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2006年8月

2006年8月29日 (火)

【注目】今更ですが冥王星の話

【一般によくある反応】
  「海冥か冥海か迷わずに済むよね」
  「星占いはどうなるの?」

【クイズ屋によくある反応】
  「ローウェルやトンボーの立場って?」
  「いや、それよりコリン・マシューズは……」
 
【90年代アニメ好きによくある反応】
  「冥王せつなの立場って?」 

【80年代アニメ好きによくある反応】
  「で、恐怖の惑星バルカンは?まだ宇宙の墓場をさまよってるのか?」

【橙武者の反応】
  「”From The Planet With Love”の形式、見直さないと……」
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 *”From The Planet With Love”ルール
  早押しクイズ。【1=水星、2=金星、3=地球、4=火星、5=木星、6=土星、7=天王星、8=海王星、9=冥王星】とする。
 n問目に正解すると、nの約数(1~9)の惑星を「制覇」したことになる。例えば24問目を制覇した場合、24の約数は1、2、3、4、6、8、12、24なので、【水星、金星、地球、火星、土星、海王星】を制覇、ということになる。
 また、1問目及び素数の問題を正解した場合は、好きな惑星を1つ制覇することができる。
 全ての惑星を制覇した2人が決勝進出。60問終了時で2人制覇者が出なかった場合は、(1)多くの惑星を制覇した人、(2)より遠い(数の多い)惑星を制覇した人、という基準で順位をつけ、それでも同じ場合はサドンデス。なお、誤答は1回休みの上、一番遠い惑星を没収(1個もない場合は2回休み)。
 
 初出は1998年の「PSY・CORO Cup」(quiz_too_funでダウンロード可能です)。考案したのは金竜さん。問題数限定よりも正解数限定(誤答・スルーの場合はカウントせず、正解のときだけ数字を進める)の方がいいかも。

2006年8月27日 (日)

【近況】小ネタ集

 ・小ネタ集といえば「探偵!ナイトスクープ」。
 鹿児島では金曜夜の23:15からと、関西と同じ時間帯。東京や静岡ではとんでもない深夜なのに比べると、かなり良い扱い。
 で、「よしもと新喜劇」、鹿児島では土曜の昼の12:00から。
 鹿児島、以外と「王道の関西のお笑い」テイストが強いのかもしれん。

 ・「高校生クイズ」南九州大会オンエア。
 決勝の大声クイズ、叫ぶ内容はキャッチフレーズとかではなく「くじで決められたお題」。んで、「お母さんの料理のうち、これは勘弁してくれというおかず」というお題に対して某高校が叫んだのが

 「サラスパサラスパサラスパ……」

 ※サラスパ、サラマカは、はごろもフーズ(株)の登録商標です。
 ……会場で見ていて「これ絶対使われないだろ(使ったらはごろもからクレームきそうだ)」と笑ってたんですが、オンエアしちゃったことに吃驚。

 ・想人が「かんらんしゃにのりたーい」とのことなので、鹿児島中央駅まで。目指すは駅ビル「アミュプラザ」にある、「アミュラン」という観覧車。
 桜島や錦江湾を一望できるので、オール九州などで観光の際は是非。
   
 ・で、その道中のFMで流れてたのが、「aikoの今までの曲のリクエストTOP10」。
 1位は「カブトムシ」。2位は「花火」。
 ……ともに99年発売。もう7年も前になるのか。
 リクエストの性質上、昔の曲の方が強いのは確か。にしても支持されているのが昔の曲に固まっている、ってのはaiko本人からすれば複雑だろうな。

 まあ、確かに橙も初期の曲の方が好き、というよりほとんどそれしか聞いてない。社会人1年目のときによく聞いた、というのもノスタルジーを感じさせるものがあるのかも。
 「あした」の安っぽいイントロが懐かしい。あとは「ナキ・ムシ」とか。

 そういや、「”カブトムシ”のサビの部分に”少し背の高い~”とありますが、この”少し”の基準になったと思われる、■分太一とaikoの身長差(公称)は何cm?」って近似値問題を昔作ったなあ。

 ・妻が虫を捕まえてきて、「これ、なーんだ?すっごいベタ問だよ」と出題してきた。
 生物問題が大の苦手、特にビジュアル問題は当たったためしのない橙、今回もやっぱりわからず。
 「土橋さんなら多分5文字で押すくらいのベタ」って言われてもなあ。

  正解はツヅレサセコオロギでした。……ってベタかこれ?
  ……と思って検索したら、「アタック25」に出題されていた模様。がっくし。

2006年8月25日 (金)

【Quizzes】「オール九州・山口」翌日・フリーバッティング会のお知らせ

  「第19回九州・山口クイズフェスティバル(9月17日)」の翌日、鹿児島にて「フリーバッティング会(略して「フリバカ!」)」を開催いたします。
 
 「オール九州・山口」終了後は大懇親会が開かれ、そのまま鹿児島に宿泊される方も多くいらっしゃいます。
 そのうち、翌日に観光をご希望の方だけではなく、「まだまだ押し足りない」「九州・山口の他のメンバーと勝負したい」という方もいらっしゃるかと思います。
 そこで、会場を2部屋確保し、ささやかながらフリーバッティング中心の会を催させていただくことなりました。
 途中参加・途中退出OKですので、気の向いたときや観光の合間にお越しいただければ幸いです。

 是非、「オール九州・山口」に加えて大懇親会および「フリバカ!」へのご参加の程、宜しくお願い申し上げます。

 【基本情報】
 
 日時=9月18日(月・祝) 9:30-17:00(途中参加・途中退出OK)
 場所=鹿児島市男女共同参画センター(サンエールかごしま)
 最寄駅=市電・「交通局前」電停より徒歩5分(中央駅から30分弱)
 参加費=会場費2600円を参加者で頭割り(おそらく1人300円くらい)
 エントリー=特に必要ありません

 【クイズについて】

 問題=基本的には、出題する問題は「73タロー」「Quizzes-2」と同一です。気が向いたら「SystemF」で出した問題を読むかもしれません。
 形式=・その場の人数に合わせて、臨機応変に決めます。
      ・人数が多すぎる場合、実力差が目立つ場合は、2部屋に分けて実施することもありえます。
     ・基本的には早押しクイズです。

 なお、企画持込は大歓迎!
 もし披露したい問題・形式がありましたら、是非お持ちよりください。

2006年8月20日 (日)

【注目】性はセックスの性

 「davideの日記」の8/16分の日記を拝見。

>多分その後に十三の阪神OB益山さんがやってる焼き鳥屋に行くことになりそうだ。

 せ、「性はセックスの性」の方だーっ!
 (リンク先、非18禁です。念の為)

 こうなってくると、「蒲はカバ焼きの蒲」の蒲谷和茂さんの現状が気になる次第。

【注目】芸能ネタ3題

・静岡に帰省したときの話。町内会の夏祭りにて、○×クイズ大会が開かれてました。
 「○か×か選ぶだけでーす。問題は簡単でーす」との呼びかけに、小学生を中心に200人近くの参加者が集まる。
 見ていたかったが、想人が祭の雰囲気にびっくりして帰りたがったので、後ろ髪引かれる思いで帰ることに。とはいえ、帰り際に1問だけ聞くことができた。

 「人数の足し算問題の問題です。」
 ……簡単ってことだし、KAT-TUNとか嵐とかそれくらいの難易度かな。しかしわざわざオリジナルの問題を用意するとは。

 「オリエンタルラジオ、たす、安田大サーカス、たす」
 ……お笑いできたか。でもオリエンタルラジオと安田大サーカスだったら、テレビ好きな小学生なら確かにまあいい難易度だろう。ただ40~50代以上にはけして「簡単」とは言えないよなあ。

 「ネゴシックスは」
 ……!!!
 え、俺がよく知らないだけで、ネゴシックスって「簡単」なレベルなの??
 大人、完全に追いてけぼりだぞ。

 「11人である。○か×か?」 
 ……11人いる!いや、いないか。ネゴシックスってピン芸人だから、2+3+1で6人だから×だな。
 しかし、なんでまた「11人」なんだろう。この手の問題だったら、正解±1人くらいがちょうどいいような気もするけど。

 ……1分くらいたってようやく気づいた。ネゴ”シックス”だから6人って引っ掛けなんだ!
 残り2組との知名度の差を考えると、「ネゴシックスは6人である。○か×か?」ってのと同じことだよなあ、これ。
 恐るべきセンスだ、伝馬町町内会。

・映画「アキハバラ@DEEP」
 キャストを見ると、ユセフ・ロットフィの名前が!
 ウーマンリブの「グレープフルーツちょうだい」が懐かしい。
 ……って検索してみてわかった衝撃の事実。静岡で見たこのCM、あれユセフだったのかーっ!

