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2014年4月 4日 (金)

【提案(イベント)】mono-seriesにこめた思い(久々のクイズ論)

 久々にクイズ論を。
 mono-seriesをやるにあたって、僕が「こんな思いがあったからこそ開催したい」と考えていたものです。

 「クイズ論ありきのイベント」と思われたくなかったし、「まずイベントを見て頂いて感じてほしかった」部分もあるので、第1回の前に言うのは止めておきました。
 とか言ってるうちに第2回のコンセプト設計のタイミングに入ってきたので、まとめるとしたら今かな、と。

 細かく書いていくといくら時間があっても足りないし、いまいちまとまりのない内容ですが、箇条書きに近いようなメモとして記しておきます。項を分けて補足するかも。

【大前提:mono-seriesを開催するにあたっての心構え】

 僕は今まで、「こういうのもあってもいいのではないか」という問題提起をいろいろしてきました。また、「まずとりあえずやってみよう」というような実験企画もやってきました。
 しかし、mono-seriesについては、問題提起や実験企画とは違った心構えで準備しました。

 これまで20年クイズに触れてきた中で、あらためて「クイズって何?」というところからコンセプトを考えていきました。
 その上で、今主流となっている「競技としてのクイズ」はそれはそれで楽しいし普段やっているのてすが、それだけではない、クイズの根源の一つで ある「お互いの知識をやりとりし、新しい知識を得ること」にフォーカスしたイベントを、今後のスタンダードの一つ(メインストリームにならなくても)にな りうる存在として実施したかった。
 そのことが、今後のクイズの発展として必要不可欠だし、最近のクイズではやや顧みられるところが少ない傾向ではあるので、それを改めて実現しようと考えた。それがmono-seriesです。

 「こういうのもあってもいいのではないか」ではなく、「こういうのがなければならない」。
 それくらいまで確信持てるくらい、mono-seriesについてはいろいろと掘り下げて考えました。
 それが正しいのか、まだまだツッコミどころがあるかは、いろいろな方のご意見に耳を傾けたいと考えています。

【思い1:クイズへの「参加機会」「解答機会」をもっと増やしたい】

 なぜ「ペーパー+早立ち」か、という話。

 早押しは人数が多すぎるとできないし、端子数を増やすと場が荒れやすい。そのため、イベントにおけるクイズができる機会(参加機会)は平均しても多くないし、ましてや競合以外はほとんどクイズに「参加」できない。
 また、参加できたとしても、1問につき答えられる(解答機会)のは基本1人。
 (参加機会、解答機会が少ないからこそスポットライトが当たるだし、だからこその「非日常」が興奮を生むので、これがイコール悪いこととは思い ません。が、大半のイベントが「ステージ型、参加機会と解答機会が一部に偏る」形をとっているのは確かで、他のスタイルを模索したかった)

 mono-seriesでは「早立ち」というスタイルを用いることで、幅広い層にとって「参加機会」を増やし、さらに「解答機会」も確保するように努めました。
 「負けた人が納得いく」ことを目指したイベントはいくつか目にしますが、今回は「そもそも全員が、同じくらいクイズに参加できる、解答できる機会がある」という設計にしました。

 「参加機会」と「解答機会」という考え方は、サークル運営とかフリバ会なんかでも僕はよく意識しているのですが、いまいちメジャー・共有されている考え方ではなさそうなので、今後も折につけ触れていきたいと思っています。

【思い2:「プレーヤー対プレーヤーの競技」だけがクイズではない】

 「プレーヤー対プレーヤーの競技」として、クイズをとらえる考え方が、特に近年は顕著です。
 短文基本を主な対象とし、努力して臨むのを前提にする「競技クイズ」という表現が、賛否両論あるにせよ最近よく目にするようになってきました。
 「スポーツとしてのクイズ」というのは、数年前は完全に「単なる比喩」でしたが、今ではアスリートのような姿勢が広まってきているように思えます。もちろんそれだけではないにせよ。

 今回のmono-seriesは、「誰が一番物知りかを決める」というコンセプトも掲げており、「プレーヤー対プレーヤーの競技」という側面ももちろんあります。
 が、それだけを追求するつもりはありませんでした。
 最近やや見落とされがちですが、クイズの一面は「プレーヤー対問題作成者」であり、それを重視しました。問題スタッフという「集団」としてもそうですし、一問一問の問題が「これ、○○さんが作った問題だったのか!」という意味でもそうです。

 「競技」「スポーツ」の側面はあるにせよ、一問一問の問題、一つ一つの知識、そしてそこに込められた問題作成者一人一人の思いに対してどう感じて頂くか……の方が優先順位は高かったです。

