる。
     ↓
 ・極力「別日開催」を導入する。そうすれば、「他地域に遠征しに行った人が、関西に持ち帰る」形となる。
  「後で関西でもやるのに、わざわざ遠征する人がいるのか?」については、それでも「いる」と思われる。他地域の方と対戦・交流できるという目に見えるメリットもあるし、心理的にも「他地域の大会が“本家”で、活躍すれば“一心精進”に載る」、関西はあくまで「再放送、ディフュージョンブランド」で、扱いが異なるわけで。
 *現実には有り得ないとはいえ、たとえば「abc関西再放送」「ロードカップ関西再放送」があったと仮定したら、トップ層はそれでも関東に遠征するだろうし。

 【今後のスケジュール】

 現在、いくつかの大会(既に実施済)のスタッフと交渉中。
 早ければ7-8月に第1回「再放送企画」を実施。
 以後、年3~4回のペースで実施していきたい。

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 なぜ関西では大会が少ないのか?交流が少ないのか?
 乱暴かもしれませんが、僕の仮説はこうです。

 「大会が少ないから、大会が少ないのだ」。
 「交流が少ないから、交流が少ないのだ」。

 大会(交流)の少なさが、心理的な壁の高さを呼んで、余計に大会(交流)の少なさを招いている。
 であれば、大会と交流の場を増やせばいい。
 そのためには、オリジナルの問題・企画をゼロから作り上げるよりも、他地域でやっていた問題・形式を輸入する……若干関西にあった形で改変するのでもいいし、そのままでも良い……というのが、目的を達成するためには一番手っ取り早い。もちろん、ゼロから作り上げる大会も必要なんだけど、それを年何回も安定供給するのは無理。その理由も、やはり「心理的な壁の高さ」に帰着します。「大会を開くこと」にせよ、「サークル外に出て行くこと」にせよ。

 将来的には、逆に「関西でオリジナルの企画を作って、それを関東に輸出する」ことができればベター。そうすれば関西在住で企画に興味を持っている人にとってもやりがいを感じることができるだろうし。
 
 以上、「関西再放送プロジェクト」についてご説明しました。いわば、以前提案していたままペンディングになっている「サークル企画共有化計画」の発展形・イベント版、だとお考えください。
 「運営責任者」を担当してもいいよ、という立候補や、「こういう大会を関西に持ってきてほしい」「自分の企画を関西でやってほしい」というご提案、その他このプロジェクトに関するご意見・ご指摘がありましたら、是非いただければと思います(宛先→quiz_too_fun阿斗nifty.com)。前向きに生かしていきます。

2007年5月14日 (月)

【提案・イベント】ミドル層向けのイベント

 ここ2ヶ月、「abc」「勝抜杯」「xyz」を経て考えていること。

 今、いろいろなクイズイベントが各地で開催されています(参考:一心精進)。
 短文系の「Quiz Road Cup」「勝抜杯」、参加者限定の「abc」「賢押杯」や「Never Ending Story 2007」。地方も盛りだくさんです。「琉九大学オープン」「やぶさかオープン」「泥酔無礼講杯(仮)」「聴QⅢ&A.O.D」そして東北の連戦、新潟の連戦。あと一心精進には載ってないですがT-Cupが6月頭でしたっけ。

 しかし、大半のものがフルオープン。上位層(決勝・準決勝の常連クラス)とそれ以下の差はかなり広く、準決勝以降に進める=長くクイズを楽しめる層は固定化されてしまっているのでは、と危惧しています。
 「初心者」とはいえないけれど、「上位層」にはまだまだ及ばない、そんな「ミドル層*」の方からすれば、なかなか「主人公感」を持って楽しめるようなイベントがない。xyzには「卒業でしょう?」「スタッフをお願いします」と言われて出場できない、とはいえフルオープンでは強豪たちの前に歯が立たない……。

 もちろん以前からこのような「壁」はありました。しかし、昔に比べると上位層がクイズを辞めなくなっていることで、「壁」がどんどん高くなってきています(参照)。90年代はオープンの参加者の大半が学生、卒業したらクイズから離れるのが普通……という時代もありましたが、それよりも「長くクイズを楽しめる」現在の方がいい時代です。が、それが仇になり、ミドル層以下はなかなか「主人公感」を味わえないのではないか……。
 