・<問題>
 mixiのあるコミュニティであった、4択のアンケート。
 「4つの選択肢のうち、どれが好き?」という質問に対し、2位は「ま」、1位は「び」でした。
 さて、このお題は何?

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(8)なぜ社会人は、新歓・人材育成機能に関心を抱くのが非常に難しいか~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 「なぜ社会人は、新歓・人材育成機能に関心を抱くのが非常に難しいか」を考えてみると、次のようなことが言えます。

【帰属意識】……大学サークルに帰属意識を持てても、「クイズ界」や「複数入会しているクイズサークル」に帰属意識は持ちにくい。帰属意識があれば「このサークルに貢献したい、存続させたい」という思いが強くなるが、逆に帰属意識が持てなければ「存続」に対する思いも持ちにくい。
【新歓の一般性】……「新歓・人材育成はやるのが一般的」の大学サークルに対し、社会人サークルは新歓・人材育成を行うことは必ずしも一般的ではない。新歓活動を全くしない大学サークルはほとんどないが、社会人サークルは意識が高くなければ新歓活動を行わない。
【時期】……大学の新歓時期はごくごく限られた一時期だけだが、社会人の新歓時期は存在しない。「期間を区切って新歓活動をする」ことがやりにくい。
【手段】……大学は新歓時期のパンフ・ビラにより新歓活動を行うことができるが、社会人サークルは明確な打ち手がない。
【先輩・後輩関係】……高校・大学クイズ研の場合、先輩・後輩関係のもと、人材育成が行われることが多い(メリットもあれば、もちろんデメリットもある)。社会人サークルの場合はフラットな関係である分、人材育成に関する意識は持ちにくい
【時間】……大学生に比べ、社会人の方が自由になる時間がとりにくいことが多い(家庭を持てばなおさら)。
【新歓の必要性に対する意識】……「クイズをやりたい人は、こちらから働きかけなくても自分から入ってくるし、そういう人でなければクイズは続けられない」という認識をお持ちの方もいる。
【「新歓=学生」という意識】……「新しい人が入らないとクイズ界は長続きしない」と認識している方の中でも、「”新しくクイズを始める”=”高校・大学でクイズを始める”。高校・大学クイズ研はもっと頑張ってほしい」「しかし、社会人が何かを行動を起こす必要はないし、その打ち手もない」という認識の方もいる。

 つまり、各サークルレベルで「存続」を認識でき、「存続」のための「新歓」活動がやりやすかった「大学クイズ研の時代」に対し、「脱・大学クイズ研の時代」は、その点が非常に見えにくくなっています。
 さらに昨今の環境を見ると、コアなクイズ愛好者にとって、プレーヤーとして楽しめる場は充実してきています。また、社会人になっても続ける人が多くなってきているし、abcの参加人数も増加していることから、「新しく始める人が減ってきている」ことが実感しにくい。
 結果、「プレーヤーとして頑張ろう!」という意欲が高まる一方で(そのこと自体は非常によいことですが)、「新歓・人材育成機能」を何らかの形で担おうとする人はなかなか増えない……。

 逆に言えば、「新歓・人材育成機能」がうまく担われているサークルは、上の状況がなんらかの形でカバーされていることが多い、とも考えられます。
 たとえば、地方クイズサークルは「新歓」に対する意識が高いところがいくつか見られます。「そのサークルがなくなる」=「自分がクイズできなくなる」なので、「存続」に対する意識、サークルへの帰属意識が高い。「時期」と「手段」についても、アタック25の予選会や公民館へのポスターという形で限定されており、それほど負担なく新歓活動が実施できる。
 また、イベントの場合でも同じようなことが言えます。たとえばabcにしてもxyzにしても、元・参加者がスタッフ側に回っていただいていることが、「存続」の大きなキーとなっています(もちろん、元・参加者以外のスタッフの方々にも支えられていることは言うまでもありません)。「自分が参加者として楽しんだので、次はスタッフとして担う側に回りたい」「このイベントが今後も続いてほしいから、何らかの形で手伝いたい」、これも一種の「帰属意識」といえるかと思います。「クイズ界の存続」に比べれば、「サークル・イベントの存続」ははるかにわかりやすいし、行動を起こすモチベーションの源泉になりやすいのです。

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 繰り返しになりますが、「新歓・人材育成機能」に関心を持たないベテラン層を批判するのが目的ではありません。関心を抱くことは「自然」にはできないことです。
 自分自身にしても、「関東クイズ連合」や「日本学生クイズ連盟」に入る機会があったこと、「自分のアクションで、クイズを変えられる」と考え実際にアクションに移している先輩が周囲に何人かいたこと(それもそれぞれ違うベクトルで)、KITSCHのスタッフ会議やSystemFなどのサークルで下の世代と会う機会があったこと……といった環境にいたからこそ、「新歓・人材育成機能」について危機感を感じている、という面が強いのかもしれません。
 「新歓・人材育成機能」にように関心を抱いている人が、無関心なかたがたにうまく「伝わるように伝え」、巻き込んでいかなければならない。その点自分のやり方があまりうまくないのは確かです。「なぜ社会人がわざわざ新歓活動をする必要があるか?」についてはあまり認識されていませんし、「新歓活動、どうすればいいか?」についてもあまりアピールできていません。

 では、「社会人が新歓・人材育成機能を担うにはどうすればいいか?」
 それも、時間や立場、資金など諸々の制約条件の下で。
 それについては、次回で考えます。

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(7)新歓・人材育成機能の今後の担い手~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 「新歓・人材育成機能」を高校・大学クイズ研だけで担うのが厳しくなってきた現在、誰がどのような形で担っていくべきなのか……というのが今回のテーマです……が、その前に。
 
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 「なぜそもそも新歓・人材育成が必要なのか」ということを疑問視する方がいるかもしれません。それについてまずご説明します。
 
 現在橙武者が考えている、「現在のクイズ界の力(ヒト・モノ・カネ・時間など)で、自主的に達成できる」将来の理想像は下記のようなものです。

 「なんらかの形でクイズに”興味を持った”人に、クイズを”やりたい”と思っていただくこと」
 「クイズを”やりたい”と思った人が、それぞれのレベル・スタンスに合わせて、クイズを”楽しめる”環境を実現すること」

 
 「クイズに興味がない方に、興味をもってもらうこと」については、マスメディアや書籍を活用するだけの資本やノウハウ・人脈、クイズの普及に専念するだけのマンパワー……などが必要となります。それは自分も含め、現在のクイズ界の総力を結集しても厳しいでしょう。
 が、上の将来像であれば、現在のクイズ界の力で充分達成可能だと考えています。そのためには、「“やる”クイズ」という文化が存続させる必要がある。そのためには、こちらにも書いた通り、新しい人が一定数入ってくることが必要となります。逆に言えば、新しい人が一定数入らない限り、「”やる”クイズ」の存続はおぼつきません。私がxyzなどのアクションを起こしているのは、もちろん「クイズを楽しむ人が増えてほしい」という理想もあるのですが、それ以前の問題として「”やる”クイズの存続」が念頭にあります。
 今回の「新歓・人材育成機能」についてのクイズ論についても、「”やる”クイズの存続」という前提でお読みいただければと思います。

*何をもって「”やる”クイズの存続」と見なすかは難しいです。イベントやサークルの数や参加人数にしても、現状が「ちょうどいい」「まだ足りない」と見る人もいれば、「実は多すぎる」という見方もあるかもしれない。
 ただ、「クイズを”やりたい”と思った人が、クイズを”楽しめる”環境」という視点から考えると、「サークルの数」というのは一つの基準になります。サークルの数が半分になるとしたら、クイズに触れる環境も半分になるわけです。
 私は特に「初心者がクイズを"楽しめる"環境」という点を重視し、「サークルの数を現在以上にする」「初心者がクイズを楽しめるサークルがない地方には、何らかの形で結成を促す(必ずしも初心者限定サークルである必要はなく、既存サークルで初心者対応ができればいいが、それにはさまざまな課題があると思われる。詳しくはいずれ触れます)」ことを一つの基準としています。

