【感想・本】岩波ジュニア新書のアニメ関連本2冊
岩波書店では今まさにアニメブームの渦中なのか、2008年に入って回顧系のアニメ関連本が2冊。著者に非常に興味があったので、図書館のヤングアダルトコーナーでささっと借りてきました。
鈴木伸一『アニメが世界をつなぐ』(岩波ジュニア新書)
けいぶん社で「ホアー!!」「コンセントレーション!」と危うく買いかけた本。
このタイトルと筆者名、そして表紙デザインのインパクトは破壊的。
よくみるときちっと右下にラーメンも書いてあるし。
文中や写真に出てくる人物の数々の豪華さといったら!まさに綺羅星の如く。「まんが道」「ハムサラダくん」あたりのトキワ荘ものを読みたくなってきた。「ンマーイ!」も実際「辣韮の皮」などのパロディでしか見たことないしなあ。
問題には出しづらいので、へぇーっと思ったことを引用。
「あるとき、オバQがその男の部屋を抜けて玄関を出たところに「小池」という表札があったので、その人は小池さんと呼ばれるようになったのです。当時、ぼくが下宿していたのが、鎌倉の「小池」さんという家だったので、そこは事実を描いてしまったんですね。」(152-153ページ)
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辻真先『ぼくたちのアニメ史』(岩波ジュニア新書)
先月ご紹介した「完全恋愛」(一応別名義だが)等、最近復活ぶりが目立つ辻先生。
ディズニーの「モスの消防隊」(1940年!)から、新海誠の「秒速5センチメートル」(2007年)まで、暦が一周するような長い年月を200ページ足らずで駆け抜ける怪書。
「ぼくは爺さんでも、レイに萌えた。現在使用中のマウスパッドは綾波レイだ。文句あるか」(122ページ)
「(映画版「BLEACH」について)超個性的なキャラクター大勢が入り乱れるから、原作もテレビアニメも知らない劇場の客には不親切だ。頭ごなしにバンカイだのザンパクトーといわれても困るだろうが、企画自体が確信犯なのだから文句をつけても始まらない。幸いぼくはどの原作も第一回から読んでいるので、乱菊はやっぱり巨乳だ、なぞと気楽な感想を抱いたりできた。」(167-168ページ)
「『ロザリオとバンパイア』も、「月刊少年ジャンプ」時代から読んでいるが」(173ページ)
ちなみに、辻先生は御年76歳。
なんだこの若さ!
ある程度アニメの予備知識があって、かつ辻真先の著書がもともと好きで、「最近のアニメについての、辻真先の私的エッセー」だと思って読む分にはオススメできる。
けど、説明があまりないので「ゼロからアニメの知識を得よう」「系統だてて知識を整理しよう」という目的にはあまり合わないし、辻文体になじみがないと鼻につくし、脱線脱線だらけで混乱しそう。ある意味、辻真先のミステリーの合間合間に入る脱線を一冊にまとめたような本、って感じなので。
その点、読む人を選ぶ一冊、ではある(10年くらい前に出た「TVアニメ青春記」の方が一般向きなのでは?)。で、なんでこれが岩波ジュニア新書なんだろう?というのが最大のミステリー。ああ、あれか、「犯人は実は岩波書店」ってことか?
もっとも、辻真先ってなんだか凄い人なんだなあ、というのが感じ取れるだけでも、一読の価値があるのかもしれん。もし本屋で見かけたらぱらぱらとめくって見てください。
しかし、辻作品のヒロインは、イメージとしては「アスカ(もっといえばヒカリ)」で「貧乳」だよなあ。
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