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2008年4月25日 (金)

【感想・本】4月読んだ本(一般篇)

 長くなるので分けます。☆は特にお勧め。

【一般】
 
☆大山典宏『生活保護vsワーキングプア』(PHP新書)

 扇情的なタイトルですが、お勧め。
 生活保護の目的が「自立支援」にあることはとかく忘れがち(弱者救済、の方に目がいきがち)なんですが、「生活保護を打ち切るときに一番影響を及ぼすのは、次の世代の子供たち」というのは完全に盲点でした。少し考えればわかることではありますが。

 行政、生活保護の対象者、それをとりまく住民やテレビの視聴者、マスコミ……さまざまな立場の人が登場します。
 本題の話ではないですが、そのいずれか一方の視点のみに与するのではなく、絡み合った状況の中で最善策を模索する、そんな著者の姿勢には非常に好感を持ちました。

樺旦純『人はなぜ他人の失敗が嬉しいのか』(PHP研究所)

 「職場でよくある人間関係のいざこざを、心理学を使って説明する」という内容。
 うーん、これ読むんだったら渋谷昌三の文庫本で十分な気がする。逆に言えば、渋谷昌三の文庫本はかなり有用で、クイズに出る心理学用語の大半はここで覚えたような気が。

齋藤孝『教育力』(岩波新書)

 雑誌のコラムに掲載したのをまとめたのかなあ、というくらい、本全体の筋がない。逆に言えばどこからでも読める、というメリットもある。

 「教えられる側だけではなく、教える側も”勉強”が必要。教師が”知への興味”や”努力する姿勢”を見せてこそ、生徒がついてくる」という指摘については、ハッとしました。クイズにせよなんにせよ、「過去の蓄積」の披露だけでは下はついてこない。「プレーヤー育成」に関しての自分の立場はどうなんだろう、と反省することしきりでした。

 齋藤孝の教育論については、この本よりも、AERAのコラムに載せてた下記文章が痛切に印象的。

「教育は「感動」か「習熟」でしか作動しない。「おー、すごい!と思わせて当人のやる気を爆発させる」か、「とにかく、できるようになった喜びで次のやる気を誘発させる」か、このどちらかの発破がないと教育できない。たとえば、後者の例には百ます計算があります。そこに大きな感動はないけど習熟があるから教育が成立する。
 というわけで、教える側は常に教わる側に驚きを以て感動を伝える意識が必要です。」


川上和久『情報操作のトリック・・・その歴史と方法』(講談社現代新書)

 情報発信側が何らかの「意図」「目的」を持っている、場合によっては「操作」に近いこともする。これはまあ、「陰謀論」を振りかざすまでもなくその通りだと思っていた。
 んだけど、実は受信側も「意図」「目的」を持って、得るべき情報を選別している……。少し考えれば当たり前なんだけど案外、見落としがち。発信側と受信側では知りえる情報の質・量・傾向が違って、だからこそ情報操作が成り立つのか。

 ふーむ。塩野七生『ローマ人の物語』の一節を思い出す。

 「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない。」


大森望・三村美衣『ライトノベル☆めった斬り!』(太田出版)

 最近のライトノベル関連の知識を仕入れるのにいいかなあ(問題製作の点でも)、と思ってぱらぱら覗いたところ、「辻真先」の文字を見かけて思わず借りてみる。

 実際のところ、ここ数年のラノベ状況というよりは、もっと前、30年前の少年少女向け小説から丁寧に歴史を解きほぐしている。「創元文庫」「朝日ソノラマ」という単語に時代を感じるなあ。
 読みふけったゲームブックはもちろん、自分は読んでないとはいえティーンズ文庫(花井愛子や折原みととは懐かしい!)、『ロードス島戦記』や『ソードワールドRPG』……小中学生のときの教室の一角を思い出すのだ。
 逆に、いわゆる最近の「ラノベ」についてはそれほど詳しくない。あかほりさとるが登場するのが、全体の半分過ぎてから……ってくらいだしね。
 
 「本当にラノベが好きな人」と「SF畑の人」の対話、という形をとっているので、ラノベに詳しくない自分のような人間でも抵抗なくすっと入っていける。逆にラノベが好きな人からすれば物足りないし、「なんでもSFと関連して話しやがって」って憤慨する人もいるんだろうけど、そこは「ラノベをまだ読んでない人」向けの本だからね。このアプローチ方法はアリ、だと思う。自分も何冊かラノベを読んでみる気になった。
 ついでにSFも。今まで読んだのはダニエル・キイスと『夏への扉』くらいだし。

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