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 では、本題です。
 「新歓・人材育成機能」を高校・大学クイズ研だけで担うのが厳しくなってきた現在、誰がどのような形で担っていくべきなのか。
 現在のクイズ関係者の人数構成を考えると、学生が減って社会人(以前から続けている層)が増えているわけですから、「社会人が担っていく」というのが一つの方向性です。もちろん、高校・大学クイズ研も引き続き担うのですが、社会人もそれとは別になんらかの形で担うことが、「”やる”クイズの存続」のためには必要となってくる。

 しかし、社会人プレーヤー、特にベテラン層は、「新歓・人材育成機能」についてあまり関心を抱いていないように思えます。そもそも「新しい人がクイズ界に入る、入らない」ということに対し、無関心であるように私の目には映ります。ましてや、「自分から何かアクションを起こそう」という方は、皆無ではありませんが、かなりの少数派です(言うに及ばず、xyzにスタッフ協力するだけがアクションではありません。アタック25での告知や友達を連れてくるなど、さまざまなアクションが考えられます。現に地方サークルでは積極的に活動されている方もいらっしゃいます)。
 これまで、当Blogや飲み会などの席で、既存社会人プレーヤーに対して「なぜ新歓・人材育成機能に関心を持たない人が多いのか。特に上位層は”義務(ノーブリス・オブリージュ)”として取り組むべきではないか」と愚痴めいた批判を言うことも多々ありました。が、不満を言うだけでは建設的ではないし、「べき」論を主張しても現状が変わらなければ意味がない。考え方を少し変えようと思います。

 よくよく考えてみると(考えないとわからないのか、と言われそうですが)、「大学クイズ研」を前提にした場合と、「脱・大学クイズ研」を前提にした場合では、大きく事情が変わってきます。
 上記の批判は、高校・大学クイズ研という場……「存続」させる必要があり、そのためにメンバーが「義務」を果たす必要がある……であれば通用します。「新歓・人材育成機能に関心を持たない先輩」「自分だけがクイズをやれればいいメンバー」だらけになったら、「存続」はできないわけですから。
 しかし、いざ社会人となると、必ずしもそうではない。「新歓・人材育成機能に関心を抱くのが非常に難しい」環境にあるのです。これはクイズに限った話ではなく、たとえば大学のテニスサークルであれば「存続」を考える必要があるから新歓・人材育成に取り組む一方、社会人テニスサークルで「新歓・人材育成」に取り組んでいるところはそれほど多くはないでしょう。ましてや「”やる”テニスの存続」なんて考えているのは、テニス協会の人々とメーカーくらいでしょうし。

 では、「なぜ社会人は、新歓・人材育成機能に関心を抱くのが非常に難しいか」。
 忙しいから、だけではない理由が多々あるのです。
 詳しくは次回で。

2006年8月16日 (水)

【近況】帰ってきました

 7日にわたる夏休みもついに終了。
 ざっと振り返ります。

 10日(木)。熊本へ高校生クイズ南九州大会(熊本・鹿児島・宮崎)観戦。
 予定よりも1時間くらい寝過ごしたこともあり、途中誰とも高校生に出会わない。おいおい、本当に参加者いるのかよ?と思ったが、着いてみたら既に1問目が終わっていた頃。そりゃ会わないわ。
 ざっと見た限り、参加人数は3県で1000~1500人(350~500チーム)程度かと。当然、熊本の高校が多かった(7割前後は熊本だったと思う)。「今まで高校生クイズの存在は知らなかったが、熊本でやるというので来た」という人が多かったのでは。
 自分らのときとは形式も問題も司会も違うけれど、一問に泣き、一問に笑う高校生の姿はそれほどは変わらない。ウォッチャーさんたちが全国を旅してまで見ようとするのもわかる気がする。
 ウォッチャーさんといえばキングオブウォッチャー・大前さんと久々にお会いする。といっても「トークライブ」(懐かしい)のときにお会いしているので3年ぶりか……。
 熊本城を散策しながらいきなり団子。天守閣も登ってみる。なんか普通に観光に来た感じ。

 「なぜ、高校生クイズの参加人数は以前(たとえば15年前)に比べて減ったのか」
 という問題意識はよく耳にする。「高校生クイズ」自体の変化もあるんだろうし、他の娯楽の発展もあるだろう。マクロな視点でいえば「そもそも高校生にとって、テレビの重要性や見る頻度が低下している可能性がある」とか。
 でも、「そもそも、15年前はなぜあれだけの人数が参加していたのか」「減ったとはいえ今でもそれなりの人数は参加しているわけで、今はどういう層が、どういうきっかけで参加しているのか」ということが、今回生で見ていて不思議に思った。

 終了後はウォッチャーの皆様と飲み。馬刺しも太平燕も美味しゅうございました。一文字グルグル(昨年来たときは食べられなかった)と辛子レンコンを見て「美味しんぼ」トークをつい条件反射で。

 11日(金)。帰省の準備したり、昨日の疲れでぐたーっと寝てたり。

 12日(土)~14日(月)午前。静岡に帰省。
 西日本のフレッツのCM、髪型のせいか長澤まさみが広末に見えた(鹿児島でもやってるはずなんだけど見たことなかった)。「アイドルの顔の見分けがつかない」となるとオッサンまっしぐらだね。
 「アタック25」高校生大会。4人いて4人ともクイズ関係者(とまでは言い切れないかもしれないが、橙は4人とも何かしらのクイズの会場でお会いしている)、という高校生大会は珍しいのでは。
 息子に「ヨシハル、ヨシハル」と本名で呼びかけられる29歳男子。両親が僕を呼んでいるのを聞いて覚えたものらしい。かわいいけれどがっくしだなあ。

 14日(月)午後~15日(火)午前。妻の実家の岡崎に。
 「名探偵コナン」の再放送。ジングルを聞いて「クイズワールドカップ」(1996年に開催されたクイズ大会→勝ち抜け音が「コナン」だった)を思い出すが、こんな話に共感する人は果たして何人いるのやら。
 息子と洗濯ばさみをひたすらつなげて遊んだり。そういえば大昔よくやったなあ。

 15日(火)午後~16日(水)朝。妻子はしばらく岡崎に。自分だけ豊田さん宅でビデオの引継ぎ。
 今回のabc・誤のDVDは相当シンプルになると思います(勝者インタビューは入るが、abcの開始前インタビューとか敗者復活が入らないとか、早押しランキングの「天」演出がなくなるとか)。今までの演出部分にももちろん愛着はあるんですが、アンケート結果を見るとけして「必要」の声は多くなかったし……。今回の引継ぎを機にスリム化を進める予定です。
 とはいえ、選手紹介とか選手の声が入ったビデオを作るのは楽しいので、何かのイベントでカメラを2台回してもいいのかも。それこそ、それほど壇上に登る人数が多くないクイズロードカップとかで。

 台風が来るかもしれない、とのことで、午後初の飛行機を変更して朝一番の飛行機で鹿児島に帰る。
 午前中は酷暑。だが午後から雲が広がり始め、夕立。とりあえず現時点ではやんでいるものの、yahooの天気予報では「暴風雨」という見たことのないマーク。
 冒頭で「夏休みも終わりか」と書いておきながら、このままいくと明日は自宅待機の可能性が。ありがたくもあり不安でもあり(台風も休み明けの仕事も)。

2006年8月15日 (火)

【近況】真夏の妄想「最終回」

 軽快な音楽に乗せて、画面に映し出される、ある男の生涯。

 整然と並べられた、大量の本。
 目白にある、懐かしの学び舎。
 パンツ一丁でオーディションを受けた、こっ恥ずかしい思い出。
 殴りたいほど憎んだ、世界のクロサワ。
 キムタクとの共演。矢田亜希子との共演。
 博多華丸。
 
 そして。
 25枚のパネルの前でこぶしを振り下ろす、勇姿。

 
 音楽とともに、映像が終わる。
 これが最後の機会ということを既に知っていながら、清は普段と変わらず、淡々と、しかし熱を込めて告げる。
 「その人物は!?」

 解答者。
 当然答えはわかっている。大量の本が出てきた時点で答えは読めていた。学習院大学が移った時点で「それだ」と思った。最終回にふさわしい小粋な演出。しかし口から出た言葉は、自身でも思っていないものだった。
 「言えません。」
 「なぜ?」
 「だって……言ったら、言ったら、清がどこかいっちゃう気がするんだもん!」

 それとともに、「アタック25」のセットが一斉に四方に開かれる。
 まぶしさの中、いつしか清の周りに花束を持った人、人、人。

 ゆき「おめでとう」
 京子「おめでとう」
 純子「おめでとう」
 美雪「おめでとう」
 宏美「おめでとう」
 美佳子「おめでとう」
 英二「めでたいな」
 章三「おめでとさん」
 ウーフ「ワンッ」←ウォーリーの飼っている犬
 清「ありがとう」

