【感想・音楽】メンタルヘルスで悩む友人たちに贈る歌
今日、何回聞いただろう。
もう30回くらいにはなるんじゃないか。
倉橋ヨエコのアルバム「解体ピアノ」の最後の一曲、「輪舞曲」(こちらでちょびっと試聴できます)。
9月発売予定のベストアルバムは別にすると、まさに倉橋ヨエコ最後の一曲。
.
.
.
このサイトで歌詞の一部が見られるが、歌詞だけをさらっと読むと「当たり前」で「ありがち」な歌詞にしか見えないかもしれない。
しかし、これまで自分の経験とぐちゃぐちゃした感情を曲にぶつけてきた激情家の歌うたいが、8年の中で行き着いた境地が……「甘い/しょっぱい」、「痛い/温かい」という両極端を行き来し、そして今後も行き来するであろうぐちゃぐちゃの自分を、それでも「だからいいんじゃないか」と許容した……ということに、僕はガクガクと心を動かされた。気がつけば何度も何度もその言葉を求めてリプレイしている自分がいた。
.
.
.
僕自身、メンタルヘルスで悩んだことは幸いにも殆どない(数年前になりかけたことはあるけど、自分の場合、実のところは9割方自分の甘えだったので、それに気づけば立ち直りも早かった。妻や同僚の支えもあったし)。
だから、ブログやmixiで悩みを訴える友人たちの文章を見ても、気持ちの本当のところはわかってないし、実はわかろうとすらしてないのかもしれない。そういうポーズをとっている自分が好きなだけで。本当にメンヘルで苦しんでいる人からすれば、気軽に「メンヘル」とか僕が口に出すだけで反吐が出るだろう。
でも、自分が心を動かされた歌ぐらいは贈りたい。ものすごく人を選びそうな曲をチョイスする時点で、相当に自己中心的ではあるけれど。
.
.
.
この曲についてのインタビュー。アーティストのインタビューを見て、何度も読み返したのは初めてかもしれない。
──最後の曲「輪舞曲」。この悲しみを笑い飛ばせるようになったのはいつのこと? それともまだ?倉橋ヨエコ:『解体ピアノ』を産んで、今は笑えてますが、またすぐ泣いてるかもしれません。分かりません。きっと人って人生でたいしたことはそうそうできず、必死に毎日を繰り返して行くうちに、日替わりの感情で結局生涯を終えて行くのかなあ…とかも思ってみたりします。人生奇麗には運ばないし、後悔したまま死ぬこともあるかもしれない。長い目で見ることも必要だけど、嬉しくても辛くても、その日その日の正直な自分を積み重ねられたら幸せだと思うし。人それぞれ、知らぬ間に人生の集大成もできていってると思う。そんなもんかなあって。そしてそれでいいのではないかと、素の私もそう考えてます。
.
.
.
そうそう、悩んでいる方にもう一曲贈るとしたら、同じく倉橋ヨエコの「春の歌」を。
« 【参戦・サークル】プリーズ阪神6月例会 参加者募集中! | トップページ | 【感想・食】明石「CiRO」 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント