【問題】いのち短し恋せよ少女
「Never Ending Story 2007」のウィニングアンサーが、「ゴンドラの唄」だったとのこと。
漫画の読書量については、おそらく僕は同世代並かちょっと上かな、と。特に小~中学生までは雑誌で漫画を読むという習慣はなく(雑誌を定期購読できる小遣いではなかったし、立ち読みできるコンビニも当時の静岡にはなかったし)、古本屋で単行本を買うくらいでした。それも量としてはたいしたことはなかったはず。
で、僕の漫画環境と「ゴンドラの唄」とどう繋がるか、ですが……僕が「いのち短し恋せよ少女」というフレーズを初めて知ったのも、漫画経由だったのです。
小学生のときに流行った「ついでにとんちんかん」(懐かしい……)で、キャラクター同士の微妙な恋愛を茶化して、抜作先生がブランコに乗って「いのち短し恋せよ少女」と歌うシーンがあったんですね。今だったら気になるフレーズはすぐにネットで検索できるのですが、当時はもちろんネットなどなかったわけで、「何かのネタなんだろうけど、何かはさっぱりわからない」状態でした。
んで、クイズを初めて数年たって、邦画についての雑学本(文藝春秋社の邦画ベスト150だったかな)を読んでるときに、「生きる」のことを知って「ああ、このことか!道理でブランコに乗ってるわけだ」とようやく合点がいったわけで。
しかし、こんなモンまでyoutubeにアップされているのか!
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似たような知識として、「はいよ、シルバー!」があります。
確か「ハイスクール!奇面組」において、「文化祭で西部劇映画を作る(タイトルは「荒野のガンマン暁に野獣死すべし!」)」という設定のときに馬に乗るシーンで出てきてたような。それ以外にも、いくつかの漫画やテレビ番組において、馬や自転車に乗るシーンなどで何度か耳にした記憶があります。
今月の「なつのオープン」で「アメリカのドラマ”ローンレンジャー”に出てくる、主人公の愛馬の名前は何?」という問題が出されていて、「正解はシルバーです」といったときに社会人からは「ああーっ!そのことか!」というリアクションが多かったのに対し、参加者層からはほぼノーリアクションだったような気がします。
ここらへんはジェネレーションギャップなのかなあ。当日いた社会人のうち、実際に”ローンレンジャー”を見た人は(僕含め)ほぼ皆無だと思うんですが、「馬や自転車に乗るときに”はいよ、シルバー!”という」というのは耳にした人が多いでしょうしね。そういえば最近聞かないなあ、この表現。
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ところで、今回のNever Ending Story 2007の問題。「マイナーなものからメジャーなものに並べる」という原則から言ったら、推敲の余地ありかな、という気がします。
前フリの「「生きる」の中で主人公が口ずさむ」というのは、少なくとも僕の中では一番メジャー。というより、「ゴンドラの唄」を語る上ではほぼ確実に「生きる」のこのシーンがセットになって出てくるように思えます。実際に廣海くんはここで押してるしね。
一方で中フリの「芸術座の第5回公演「その前夜」の主題歌として作られた作曲中山晋平、作詞吉井勇の歌」、これが本来なら前フリじゃないかなあ。それにしてもここで押せたらたいしたモンだと思います。ひょっとすると前フリ愛好者の中ではベッタベタだったりするのかな?それでも「生きる」の方がメジャーだよなあ。
個人的にはあまり長すぎる問題は好きではないので、不必要と思われる要素はカットしたいところ。たとえば「芸術座」「第5回公演」「吉井勇」などはそれほど重要な知識とは思えない。一方で中山晋平は、彼を題材にした小説のタイトルが「いのち短し恋せよ少女」というくらいなので、絞込みとして重要。まあ、そこらへんは長文に対する許容度の違いでしょうかね。
後限定の「「いのち短し 恋せよ少女(おとめ)」という歌詞で知られる」ですが、このフレーズはかなり人口に膾炙しているので知っている人は多いと思います。ALI PROJECT(今調べて驚いた。ほぼ20年選手なんだ!)やWANDSの曲「恋せよ乙女」(あと調べてみたらサクラ対戦4のサブタイトルも)、田村ゆかりの「恋せよ女の子」あたりは、おそらくはこのフレーズあってのタイトルなんでしょうし。あとは自分で問題にしておきながらうっかり気づかなかったんですが、森見登美彦の小説「夜は短し歩けよ乙女」にしてもタイトルの由来はココでしょうしね。
ただ、このフレーズが有名だからといって、「もともと「ゴンドラの唄」の一節だった」という事実がメジャーとは限らない。ここは判断なんですが、僕は「生きる=ゴンドラの唄」の方が、「命短し~=ゴンドラの唄」よりメジャーなんじゃないかな、と思います(「生きる」に使われている歌だ、けど題名はわからない、という人もいるだろうが、その逆はいないのでは)。
となると、"知識派・奇問派長文"の問題を多作する橙武者としては、こう改題したくなります。うるさい先達で悪いねえ。
【オリジナル】
黒澤明監督の映画「生きる」の中で主人公の渡辺勘治が公園のブランコにのってこの唄を口ずさむ/シーンが有名である、芸術座の第5回公演「その前夜」の主題歌として作られた作曲中山晋平、作詞吉井勇の歌で、その中の「いのち短し 恋せよ少女(おとめ)」という歌詞で知られるのは何?
【ダイダイカイダイ】
演劇「その前夜」の主題歌として中山晋平が作曲した、「いのち短し 恋せよ少女(おとめ)」という歌い出しで始まる曲で、黒澤明監督の映画「生きる」の中で主人公がブランコに乗ってこの唄を口ずさむシーンが有名なのは何?
不必要な要素は1文字でも削除したいので、後限定部分からは「渡辺勘治が」「公園の」という部分は削除しています。前者は「生きる」自体を正解にする問題には絞り込み要素として必要ですが、「ゴンドラの唄」を正解にするならば不必要。後者も、公園以外にブランコはないでしょうしね。映画の内容的に「公園」を全面に押し出す……にしても、うーん、「生きる」自体を正解にするなら必要だけどね。「ブランコに乗って」の部分も不必要といえば不必要ですが、この曲を紹介する際には「ブランコに乗りながら歌う」という表現はよく目にするので、ここは残す、ということで。
まあ、僕だったら「いのち短し恋せよ少女」自体を出すかな。「森見登美彦の小説、ゲーム「サクラ大戦4」のサブタイトル、WANDSのヒット曲などの題名の元ネタになったと思われる~」みたいなフリで。「ゴンドラの唄」と答えられたら「もう一度」で。
若手にイチャモンをつけるのが目的ではないんですが、普段こういうことを考えて問題を作っている人もいる……という一例としてあげさせてもらいました。ご容赦ください。
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どうも、同大会大会委員長です。貴重なご意見ありがとうございます。この問題の作成者も俺なので、(あくまで個人的な)見解を。
「いのち短し~」を最終限定にしたのは、「聞いたことある文の出典である」方が問題に興味を持ってもらいやすいかな、と思ったからです。とはいえ、やはり「生きる」はもっと後ろにもって来るべきであったかもしれません。
中フリに関しては、好みみたいなものというか、個人的に作曲者などの情報は中フリに持っていきたがるので、そうなってます。
固有名詞の多さは、どれかに回答者の記憶がひっかかってくれないか、という気持ちで入れました。しかし、全体に作成能力の低さが垣間見えるため、やはり精進が必要ですね。猛省します。
…って、だいぶ長くなってしまった…すいません。非常に建設的なご意見ありがとうございます。うるさいなんてとんでもないです。問題集が発売されましたら、是非買っていただいて(笑)どしどしご意見ください。
投稿: 隅田 | 2007年8月15日 (水) 17時56分
>隅田くん
大会お疲れ様!
>「いのち短し~」を最終限定にしたのは、「聞いたことある文の出典である」方が問題に興味を持ってもらいやすいかな、と思ったからです。
なるほど、そういう考え方もあるか。
ただ、「問題への興味を持ってもらう」のと「順番」はそれほど関係がない気もいます。
>固有名詞の多さは、どれかに回答者の記憶がひっかかってくれないか、という気持ちで入れました。
なるほどね。ただ、本当に「芸術座」「吉井勇」「渡辺勘治」などでひっかかるかどうか、という気がします。固有名詞が多くなれば多くなるほど、聞いている側は飽きる→一個一個の単語の印象が薄れる、という考え方もできるかと。
問題集が出たらぜひ買うので、その際はご連絡ください。通販が再開できたらご協力できるかと思いますし。
投稿: 橙武者 | 2007年8月15日 (水) 23時06分
>漫画経由→ついでにとんちんかん
確かに懐かしい。
ただ一つだけツッコませてもらうならば、そのシーンの抜作先生のセリフは
「命短し恋せよ天地」だったと思う。
抜作先生の教え子·天地くんが誰かに恋したんだか恋されたんだか、って話しだったような気がする。
投稿: 木毎木寸@12其月OB | 2007年8月17日 (金) 20時02分
>木毎木寸さん
そうでした!<命短し恋せよ天地
内容は今度ネカフェで確かめてみます。
っていうか覚えている人いたら情報募集。
投稿: 橙武者 | 2007年8月17日 (金) 22時12分
うろ覚えですが、警察関係者じゃなかったでしたっけ?
>恋のお相手
投稿: バーソ | 2007年8月18日 (土) 04時12分
>バーソ
そうだったかも。後輩の婦警?
投稿: 橙武者 | 2007年8月18日 (土) 20時35分
ネカフェで確認。
後輩の婦警で合ってました(白鳥ひよ子)。
wikipediaによると
>初対面の天地くんを子供だと勘違いした際に彼から一目惚れされてしまい、その後交際期間を経て結婚することになる。「ついでにとんちんかん」終了後のわずか2年間で3人もの子供を生んでいる。
へー。
投稿: 橙武者 | 2007年9月 5日 (水) 06時18分