 テロップ「スポンサーに、ありがとう。
      視聴者に、さようなら。
      そして、全ての出場者に、おめでとう。」


 ……って最終回はどうでしょうかね、「アタック25」の。
 (参考1 参考2

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(6)新歓・人材育成機能の変遷~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 クイズの「新歓・人材育成機能」を、当初はテレビクイズが、その後は大学クイズ研が担ってきました。しかし、社会人中心にシフトし、状況も変わってきた現在、”やる”クイズの永続・発展のためには、「新歓・人材育成機能」をどうしていけばいいのでしょうか。……すごく長々と書いてきた当クイズ論ですが、結局のところ、焦点はこのポイントになります。
 で、「脱・クイズ研の時代」の「新歓・人材育成機能」を考える前に、「新歓・人材育成機能」という概念をもう少し分解するとこのようになります。
 
 【新歓】
<存在の告知>クイズ自体の存在を告知する
<体験機会>クイズをやったことない人に、実際にやってもらう

 【人材育成】
<導入>初心者の方に合った企画を用意し、クイズを趣味として続けるよう促す
<継続化>強くなることの魅力を伝えたり、各レベルで楽しめる企画を用意したり、クイズ関係者内で人間関係を作ることを促したりすることなどで、クイズをさらに続けるモチベーションを高める
<鍛錬>プレーヤーとして、より高いレベルになるよう競技クイズのトレーニングをする
<企画意欲の促進>企画者・担い手として、自発的・主体的に動けるように動機づけする

 つまり、人材育成とは、「プレーヤーとして強豪を育てる」だけではなく、「まず初心者に楽しんでもらい」「クイズを続けてもらうような仕組みを作り」「企画側に回るモチベーションを上げる」ということも含んで考えています。

 たとえばテレビクイズは、「存在の告知」という意味では非常に大きい効果を発揮しました。また、番組自体や番組オーディションという形で「体験機会」も用意していました。
 ただしそれ以降については、テレビ局はあくまで戦いの場を用意するだけであり、「人材育成」という観点はなかったものと思われます。しかし、「クイズに興味を持つ人の裾野がとてつもなく広い」「テレビに出るメリットが大きいと認識されており、クイズに興味を持った人はそれぞれで鍛錬を重ねる」状況であり、わざわざテレビ局が人材育成について考える必要はそもそもなかったし、人材育成に取り組まなくても次々と新しい人材が沸いて出てくる状況でした。

 一方で大学クイズ研。こちらは、サークル存続のために「導入」「継続化」「企画意欲の向上」という点は義務となっていました。サークルのスタンスにもよりますが、「鍛錬」の場を作る、という意味でも効果がありました。
 「存在の告知」「体験機会」については、各大学での新歓活動という形で発揮されました。大学の新入生以外の一般に対しては、新歓活動をしようという観点は当然ながらなかったし、その必要もありませんでした。

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 で、これを踏まえて、「脱・大学クイズ研の時代」をもう一度振り返ってみます。

<存在の告知>
 「“やる”クイズ」そのもの、さらには「オフラインクイズ」「ネットクイズ」の存在が、そもそも一般にはそれほど知られていない(以前と比べても認知度が下がっている)。また、知らしめるための手段も特にとれていない。

<体験機会>
  「“やる”クイズ」に触れる機会は、QMAとネットクイズについては開かれているが、オフラインクイズについては開かれていない。クイズに興味を持っている人でもオフラインクイズを体験するには敷居が高いし、興味をまだ持っていない人に体験してもらえるような場面は非常に少ない。
 *xyzのような「体験イベント」に参加いただいているのは、「クイズのために金と時間を使ってもいい」という方々であり、それ以前の層にいかに手軽にクイズに触れてもらうかが今後の課題である。

<導入>
 QMAはコア化が進む一方で、クラス制により導入にも成功している模様。ネットクイズも導入はしやすい。
オフラインクイズは、既存のクイズプレーヤーのコア化により初心者との実力差が大きく開いており、この点をどのように対処するかが課題。

<継続化>
 QMAについては、「賢者」「大魔道士」などの階級制度により「もっと上へ」という意欲を高めさせているとともに、QMA関係者によるコミュニティもできつつあり、直接・間接的に継続できる体制となっているように思える。
 ネットクイズについては、この点の「継続化」については不勉強につき不明。
 オフラインクイズについては、予選を通過するレベル以上のプレーヤーにとってみては居心地がいい状況だが、「初心者~予選通過レベル」のプレーヤーにとってみては、楽しめる場が少ないのが現状。「初心者サークル」もできつつあるが、初心者サークルと他のサークルの実力差もかなり隔たっており、どのレベル・スタンスの人でも楽しめるようにするにはどうすればいいかが課題。

<鍛錬>
 QMA、ネットクイズについては不勉強につき不明。
 オフラインクイズについては、「勉強会」的集まりが若干見られるが、あまりオープンにはなっていない。また、問題集などは以前に比べれば手に入りやすくなったものの、「どのようにすれば強くなるか」というメソッドの部分はまだ整備の余地があると考えられる(短文基本も、長文難問も、さらにいえばsystemF風も)。

<企画意欲の促進>
 QMA、ネットクイズについては不勉強につき不明。
 オフラインクイズについては、企画側に新しい人が回る事例は最近はあまり見かけず(そもそも新規参入者が少ないのだが)、長年クイズを続けている層が引き続き企画側にいることが多いように思える。「企画側に回る楽しさ・使命感」「企画にまつわるノウハウ」を、まだ企画側に回ったことがない人にどのように伝えるかが課題。

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 上記の問題意識などもあり、これまで橙武者はいろいろなことに携わってきました。

<存在の告知> quiz_too_funホームページ、xyzホームページ(効果的な手はほとんど打てていない)、同人誌即売会(コミッククリエイション、コミックマーケット、コミックシティ)へのクイズブース出展
<体験機会> xyz、早押し機レンタル、Quiz Park(オフラインクイズ、ネットクイズへの入り口)、コミッククリエイションクイズ体験ブース
<導入> nextsteps(xyz初初心者向けサークル)
<継続化> Quizzes(さまざまなレベル・スタンスの人が楽しめるイベント)
<鍛錬> quiz _too_fun(問題集・DVD販売)
<企画意欲の向上> 各プロジェクトの企画会議、当「引力実験室」

 いろいろと手を広げてきましたが、力や徳のなさもあり、まだまだ理想とする姿には足りていません。特に、「存在の告知」についてはほとんど効果的な手は打てていないし、どのようにすればいいか考えあぐねているのが正直なところです。
 ただし、ネットクイズやQMAとオフラインクイズとの橋渡しをすることができた、これについては大きな成果だと自負しています。

 とはいえ、上記プロジェクトだけでは、まだまだ“やる”クイズの存続のためには足りていません。特に、「存在の告知」「体験機会」「導入」の3点については、更なる手が必要ではないかと思います。
この3点は、かつては高校・大学クイズ研が「新歓活動」という形で担っていました。「高校・大学の新入生」という非常に限られた対象ではありましたが、それでもサークルを維持するだけに足りる新入生を確保することが可能だったのです。ところが、そのスタイルでは立ち行かなくなってきた。となると、今後は誰がどのような形でこの3点を担っていくべきなのか……これについては、次項で考えたいと思います。

 まだつづく。

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(5)脱・大学クイズ研の時代(2003年頃~)・時代状況篇Ⅱ~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 現在のクイズシーンは大きく分けて、「オフラインクイズ」「ネットクイズ」「クイズマジックアカデミー」の3つに大別されるようになっています。
 それぞれの状況を「人」軸で見てみると……。

 <オフラインクイズ>

 【スタッフ】社会人(有志中心)。大学クイズ研OBが多いが、それ以外の方も増えてきている。
 【興味】インターネットを使って告知(「一心精進」や各サークル・イベントのホームページなど)。ただし、それを読むのは大半が既存のオフラインクイズ関係者(サークル・イベント参加経験者)のみ。オフラインクイズ関係者以外への告知はほとんど行われていない。
 【参加】社会人クイズサークルに所属している人が多いが、以前に比べると「大学クイズ研を経ていない方」が増加している。学生の参加については、学生限定の「abc」では229人の参加があったものの、他のクイズイベントには敷居の高さなどもあり、それほど多数は参加していない。
 【コア】各イベントの「トップ層」「予選通過層」が固まっており、各クラスの差を乗り越えるのが以前に比べると難しくなってきている。