 *何をもって「ミドル層」とするかですが、僕は「xyzの卒業レベル」~「abcの3R進出未満」と考えてます。フルオープンでは難しいのですが、クイズロードでは「敗者復活の3○に呼ばれる層未満」、勝抜杯では「7○3×未経験者」(これも微妙だ)、その他のオープン(FQUIZ系とか)では「準決勝未経験者」あたりかなあ。ここらへんの線引きは本当に難しい。
 
 そんなこんなで、今「ミドル層の方をメインターゲットにしたイベント」ができないか、と考えています。どのイベントに行ってもそこそこ楽しめる上位層は別のイベントで楽しんでいただくとして、ミドル層が真剣勝負を楽しめるような、そんなイベントはできないか。
 かつ、受け手側だけとして専念するのではなく、作り手側に回る楽しさ・ノウハウも伝えられるような形で……。また、交流を図りたい人にはその場になるような形で……。

 仕事や家庭の都合もあり、100%「やる!」と言い切れる状態にありません(なんせ転職してから1ヶ月強だし)。ただ、状況が許せば、今年度中に「ミドル層の方が、主人公感をもって、真剣勝負を楽しめるようなイベント」を実施したいと考えています。イメージとしては11月~1月くらい。仕事の一つの山が2月に来そうなので。
 
 基本線は「クイジーズスタイル」+「UEFAカップ(1)(2)」(途中までの実績により、複数部屋に分け、同時進行する)。
 クイジーズスタイルをとることで、ミドル層の方が「参加者」になりつつ、「スタッフ」として担うことができる。メインターゲットは「ミドル層」ですが、このやり方(実力別の複数会場制)であれば上位層・初心者層の方もサブターゲットに入れることもできますし、あえて入れずに「ミドル層向きに特化」という選択肢もあります。ここらへんも要検討(どこで参加可否のラインを引くか……というのも悩ましい問題ですし)。
 
 もし興味のある方、ご意見ご感想ご要望のある方、「何かお手伝いしたい」という方、メッセージを橙武者まで頂戴できれば幸いです。イベントの中身はまだまだほとんど決まっていないので、今後皆さんの声により大きく変わっていきます。
 まだ思いつき段階で、確実に「やる!」といえないのがもどかしいですが、ひとまず「ミドル層向けに何かやりたい!」という思いだけはオープンにします。

2007年1月21日 (日)

【提案(イベント)】博覧会形式のイベントについて

 さいやへのレスを書こうと思ったら、ちょっと長くなりそうなので、別に記事立てします。
 
 まず最初に、「博覧会形式」のイベントはもっと増えてほしいと思います。
 基本的には、こんな感じ。

 ・複数会場で並行的に実施。
 ・いくつかのサークル・個人が出展。普段のサークルでやっている企画をそのまま再放送してもいいし、これ用に新企画を用意してもいい。
 ・ナンバーワンを決めてもいいし、決めなくてもいい。(別の見方をすれば「一心精進に載せてもいいし、載せなくてもいい」)

 部分的にはQuizzes-2での"10Minutes Challenge"という形で実施しましたが、今回の「クイ博」で一つの形ができたことは非常に大きな成果なのでは、と思います。

 もちろん「ナンバーワン決定戦」も違ったメリットがあります。が、こと「いろいろな傾向のクイズを、より多くの人に、ローコストで、実際に触れてもらう」ことについては、博覧会形式には大きなメリットがあります。特に「ローコストで」「実際に触れてもらう」という点、非常にメリットが大きいのかな、と。
 今回のクイ博のような200人以上のいわば「万博」だけでなく、50人前後とか地方ごとの「小規模博覧会」「ジャンル別博覧会」があってもいいんじゃないかな、と。たとえば「漫画カルトクイズ限定博覧会」(KQKの合宿裏企画のようだ)とか。
 
