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2008年10月14日 (火)

【参戦・サークル】1994年のクイズ研・大学と高校の関係(東大オープンから)(2)

 (1)はこちら
 プライバシーに関わることですので、ご本人以外は「~位の方はあの人だ!」的書き込みはご遠慮いただきますよう宜しくお願いします。

 なお、「学歴」という非常にデリケートな話題に踏み込んでいますが、私・橙武者は、
 「学力・学歴に一切関係なく、できるだけ多くの人にクイズを楽しんでほしい」
 「しかし、現状を見る限り、クイズをやるのは高偏差値の高校生・大学生・OBに偏っている」
 「であれば、それ以外の方々にももっとクイズを広めるチャンスがあるのではないか」 
 ……という立場であり、けして「高偏差値以外の層はクイズをやるな」という立場ではないことをお断りしておきます。

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 さて本題。
 おそらく今の学生さんが見て一番驚くのは、「クイズ研があるような高校が少ない!」ということなんじゃないでしょうか。

 高校クイズ研が次々と誕生したのが92-93年なので、この頃はまだ「高校クイズ研OB」もほとんどいません。現役高校クイズ研はわずか1人(38)、高校クイズ研出身の大学生も、僕が知る限りわずか3名。慶應(23)、熊谷(50)、県浦和(60)だけで、しかもいずれも当時大学1年の方々です。
 なお、「クイズ研ではなかったけれども、クイズをやっていた方」というのは存在します。当時既にクイズ本は多数出版されていたので、独学でクイズをやっていた方も多いでしょう。中には3名ほど、「テレビのクイズ王番組に高校生のとき出場された」方もいらっしゃいます。ってお三方ともFNSだ!

 一番のポイントとしては、「高校クイズ研出身」の人がほとんどいないのは時代背景的に当然といえ、「高校クイズ研が後にできた学校」もほとんどない、ということです。例外は旭川東(4)、金沢泉丘(21)、川越(27)、開成(35)、宇都宮(54)、灘(61)くらい。それ以外は、おそらく「クイズ研が存在したことのない学校」で、そこの出身者が8割を占めています。

 んで、「クイズ研が存在したことのない学校」を見ると、大半が「地方の公立、おそらくは学区ナンバーワン校」なんですよね。逆に言うと全国に名だたる受験の超名門校(皮肉って言えば、今年の高校生クイズ演出班が涎を垂らして飛びつきそうな学校)出身というのはそれほど多くない。灘・開成・ラサール・東大寺や、クイズ研がないところだと武蔵・麻布・桐朋・桐蔭・愛光・青雲あたりの出身者がもっといてもおかしくないのに、この当時はほとんどいなかったわけで。

 これらの大学の出身校構成比、94年当時と2008年では若干の違いはあるかと思います。ただ、少なくとも「クイズが強いのは、開成・灘・東大寺などの超名門高校だけ」という今年の高クイ演出に凄まじい違和感を感じるのは、上記のような方々と一緒に僕がクイズをやってきたから、かもしれません。

 少し興味があったので、今年のabcの予選通過者も調べてみました。
 僕が知っている範囲ですが、高校生5名を除くと、「高校クイズ研に所属」もしくは「ネット経由などで高校生オープンに参加」したのが23名、「それ以外の高校出身」組が20名です。1994年には3対65だったのが、15年後には23対20に逆転したわけです。
 時代の趨勢といえばそうでしょうし、高校クイズ界の盛況は歓迎すべき点です。が、一方では、やはり「それ以外の高校出身」の人の数の方が少ない現状は、少し歪な感があります。まして高校クイズ研が全国で数十校しかないわけで。
 もちろんネットの発達等いろいろな要因があるので、単純視しすぎるのも問題があります。とはいえ、「クイズ研がなかった高校・大学」出身者へのアプローチは検討の余地あり、というのはまざまざと現れている感があります。ましてやQMAという形でクイズをやる層が広がっている昨今では。

 結論めいたことは、実は冒頭の「お断り」で書いてしまっています。
 つまり、「超・名門校でなくてもクイズは強くなれるし楽しめる」という、僕らにとっては当たり前すぎるほど当たり前すぎ、今年の高クイ演出班にとっては極力秘匿したい当然の事実を、わざわざ15年前の資料を引っ張ってきて主張してみた、と。
 まあ、単純に懐かしいよねえ、というのもありますが。