 現存のオフラインクイズにおいて、新規参入者は非常に少なくなっています。その一方で、クイズを長く続ける人が増えているため、クイズイベントの参加人数もあまり少なくなっていない。なので、あまり「危機的状況」とは捉えられていません。
 確かに、ここ5年というスパンで見る限り、現状のスタイルでも継続はできるでしょう。しかし、10年・20年……というスパンで見ると、「新規参入がほとんどなく、既存クイズ関係者のコア化が一方的に進む」限り、いつか危機的状況を迎えるのは避けられないと考えられます。いくらコア化した層とはいえ、仕事や家族の状況ではクイズを離れざるを得ない人が一定数はいるのですから。そして、「クイズを始める人<クイズをやめる人」であり続けると、いつの日か必ず“やる”クイズは破滅します。
 しかし、そのような認識は現在のオフラインクイズ関係者の中では必ずしも一般的ではないし、なんらかの行動に移している方はごくごく少数に限られます。なぜか?ということについては、後ほど考察したいと考えます。

 <ネットクイズ>

 【スタッフ】クイズ番組好きで、ネットに関する技術を持つ有志。大学クイズ研出身以外の方が多いと思われる。
 【興味】もともと「高校生クイズ」等のクイズ番組に興味があり、これらの単語をネット上で検索した人が多い(とのこと)。
 【参加】ネット環境さえあれば、自宅で手軽に参加できる……ということもあり、参加者は増加している(10・20代の男性が圧倒的多数なのはなぜなんでしょうか?ネット人口のうちコア層がこの代に集中しているから?)
 【コア】さまざまなサイトでネットクイズが行われており、常連層も形成。中には企画側に回る方もいる。また、「xyz」などをきっかけにしてオフラインクイズに参加する方も増えつつある。

 「Quiz Park」第3号でも取り上げたネットクイズ。ネット環境さあれば、自宅で手軽に参加できる……というのは大きな利点です。もちろん、直接顔を合わせて行うオフラインクイズにも魅力があり、「オフラインクイズ」「ネットクイズ」がともに発展するのが理想と言えましょう。
 ネットクイズについては、あまり携われていない私にはわかりかねる点も多々あります。が、ネットクイズ関係者とお話した限り、今後もさらなる発展の可能性がある一方で、「新歓」という点では決して楽観視はできないと思われます。
 というのも、現在ネットクイズを始める人の大半は、「高校生クイズ」などのクイズ番組、それも現在のクイズ番組ではなく80~90年代の「クイズ王番組」や「バラエティクイズ」(showbyショーバイ、マジカル頭脳パワーなど)好きが多い、と思われるからです。ということは、「高校生クイズ」の終了はネットクイズに壊滅的な打撃を与えるでしょうし(なんせ、「高校生クイズ」で検索する人が極端に少なくなるわけで)、「クイズ王番組」「かつてのバラエティクイズ」を好む方は、時代を経るに従い年々少なくなるでしょう。
 一方、「ネットクイズ」自体の存在はまだまだ知られていません。ここは「弱み」であるともいえるし、「機会」とも言えます。なんらかの形でネットクイズというものがある(企業運営のweb上クイズとの連携など)……ということが広まれば、さらなる発展のチャンスはあるかと思います。

 <クイズマジックアカデミー(以下QMA)>

 まず最初にお断りしておきますが、私はQMAに触れたことはほとんどありません。自分でやったことは一度もないし、ゲームセンターで拝見したのもごくごく限られた機会のみです。ただし、xyzの参加者などからQMAのお話をお伺いしておりますので、それをもとに下記のように考察しました。とはいえ根拠はかなり脆弱ですので、ご指摘がありましたらぜひよろしくお願いします。

 【スタッフ】コナミ。
 【興味】・ゲーム愛好者が「アーケードゲームの一種」として。
     ・「クイズに興味はあったけど触れる機会がなかった方」「以前クイズをやっていたけど、最近離れていた方」が、「気軽に触れられるクイズの一種」として。
 【参加】ゲームセンターで気軽に参加できることもあり、大ブレイク。「アクションゲームは苦手だが、クイズゲームなら……」「キャラ萌え」の層も含めて幅広く取り込み、カード発行枚数は50万枚を超えるとのこと。現在はプレーヤーのコア化、システムの変更もあり、カード発行枚数は減少しているが、稼動後3年たつ現在でも一定数の新規ユーザーはいるとのこと(最盛期よりは減っていると推察されるが)。また、当初は一方的なコア化が心配されたが、クラス制導入などにより、それぞれのレベルで楽しめるようになっている
 【コア】「賢者」と呼ばれるコア層の中には、QMAだけではなく他のクイズに興味を持つ方も増えてきている。そのような方が、ネットクイズに触れたり、またはxyzやQMAコミュニティ経由でオフラインクイズに触れたりする機会も増加。そして昨年には、ついにQMA発のクイズサークル「熊熨斗会」が設立。さらには「くまけっと」にて早押し機を使用したクイズ大会が開かれるまでになっている。

 稼動後3年たち、未だに根強い人気のQMA。現在、「もっとも日本で多くの人が触れている“やる”クイズ」といえるでしょう。
 最近興味深いのが、QMAの浸透とともに、徐々に「コナミ発」以外の動きが見られることです。QMA関係者でのコミュニティの形成(ネット上のBBSやmixiの影響も大きいと思われます)、さらには熊熨斗会の結成など。興味を持っている層については、現時点のオフラインクイズよりも遥かに多い。もちろんQMAをプレイする層がすべてオフラインクイズにも興味を抱く……とは思えませんが、それでも数%がオフラインクイズに興味を持てば、大きなうねりになります。

 往年のテレビクイズと同じく、あくまでコナミという会社の「企業の論理」で動いています。けして「クイズ文化」のために動いているわけではありません。いつ打ち切られるか、という不安はついて回ります。また、ブームになったゲームはいつか「飽き」がきます。
 しかし、「広く浅く」の客層が求められる=コアユーザー化が利益を生まないテレビクイズに比べると、QMAはコアユーザーが増えることにより利益を生むため、あとしばらくは続くかと思われます(希望的観測に過ぎるかもしれませんが……)。とはいえ、いつかは終焉が訪れます。それまでの間に、QMA以外のクイズの楽しさをいかに伝えられるか?が、オフラインクイズ・ネットクイズ愛好者にとっては正念場と考えられます。
 「黒船」は、もうやってこないかもしれないのですから。

 つづく。

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(4)脱・大学クイズ研の時代(2003年頃~)・時代状況篇~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 さて、2003年以降のクイズの状況を見てみると、このようなことが言えるかと思います。

 (1) ネットクイズ・「クイズマジックアカデミー」の活況

 以前から行われてきていたネットクイズですが、現在の活況の一つのポイントになるのは、2003年秋にスタートした「SAKUGE」と思われます。「高校生クイズ」をモチーフにしたこの企画により、高校生クイズを見る→googleで「高校生クイズ」と検索→「SAKUGE」に参加→ネットクイズの魅力を知り、他の企画にも参加→定着する……という流れができあがりました。
 また、一般的にクイズの魅力を再認識させたものとして、「クイズマジックアカデミー」の力は非常に大きいといえます。アーケードゲーム好きの方々だけではなく、「クイズに興味はあったけど触れる機会がなかった方」「以前クイズをやっていたけど、最近離れていた方」もクイズに引き寄せる大きな力となりました。1998年の「今世紀最後ウルトラ」クラスの「黒船」(クイズ関係者によるインパクトではなく、外部からもたらされた衝撃という意味で)と言えるでしょう。

 (2) 有志によるクイズイベントの定着

 「abc/誤」「×」「xyz」といったイベントが始まったのが2003年。それぞれ異なる思惑からスタートしていますが、共通点として、「サークルの枠を超えた有志が企画側であること」「シリーズ化が当初から想定されていたこと」が挙げられます。また、「abc/誤」「xyz」については、長期継続のために「元参加者が企画者側に回る」という流れを色濃く打ち出しています。
 一方で、サークル主催のクイズイベントについては減少しています。伝統的な大学クイズ研主催のイベントが行われなくなる一方で、社会人クイズサークル主催のクイズイベントはほとんど開催されていません。