【思い3:「対策」「努力」だけがクイズではない】

 どうしてもクイズプレーヤーは「勝ちたい」「活躍したい」「答えたい」のが性。特に近年は「対策して臨むクイズ」がベテラン・若手問わず前面に出されている感が強いです。
 僕も、「ABCで青プレートとる」という目標を掲げてガチガチ対策してました。このような対策や努力も楽しいのは確かです。

 ただし、「対策」「努力」のクイズばかりに目がいってしまうと、どうしても「成果に結びつかない知識」「幅のある企画」が軽視されがちです(も ちろん大半の人は、そこはバランス感覚をもって臨んでいるし、対策・努力が反映されないクイズが出て怒る人は2014年のクイズ界ではあまりいないでしょ うか……10数年前とは雲泥の差……)。

 今回はその点、「対策」「努力」については一切考慮に入れませんでした。ひょっとすると対策して臨んだ方もいるかもしれませんが、それが有利になるような意図的出題はしなかったし、逆に「クイズでよく聞くからあえて外す」こともしませんでした。

【思い4:「クイズNo.1物知り決定戦」って……物知りってなんだ?】

 「物知り」とは何か。

 今回は、あえて僕から明確な定義はしませんでした。
 しいて言うと、参加した人が、「うおっ、この人物知りだ!」と感心できる機会が何回かあったのであれば、今回のmono-seriesをやる意義があったのかな、と思っています。

 これはかなり過激な意見かもしれませんが、僕は「優勝者をあえて決めず、”誰が一番強かったか”を観客それぞれが決める」、そんなイベントやサークルの企画があってもいいのかなあ、と思います(これは「あるべき」ではなく「あってもいい」「実験」レベルの話ですが)。 

 普通のクイズであれば正解すればポイントが入りますが、一つ一つの知識が全てほぼ同等の「1p」として扱われてしまうのは、「定量化」という点では当然とはいえ、「それだけが唯一の手段か?」という感がします。
 たとえば正解したら「その答え」を獲得し、最後にそれぞれが獲得した「答え」を見比べて感想戦をやる。投票で優勝者を決めてもいいし、いっそ決めずにそれぞれに委ねてもいいのかもしれない。それもクイズの一つの可能性だと思うのです。

 その際の価値基準はいろいろあると思います。目が覚めるようなポイントだとか、ピンチのときでも動じない勝負根性だとか。その中の一つに「幅広 いだけでも、深いだけでなく、両方を兼ね備えてるんだなあ」つまりは「物知りだなあ」と思わせる、というのがあるんじゃないかな、と。

【思い5:なぜ「いろいろな傾向のクイズ」が必要なのか】

 僕は「いろいろな傾向(評価基準)のクイズがあるべき」という考えです。
 もちろんこれは絶対ではなくて、「一つのクイズの傾向に収束されるべき、優先されるべき」という方もいるでしょう。確かにその方がブレがなく、クイズに触れていない人にも説明しやすいし訴求力は強い。

 でも、僕はクイズには「いろいろな傾向」が必要だと思ってます。
 ここを論じだすと本当にキリがないのですが、僕が普段考えているのはこんなところです。

・評価するのが「人間」であり、その人の価値基準により大きく異なる。
・評価する「出題者」と、評価される「競技者」が入れ替わることができる。これはメリットでもあるし、ともすれば「内輪、癒着」と見なされがち。何か一つの傾向に固定しようとしても、多くの反対が寄せられることが予想される。
・クイズの対象となるのは世間の森羅万象であり、「開かれていて」「無限」で「常に更新されている」。切り取り方も人によりさまざま。

 上記のようなクイズの根本的な性質は、今後も変わらないと思われます。もちろん「プログラムで問題を自動選出する」とか、「出題者と解答者の間 に一切の交流を禁じる」とか、「ベーシックイングリッシュや学校のテスト範囲みたいに”クイズに出していい範囲”をあらかじめ決める」というのであれば話 は別ですが、多分そうはならないでしょうし。
 である以上、「いろいろな傾向」は必要だと思っています。

 今回、mono-seriesのような問題傾向は、昨今行われている「競技クイズ」とは異なるものでした。
 しかし、「こういうのもあっていい」のではなく、競技とは異なるコンセプトで作られた問題群が「あるべきだ」、というのが、このイベントを突き動かした原動力の一つでした。



 第2回がどうなるかはまだわかりません。
 これから3か月くらい、いろいろな方のご意見を伺いながら組み立てていきます。その中には上記のような思いが前面にでるところもあるかもしれないし、かなりセーブする部分、他のイベントに回す部分も出てくると思います。

 ともあれ、第2回についてもいろいろな方にご協力を頂く機会があると思いますし、その中で自分の考え方が変わってくるところもあると思います。
 自分の思いを固執せずに、かといって思いを捨てて流されないように、最終的には「より多くの人が楽しめる」ものが作れるよう励む所存です。あらためて皆様、よろしくお願いします。

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