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 話は少しずれますが、高校生が一人、というのも時代を感じます。記憶が確かならば、予選通過どころか参加者も高校生は一人だけだったはず。
 今は高校生どころか中学生もフルオープンにくる時代ですが、1994年当時は予選通過どころかそもそも高校生が参加すること自体かなりのレアケース(クイズフェスティバルは数少ない例外)でした。
 どうやって知ったんだっけ、大会の存在。確か当時ゲスト参加していた「土の会」の方に教えてもらった記憶があります。逆に言えば、そういう知り合いのルートがない限り大会の存在を知ることができない(当然ネットなんてなかったわけで)のが当然の時代でした。学連なり関クイ連なりに加盟する最大のメリットは「イベントやテレビ番組予選等の情報入手」にあったんですよね。今となると完全に昔話ですが……。

 しかし懐かしい名前が多い。皆様どうされているんでしょうか。
 クイズを続けられている方、さらにはマイミクな方、今度イベントをご一緒する方も何人かいますが、大半の方は既にクイズから離れてしまっています。おそらく今でも定期的にクイズを続けているのは1~2割前後では。
 当時の決勝進出者のお一人が、いつの間にやらドMになっているように、人は変わるものです(よりにもよってその例か)。が、それにしても勿体無い……。

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コメント

はじめまして。
検索でたどりつきました。

これはプライバシーには関わらない範囲だと思うのですが、ここに名前の出ている旭川東の方、クイズ研の出身ではないと思います。

というのは、旭川東のクイズ研の出身者で、この時期に大学生で、埼玉大にいた方はいないので。

>「クイズが強いのは、開成・灘・東大寺などの超名門高校だけ」という今年の高クイ演出に凄まじい違和感を感じる

これはもしかすると、時代が変わったということなのかもしれません。
第二次ベビーブーマーおよびそのすぐ下の世代からなっていた当時の大学生と違い、少子化により才能が有名校に集中しやすくなったということはあるのではないかとも思います。
ただ、そんな中で、上位校の中では進学実績で圧倒的に劣る旭川東が、二年連続で全国大会上位進出していることは、考え方次第では励みになるのではないかと、OBとしては思っています。

>宮嶋様

 書き込みありがとうございます。
 ご本人とは知り合いですが、おそらく非クイズ研だったと思います。(上の文章がややわかりにくいですが、旭川東を挙げたのは「当時クイズ研がなかったが、後でできた学校」の一つとして、です。他には灘とかも)

 少子化により才能が一部に集まりやすくなった、というのは同意です。ただ、これって地方の一番校にとってもこれはフォローだと思うんですよね。 
 で、高校生クイズの場合は「一人凄く強い人がいればがらっと変わる」わけで。
 かつ、昔でいえば情報格差があったわけですが、今はネットの発達もありますしね。出場者のかなりの部分がmixiでつながってる、とか隔世の感。

 というわけで、時代背景的にはそれこそ旭川東とかもチャンスが増えたように思えます。
 ところで何ゆえ北海道の高校クイズ界は札幌<その他、なんだろう……いや、勝手な印象論ですが。

 僕自身は私立の出身ですが、地方出身なのでどちらかというと公立進学校にシンパシーを覚えます。頑張れ静高。

>橙武者さま

お返事、ありがとうございます。
そうでしたか、ご存知でございましたか。

クイズ研ができる前の旭川東は、放送局とか科学部に「クイズの強い人」がいたと聞いています。
実際、クイズ研ができる前に、学校祭でPCでプログラム組んだ自製の早押し機でクイズ大会を開いていたのは、放送局でしたし、第11回で準優勝の方々は、理系クラスではなかったかと。

>何ゆえ北海道の高校クイズ界は札幌<その他、なんだろう

これは当時から不思議でした。
自分が現役の時は、旭川東、帯広柏葉、岩見沢東でよくつるみましたが、札幌の高校とは縁がなかったわけではないですが、薄かったです。
札幌の南北東西各校なんて、生徒の質的には絶対盛り上がる素地はあったはずなのですが。