 (3) 大学クイズ研の維持、情報発信力の低下

 大学クイズ研をとりまく状況は引き続き厳しくなってきています。特に「クイズ王ブーム」から10年以上経過し、もはや世間的には「クイズ研」や「”やる”クイズの存在自体」が認識されないようになってきています。そんな状況の中、他大学の生徒などを取り入れるなどにより、各大学のクイズ研はなんとか命脈を保っています(このことはもっと評価されるべき点だと思います。少なくともクイズ王ブーム時代と現在では、新歓活動に対する新入生のリアクションは大きな差があるのですから)。
 しかし、命脈を保つので精一杯の状況であり、クイズイベントやホームページ・問題集での情報発信については、現役大学生はほとんどできていない状況です。時代の象徴としては、学生クイズ王決定戦「Man of the Year」の企画人数・参加人数の大幅減、ついには終焉に至ったことが挙げられます。

 (4) 社会人クイズプレーヤーの長期継続化がさらに促進

 社会人になってもクイズを続ける方が増加しました。イベントで決勝に残るレベルの「トップ層」だけではなく、予選通過するレベルの「予選常連層」を見ても、数年前とあまり顔ぶれが変わっていない状況です。
 これは、クイズを続けられる環境が整ったという意味では、間違いなくプラスです(一時期のように「クイズは学生の間だけ、社会人になったらクイズも卒業」というのも、あまり健全とは思えません。クイズに対する取り組み方は変わるにしても、クイズは一生続けていける趣味だと考えます)。しかし、このことは「クイズプレーヤー全体のレベルアップ」につながっており、新しくクイズを始めた人にとっては乗り越える壁が年々高くなり続けていることにも繋がります。「イベントで上位に食い込む」だけではなく、「イベントで予選を通過する」こと自体、数年前に比べると初心者にとっては大幅に難易度が上がってきています。これについては、壁が高くなり続けることよりも、「それぞれの実力・スタンスに合ったクイズが提供できていない」ことに問題があるように思えます。

 総じて言えるのが、「大学クイズ研」が絶対ではなくなった……ということかと思います。大学クイズ研は存続しているのですが、以前のように「大学クイズ研からクイズを始める人が一般的」とは言えなくなり、他のルートでクイズを始めたり、大学クイズ研を経ずに定着したりする人が増えてきている。また、クイズイベントや情報発信の担い手も、「学生クイズ研」から「社会人」にシフトしてきている……このような点から、2003年以降を「脱・大学クイズ研の時代」と呼びたいと思います。

 つづく。

2006年8月12日 (土)

【近況】実家に帰らせていただきます……って検索したら55700件もヒットした

 これから静岡と岡崎に帰省。
 8時50分に家を出発、タクシーでバス停→バスで鹿児島空港→飛行機でびっくりするほどセントレア(このフレーズも懐かしい)→名鉄で豊橋→新幹線で静岡……遠い……。

 さて、クイズ論メモについては鹿児島に戻ってから書きます。
 現在、高校・大学クイズ研だけでは「新歓・人材育成機能」を担えなくなっています。大学クイズ研がやっていたことをそっくりそのまま社会人がやることはできないし、大半の社会人はその意欲を持ち得ない(なぜ持ち得ないか、も考察します)中で、「”やる”クイズの存続」「そのための新歓・人材育成」はどうしたらいいか……というような流れになろうかと思います。

 なお、【注目】今更な芸能ネタ×3の問題、橙武者が正解にしたかったのは「マタアイマショウ」(SEAMO)でした。

【注目】キャラクタービジネス

 「KingTower日記~平々凡々~」の8/10分を拝見して。
 あまりに本題と関係なさすぎるのでトラックバックにします。
 
>開国祭のキャラクターであるペリリンとオグリン*
>*当然ヌルい。」

 ペリリンはペリーとして、オグリンって?小栗上野介か?
 と思って検索したところ、驚愕の事実が!
 
 >小栗上野介の直系の子孫にあたる漫画家「小栗かずまた」さんの手によって可愛らしいキャラクターとして誕生しました。

 吉六会脱退後はそんなことをしていたのか……。(参考1 参考2

2006年8月 9日 (水)

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(3)大学クイズ研&OBの時代(1993年頃~2002年頃)~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 「アタック25」以外の視聴者参加型クイズ番組が終了し、新しく始まっても長続きしない状況。
 そんな中、大学クイズ研現役・OBたちが自らでサークル・イベントを運営し、自らでクイズを作っていった時代。
 それが1993年頃~2002年頃の、「大学クイズ研&OBの時代」です。

 【スタッフ】:大学クイズ研現役・OB
 【興味】:・クイズ番組視聴者のうち、特にクイズ番組が好きだった層
      ・高校生
(「高校生クイズ」という形で参加する機会が用意されていたので、興味を持つ層も多かった) 
 【参加】:・新歓時期に大学クイズ研へ入会
      ・「FQUIZ」や各地の社会人サークル(愛好会)への参加
 【コア】:各大学クイズ研・OB、社会人サークルの強豪プレーヤー

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 クイズ番組が終わったとはいえ、相当のブームの後です。一般試聴者の中でもクイズ好きの層は多数いました。しかし、その中でクイズにアクセスする機会を持てたのは、実質「大学の新入生」のみ。それ以外の層については、「クイズに興味はあるが、やる機会がない」という状況でした。
 もちろん、「FQUIZ」や各地方のクイズ愛好会も存在していましたし、大学生以外の層でクイズを始める方もゼロではありませんでした。が、現在ほどインターネットはまだ普及していなかったため、その存在を知るのは容易ではありませんでした。たまたま「パソコン通信をやっていた」「知り合いがクイズをやっていた」「アタック25の予選で勧誘された(地方のクイズ愛好会ではアタック予選会での勧誘活動を積極的に行っているところもあります)」幸運な方だけが、FQUIZや愛好会にアクセスすることができました。それ以外の方だと、クイズをする機会はせいぜい「大学の学園祭」くらいでした。それも90年半ば以降はどんどん姿を消していきます。
 逆から見ると、既存のクイズ関係者(FQUIZや愛好会)から見れば、「クイズ好きの層」にアプローチするのは容易ではありませんでした。アタック25の予選で声をかけたり、雑誌「じゃま~る」に掲載したり……手間が非常にかかる上、そんなことをしなくても各サークルが存続できていた状況下、手間をかけてまで新しい人を入れようとはしないのが一般的であったかと思われます。
 
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 一方、クイズ界への唯一の人材供給源となったのが、「大学1年生」でした。なぜかをもう少し考えてみます。

 まずサークル側から考えると、
 ・一定数が「卒業」という形でサークルを抜けるため、存続のためには新入生を入れる必要があった
 ・先輩から受け継がれたサークルを、自分の代で潰すことに抵抗があった
 ・そもそも、サークルに新入生を入れようとすることは、当時のサークル文化からいって"当たり前""常識"だった
  →積極的に新歓活動を行う理由があった。

 一方で新入生側から考えると、下記のような理由が考えられます。
 ・もともとクイズに強い興味を持っている層が一定数いた=高校生は「高校生クイズ」という形で参加できるチャンスがあるため、他の世代と比べるとクイズに対する興味は強かったと思われる。高校のときに興味を持っていた人が、自分から大学でクイズ研の門をくぐる、もしくは勧誘に対し好意的に反応する……ということが見られた。
 ・「何かサークルに入ろう」「大学で何か新しいことを始めよう」「サークルで友達を見つけよう」という人がもともと多い=つまり、勧誘に対する感度が非常に高い(ので、宗教勧誘の格好のカモでもある)。社会人に対して「クイズ始めませんか?」というよりも、新歓時期の新入生に「クイズ研に入りませんか?」という方が効果が高い。
 ・「大学クイズ研」の存在が、当初はまだ知られていた……特にウルトラクイズ終了直後は、「大学にはクイズ研究会がある」という認識が、今よりも比較的高かった。
  →クイズ研の新歓活動に反応する素地があった。

 そうやって入会した大学1年生は、各サークル内で人材育成されていきました。例会でのクイズの企画を任されたり、サークル運営に従事したり……これも新歓と同じで、後輩を育てないとサークルが存続できないため、自然と大学クイズ研が「新歓・人材育成機能」を果たしていました。

 以上、「クイズを新しく始める人」=「新歓時期に大学クイズ研に入る大学1年生(加えて、90年代半ばからは"クイズ研がある中学・高校の新入生"も)」という構図が固定化しました。そして、クイズイベントの企画者などの立場でクイズの「担い手」となるのも、各大学クイズ研の会員が主体となっていきました。