 ある程度人数を集める、特にクイズから距離がある人も集める……ということであれば、今回の「天2」のような団体戦との共催は不可欠、だと思います。これが個人戦だったらここまで相乗効果はなかったし、特に今回はホノルル、MQC、OBA-Qなど「普段なかなかイベントに参加できない方々」に来ていただいたのは非常に大きい成果でした。
 とはいえ、ホールを借りて団体戦をやるのはかなりの労力がかかります。「義務-負担」論では今後継続は難しいでしょう。「博覧会は、やりたい人が担いながら年1回以上」「団体戦も込みの万博は、実施可能なとき、できれば2~3年に一度」という形がいいのかなあ、と。

 あ、そうだ。少し余談ですが。
 一つだけ今回のクイ博に注文つけるとしたら、やっぱり懇親会はほしかったかなあ。今回はabcのリハがあったからやむなしとはいえ、折角いろいろな方がいらしていたので会話できる場があればな、と(酒があればこしたことはないけど、なくても可)。
 abc~the first~のときのように飲食が可能なところだったら最高なんだけどねえ。労力面の問題はありますが、飲み物・ゴミを各自管理にすれば不可能ではないと思います。

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 閑話休題。
 さいやから事前に「多部屋開催のノウハウ」として伝えてほしい……という連絡があったのですが、たいしたことは伝えていません。
 が、折角の機会なので、さいやに送ったメールに会場面の話などを付け足して公開しておきます。

 【会場について】(今日追加)

 ・代々木の「オリンピックセンター
 ・蒲田の「蒲田区民センター
 ・今回の川崎の「川崎市産業振興会館
 あたりが候補になるかと。
 あとは小規模博覧会の場合は、池袋の「みらい館大明」とか。
 他にいいところがあったら教えてください。

 【スケジュール構成】

 重要なのは、「当日どうこうする部分」よりも、「もともとスケジュール構成に余裕を持っておく」点にあるかと。
 どこかの部屋で時間が押した場合、当日調整するのはかなり困難です(当然の話、一番遅い部屋に合わせざるを得ない)。
 「スケジュールをスカスカにして、余った時間でフリーバッティング、フリートーク」というのがオススメです。カラブリのときはウノが余った時間で「超音速」や「スミス1/2」をやってました。

 【当日のリスク管理】 

 ・司令塔となるべき人を決め、その人の携帯・メールアドレスを教えておく。
 ・各部屋の状況を見る係を作っておく(別名「王の耳王の目」。ここらへんは部屋の配置によっても変わってくる。Quizzes-2のように同じ階だったら司令塔が見てまわれるんだけど、階が変わってくると正直しんどい……)。

 ……という体勢をxyz等では作ってはいます。
 が、「そもそも時間が押すことを防ぐ」というのが一番効果的で効率的です。

 【各出展サークル・個人にお願いするポイント】 

 ・各サークルに”時間限定ルール”を用意してもらい、確実にその持ち時間内で終わってもらう。
 ・できれば10分前に終わってもらい、フリートーク(サークルの紹介があればベター)や休憩の時間を設けてもらう。 

 「スケジュールをスカスカにして、余った時間でフリーバッティング、フリートーク」ってのは、全体構成だけではなく、各サークルの持ち時間でも同様のことが言えますね。
 
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 他なんかあったかなあ。思い出したら付け加えます。

<告知>

  • 1.mono-series~クイズNo.1物知り決定戦~
     2013/12/8、東京・大阪・福岡+αで開催!ペーパー・早立ちを用いた「幅広い知識を競う真剣勝負」です。兼任スタッフエントリー受付中!
  • 2.クイズサークル「シンサクール蒲田」
     2011年に発足したクイズサークルです。蒲田を中心とした東京周辺で、1~2月に1回活動を行っています。初心者から強豪まで、若手からベテランまで参加者募集中!
  • 3.クイズ企画共有化計画"Q_loud"
    「クイズの企画を共有化し、各サークルで実施しよう」という試みです。
  • 4.クイズポータル
     「クイズ」に関連する情報を集めたポータルサイト。「クイズ」で検索したときに上位に出るよう、サイト・ブログをお持ちの方はリンクを貼っていただけると有難いです!

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