ただ、今から、というのは難しいんでしょう。
旭川東が高校生クイズで優勝した次の年、2003年に学校祭の企画と高校生クイズの北海道大会を訪れて、OBとして当時のクイズ研と接してみて驚いたのは、会員の平均的な質の底上げがすごかったことでした。
自分たちの年代だったら、そこまで底上げしようと思ったら誰も会員残らなかっただろうなというレベルまで平均が上がっていたのに驚かされたのです(当時だって、決して不真面目にやっていたわけではなかった。1年生の最初の3ヶ月をクリアした子たちはみんな真面目にやってたのに)。
どうも、開設して8年目くらいからいろいろな意味で伝統の引継ぎに値するようなノウハウが溜まってきたように見たのですが、それが20年となると、ちょっとこの経験値を後発がひっくりかえすのは難しいのでしょうね。
正直、いくらクイズ研が減ったといったからって、この10年の旭川東の残した成績は、学校のレベルからいうと、OBながら驚きです。

>これって地方の一番校にとってもこれはフォローだと思うんですよね。 

これは自分も不思議なんです。
15年前に今と同じフォーマットで高校生クイズやったら、地方一番校を含めた大激戦になってたはずだと思うんです。
なんでそれが、ヤオやイカサマなしでこうなるんかなあ、と。

・ベタ問の数をこなす(赤本20年分回す感覚で)
・ベタ問の答えから芋づる式に派生知識増やす
(wuikipedia使えば余裕のはず)

これが一番いい方法だとしたら、前者を達成するのが難しい(ネット古書があるとはいっても、情報そのものにアクセス出来ない)という点で、クイズ研のない地方高には壁が高すぎるのでしょうか。

>宮嶋さん

 コメント遅くなり申し訳ありません。
 
 非常に共感を覚えながら読んでました。
 
>クイズ研ができる前の旭川東は、放送局とか科学部に「クイズの強い人」がいたと聞いています。

当方は某高校クイズ研の創設者なんですが、ベースになったのは「社会科学研」という名前なのに3人の先輩がクイズをやってたサークルと、「数学研究会」「棋道部」だったんですね。で、数学研究会の人達は、前年西武球場で地球儀用意して計算している姿がテレビに取り上げられてたり。
 そこそこの高校であれば、そういう素地をもった人は当時はいたわけですよね。今もそういう人がいるのか、いたとしても今の高クイにそういう人が反応するかは定かではないですが。

>旭川東、帯広柏葉

 ここで帯広柏葉が出るとはw
 今クイズ研はないはずですが、どういうわけか特殊な性的趣味をお持ちのクイズプレーヤーを定期的に輩出することで定評がある学校ですw(サンプル数3ですので念の為)

>ただ、今から、というのは難しいんでしょう。

 どうなんでしょうね。
 今の高クイですが、1人「クイズのスーパーエース」がいればなんとかなります。「クイズのスーパーエース」が出るのは、才能ではなくて意欲・行動力の面でそうそう確率は高くありません。しかし、今回の準決勝のような問題を解けるような「秀才」は、どこの学校でも何人かはいるでしょう。

 で、「ネットの発達」「社会人と学生の交流が深まったこと」により、そこそこ意欲がある高校生であれば、社会人と一緒にクイズできるのは容易になってきています(例を挙げると、今日もこれから参加するサークルに灘も参加するわけで)。
 mixiができる歳になれば、「クイズ」で検索してそれっぽい人にヒットすれば、コンタクトは容易なわけで。

 なので、やろうと思えば全くの新規校でもなんとかなるんじゃないかなあ、と思ってます。
 「社会人のサポートは邪道」という意見も出てくるかもしれませんが、かるたにもかるた会があったりするわけで(ちはやふる知識)、過度にタブー視するのもなあ、という気がします。確かに直前対策はやり過ぎな感があり、今回禁止令が出されたのは納得感がありますが(それでも、社会人有志が「知り合いの◎◎君を応援したい!」と問題を送ったりするのは止められないわけで……)。

 ただ、僕が知ってる限り、まだそこまでの「スーパーエース」は出てきていません。今のところ、「既存クイズ研」が圧倒的優位にたっているのは、そんなところが理由かな、と思っています。

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