 テレビでのクイズブームからすでに10数年たった現在でも、なお"やる"クイズという文化が継続しているのは、大学クイズ研の「新歓・人材育成機能」が大きな役割を果たしているのは確かです(もちろんFQUIZ・社会人サークルも大きな役割を果たしています。が、「新歓・人材育成機能」については、大学クイズ研の方がより積極的であったかと思います)。

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 「テレビクイズの時代」と比べてみると、
 「クイズに興味がある層の裾野は、番組終了にともない狭まったが、それでも一定数はいる」
 「"やる"クイズに触れることができる層は、大学生中心。それ以外にはチャンスがほとんどない」
 「"やる"クイズを続ける層も、クイズ研所属の大学生およびOB中心」

 というのがポイントになるかと思います。

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 ~環境の変化~
 ・大学クイズ研の人数減少(90年代半ば~)、社会人プレーヤーの人数増加
 ・インターネットの発達、情報入手の容易さ(それまではクイズサークルに入っていないと情報が入らなかった)
 ・「今世紀最後ウルトラクイズ」「20世紀クイズ王」「ミリオネア」
 ・社会人主催クイズイベント、短文クイズイベント(「関東指オープン」「勝抜杯」)の定着

 90年代半ばから、大学クイズ研を取り巻く状況は、徐々に厳しくなってきました。廃部するクイズ研も多く、学連加盟校も最盛期の1/2から1/3にまで減少しました。詳しい背景はこちらに書きましたが、大きな要素としては「クイズ王番組から年月がたち、またサークル活動に対する環境も厳しくなった」→「新入生の新歓活動への反応の低下」→「クイズ件の新歓活動のマンパワー低下」→「新歓活動の弱体化」→「反応の低下」……という流れだと思われます。
 一方で、かつては大学の卒業とともにクイズを辞める人が多かったのですが、90年代後半から大学卒業後もクイズを続ける人が増え始めました。「今世紀最後ウルトラクイズ」などのテレビ番組の影響、全体的に「社会人でもクイズを続けられる」という認識の広まり、インターネットの発達による情報共有……などさまざまな背景があり、次第に社会人も参加できるサークル・イベントが増加しました。次第に、イベントの担い手(企画側)も、学生から社会人(大学クイズ研OB)に徐々にシフトしてきました。
 にも関わらず、「新歓・人材育成機能」だけは、引き続き高校・大学クイズ研が一手に担っていました。しかし、前述の通り廃部するクイズ研が増える中、クイズを新しく始める「入口」も減り、結果として新規でクイズを始める人は減少の一途をたどることになりました。

 ~ターニングポイント~

 その当時は全くそう感じませんでしたが、今思うと2003年が大きなターニングポイントでした。
 「abc/誤」「Quiz Road Cup」「xyz」「×」「SAKUGE」そして「クイズマジックアカデミー」。
 それぞれ異なる思惑でスタートしたこれらのプロジェクトは、全て2003年に端を発しています。

 2003年以降、どのようにクイズ界が変わっていったのか?
 サークル対抗戦である「誤」があるにも関わらず、「脱・大学クイズ研の時代」とはどういうことか?
 それについては、後日アップしたいと思います。

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(2)テレビクイズの時代(~1993年頃)~

 *まだ書きかけ段階の「メモ」につき、読みにくい点、不明確な点はあるかと思います。ご意見・ご指摘などありましたら、橙武者までご連絡いただければ幸いです。

 日本におけるクイズ文化は、テレビによるクイズ番組からスタートしました。
 古くは1960年代から、「ウルトラ」「FNS」「史上最強」などが終わる90年代半ばに到るまで、「クイズ」=「クイズ番組」とみなされてきました。いや、未だにクイズ関係者以外にはそのような認識が一般的なのかもしれませんが……。
 ともあれ、この時期はテレビによるクイズ番組がメインでした。すなわち、「クイズに参加する」=「テレビ局が用意するクイズ番組に、視聴者代表として出演する」という時代です。

 【スタッフ】:テレビ局、制作会社
 【興味】:お茶の間の一般の視聴者
(かなり多くの人口がテレビクイズを試聴していた)
 【参加】:クイズ番組への応募・出演
 【コア】:複数のクイズ番組への応募・優勝
(「○冠王」「クイズ荒らし」)

 「クイズに興味がある」「クイズを好きで見ている」層は、今よりもはるかに多く存在しました。娯楽の中心がまだテレビであり、その中でクイズ番組はメインのコンテンツの一つでした。クイズそのものの魅力だけではなく、賞品やテレビ出演の魅力、いわば「クイズが目的なのではなく、手段としてクイズ」という側面も色濃かったでしょう。さらに、その層の受け皿として、「クイズグランプリ」「100万円クイズハンター」など「お茶の間の貴方にもチャンスがあるかも・・・」という番組が数多く存在しました。
 ただし、クイズに興味があったとしても、参加する手段は「クイズ番組への出演」のみ。社会人サークルであった「ホノルルクラブ」にしても、クイズ番組優勝者により結成された、いわば「上級者のためのサロン」でした。「クイズに興味があるが、クイズ番組に出たことはない」初心者の受け皿はおそらく存在しなかったと想像します。それ以前に、「クイズサークルなどでクイズ自体を楽しむ」のは相当コアな層だけで、大半の人は「テレビで活躍するために、勉強会として集まる」という層だったと思われます。
 まとめて言えば、
 「クイズに興味がある層の裾野は非常に広い」
 「が、"やる"クイズに触れられる層はそれほど多くない(番組出演のみ)」
 「ましてや、"やる"クイズを継続して楽しむ層は非常に少ない」

 というのがポイントになるかと思います。

 *この時期は自分がクイズを始める遥か前であり、伝聞と想像によるものが大きいことは先にお断りします。

 ~環境の変化~
 ・各大学のクイズ研の誕生(80年代初頭)
 ・「ウルトラクイズ」での大学クイズ研の活躍(80年代末)
 ・「クイズ王」ブーム、問題の難化
  
 帯番組主体であった時期は、「より多くの人に興味をもってもらう」→「そのために、よりさまざまな人を参加させる」……というコンセプトがありました。しかし、80年代初頭に各大学にクイズ研が誕生しました(おそらくその背景として、「大学でのサークル文化の興隆」があるのでは、と推測します)。その成果が80年代末に、「ウルトラクイズでの立命館V3」という形で結実します。それとともに、「クイズ王」ブーム、さらにそれに伴って問題の難化が発生します。
 「身近な視聴者代表が"出る"クイズ番組」から、「ハイレベルなクイズプレーヤーが戦うのを"見る"クイズ」へと大きく転換。未曾有のクイズバブル、クイズプレーヤーバブルが発生するのですが……。

 ~ターニングポイント~
 「ウルトラクイズ」他、クイズ王番組の衰退・終了。
 これにより、「クイズに参加する」=「テレビ局が用意するクイズ番組に、視聴者代表として出演する」というスタイルは、ほぼ終焉を迎えました。
 一方で残ったのが、各大学のクイズ研です。当初はクイズ番組対策として結成されたクイズ研ですが、徐々に「賞金・テレビ出演の手段としてのクイズ」ではなく、「クイズ自体を楽しみたい」「より強くなりたい」という、いわば「目的としてのクイズ」を追求するようになります。
 そして訪れるのが、次の「大学クイズ研&OBの時代」です。 

【quiz_too_fun】クイズ論メモ「"人"から見たクイズの変遷」~(1)まえがき~

 あらためてこのタイミングで、「クイズ論」を考えてみることにしました。
 今後のアクションを再整理するために。

 「quiz_too_fun」の通販・レンタル・ビデオ制作機能は近日中に引継ぎ完了予定ですし、「nextsteps(サークル)」は鹿児島転勤後はほとんどタッチできなそうです。
 とはいえ、「xyz(イベント)」「Quiz Park(情報誌)」は今後も続けていきます。また、これまで「やるやる」と言った割にまだできていない「カルチャーセンター・公共施設での普及活動」も、そろそろ第一歩を踏み出したい。また、新規でいくと、「xyz・nextstepsと他のサークル・イベントをつなぐような新規イベント」「クイズ新ポータルサイト(こちらはお手伝い)」など、やってみたいことは多々あります。
 ……とはいえ、全てをやるのは到底無理ですし、いろいろな方を巻き込んでいくとなると
 「なぜそれをやるのか」
 「それをやることにより、どうなるのか」
 を明示する必要があります。
そこを整理するためにも、
 「今のクイズに対して、橙武者はどう考えているのか」
 「クイズの将来像に対して、橙武者はどう考えているのか」
 を、自分の中で再整理する必要がありそうだ……と、こういう状況です。
 で、現状・将来を考えるため、「時代により、クイズはこれまでどのような変遷をたどってきたのか」という点を自分なりに捉えなおしてみたいと思います。
 
 ということで、まだ書きかけ段階ですが、数回に分けてクイズ論を書いてみたいと思います。読みづらい部分もあるかと思いますがご容赦ください。ご意見・ご感想などいただければ幸いです。
 (どのカテゴリーに入れるか悩みましたが、橙武者が行っている活動を全て包括する「quiz_too_fun」に入れることにしました)

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 これまで、「クイズはどのように変わってきたか」を考える際、問題や企画の傾向で区分をされることが多かったように思えます。「○○という番組・イベントが主流だった時期」「長文が流行った時期」といったように。
 今回はそれとは異なり、下記のような「人」軸で時代を区分してみます。

  【スタッフ】:どんな立場の人が、企画・運営側に立っていたのか?
  【興味】:どのような人が、クイズに興味を持ったのか?そのきっかけは何か?
  【参加】:どのような人が、どのような形で、クイズに参加したのか?
  【コア】:どのような人が、コアなクイズ愛好家となっていったのか?

 一言で言えば、"「新歓・人材育成機能」の担い手と対象は誰か?"という視点です。
 すると、このような3つの時期に分けられると考えます。
 
第1期 「テレビクイズの時代」(~1993年頃)
第2期 「大学クイズ研&OBの時代」(1993年頃~2002年頃)
第3期 「脱・大学クイズ研の時代」(2003年以降)

 *なお、「~の時代」と書いていますが、それ以外のルートが皆無だったわけではありません。たとえば、「大学のクイズ研の時代」にも、テレビクイズがきっかけでクイズを始める方、社会人からクイズを始める方もいらっしゃいました。しかし、その当時人数が多かったり活動が目立っていたものを「~の時代」として取り上げていることを先にお断りします。
 
 長くなるので、それぞれの時代については項を改めて。

2006年8月 6日 (日)

【近況】7月下旬レビュー&8月の展望

 鹿児島に来て1ヶ月が経過。
 いよいよ車がマーブル模様になってきました。最初のうちはずっと雨だったのであまり影響がなかったのですが、ここ数日雨が降らないので、灰の影響をひしひしと感じる日々です。
 今日の夕方はわりと焦げ臭い匂いがしており、いよいよ鹿児島に来たんだなあ、でも1ヶ月経ってしまったんだなあ、と改めて実感。

 さて、7月下旬のレビューですが。

 16日(日)。鹿児島クイズ愛好会にお邪魔しました。TQC(東大)のOBの方が初参加されていたり、ゲストで福岡・熊本からの遠征勢が3名来ていたり…で、人数構成は「もともとの会員で鹿児島在住の方=3名、遠征勢=3名、鹿児島在住だけども初参加=2名」といった感じ。そんなこんなで久々のクイズを楽しむ。
 例会終了後、「もつ鍋万十屋」で黒豚しゃぶしゃぶを堪能。美味しゅうございました。次はもつ鍋を是非!
 さらにその後、遠征勢2名とファイター(バイトにつき例会欠席)宅へ。2名が「用事がある」と言って車に呼び出し、車に乗ったところでトランクから橙が出てくるという仕掛け……って、なんでこんなドッキリを午後11時にやってるんだろう29歳。

 17日(月)。車が届いたので試運転&買い物(チャイルドシートとか車の日よけとか)。これでようやく車で通勤できるように。

 22日(土)。豪雨の日。とはいえ酷かったのは北薩(薩摩川内や出水など)で、鹿児島市内は「ちょっときつめの雨」程度。メールいただいた皆様、ご心配おかけしました。
 で、妻はペーパードライバー教習だったので、教習所まで送った後は想人とお留守番。ここ最近では一番面白かった「第20回高校生クイズ」(「特Qファイヤー号」の回)を一緒に見る。妻を迎えに行き、帰ってくるとファイターからのメッセ。ここで初めて翌日の高校生クイズの順延を知る。危ねえ。

 23日(日)。高校生クイズの南九州大会は残念ながら順延。鹿児島市内は曇りなので実感わからなかったが、北薩地方は相当大変だった模様で、順延という判断もやむなしだろう。図書館へ行って読み損ねていた新聞をざっと読んだりする。

 28日(金)~29日(土)。豊田さん宅に泊まり、ビデオの引継ぎ。

 30日(日)。xyz=6関西の立ち上げをお手伝いし(スタッフの皆様、ありがとうございました!)、午後から鹿児島に戻る。結局「Quiz Park」は全然手付かずだったなあ……。

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 8月の予定。

 5日(土)6日(日)は特に予定なし。髪切ったり家族と過ごしたり。

 そして待望の夏休み。10日(木)から16日(水)までの7日間。代休がたまっていることもあり、ちょっと長めの夏休み(7日間で「ちょっと長め」と感じるのはあまり良くない気もするが)。
 10日(木)は熊本で高校生クイズなんだけど、また台風来てるのは大丈夫だろうか。今のところ予報は曇り時々晴れだけど。
 11日(金)は特に予定なし。出勤になるのは避けたいなあ。
 12日(土)~14日(月)は橙実家(静岡)。その足で14日(月)~15日(火)は妻の実家(岡崎)。さらにその足で15日(火)~16日(水)午前が豊田さん宅でビデオの最終引継ぎで、16日(水)夕方に鹿児島に戻る予定。ほとんど体を休める暇がないのは家族持ちの宿命。
 
 19日(土)。午前中は会社の用事で枕崎へ。夕方は花火大会。
 20日(日)。鹿児島の例会の日だが、インター杯も興味あるし……。
 26日(土)27日(日)は休み。今度こそ「Quiz Park」に取り掛かる予定。

【注目】今更な芸能ネタ×3

 ・就職情報サイト、らしいが、この名前は如何なものか。
  「JOB」からきているのだろうが……。
  冒頭のスーツ姿の写真を見て「ロクタロー」を思い出したよ。そんな土曜日の夜。

 ・NHKの障害者ドキュメント番組「きらっといきる」。
  オープニング曲が渋すぎる。
  ソロアルバム買おうっかなあ。

 ・どう限定していいか、何を答えにしていいのか……考えているうちに、完全に旬を逸した問題。
  半年前くらいの情報が一番「今更」なんだよね。

  「R(アール)というグループのボーカル・EILYSH(エリ)がコーラス部分を担当している~」

  うーん、これだと限定きいてないし(複数曲で担当しているから)、そもそも正解がアーティストなのか曲名なのかがわかりにくいしなあ……。

  CDTVなどで一部分だけ聞いていたので、女性アーティストだと勘違いしてた。
  ……という人は意外と多そう。

2006年8月 5日 (土)

【注目】「女だらけのクイズ大会」8/26開催

 「女だらけのクイズ大会」が8月26日(土)に開催されます。
 公式blogはこちら

 昨年はちょびっとですが観戦に行き、いろいろと感想なり提案を書きました。(1) (2) (3) (4)
 今年も無事開催されるようで何よりです。
 スタッフの皆様、お疲れ様です。
 
 ここをご覧の女性の皆さん、参加してみてはいかがでしょうか。初めて参加する方でも楽しめるイベントではないか、と。
 ネクステ、System-Fといったサークルに所属している人はもちろん、xyzで「オフラインクイズの楽しさに初めて触れた」という方、普段はQMAで楽しんでいる方にとっても、かなり楽しめるイベントではないかな、と。サークルやxyzとは異なりステージ上でのクイズとなりますが、他ではなかなか味わえない醍醐味があるかと思います。

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<告知>

  • 1.mono-series~クイズNo.1物知り決定戦~
     2013/12/8、東京・大阪・福岡+αで開催!ペーパー・早立ちを用いた「幅広い知識を競う真剣勝負」です。兼任スタッフエントリー受付中!
  • 2.クイズサークル「シンサクール蒲田」
     2011年に発足したクイズサークルです。蒲田を中心とした東京周辺で、1~2月に1回活動を行っています。初心者から強豪まで、若手からベテランまで参加者募集中!
  • 3.クイズ企画共有化計画"Q_loud"
    「クイズの企画を共有化し、各サークルで実施しよう」という試みです。
  • 4.クイズポータル
     「クイズ」に関連する情報を集めたポータルサイト。「クイズ」で検索したときに上位に出るよう、サイト・ブログをお持ちの方はリンクを貼っていただけると有難いです!

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