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2006年1月25日 (水)

【提案(その他)】難問長文クイズの楽しさを人に伝えるためには?

 「73タロー」のマッチメイク選手権においては、「問題を配布する」などの久栗くんの尽力もあり、
  ・難問長文のために集まったのではない参加者に対し
  ・難問長文の勝負を、適切な方法で見せることで
  ・難問長文の魅力を伝える
 ことに対し、一定の成果を得ることができました。
 今度は、難問長文を「やる」楽しさを伝えるためにはどうすればいいか、考えてみたいと思います。
 なお、私は今、難問長文からは距離を置いています。しかし、だからこそ見えるもの、提案できることがあると考えています。また、クイズの楽しみ方の一つとして「難問長文クイズ」があり、それを楽しむ人が増えることによって「クイズを楽しむ人」全体が増えることは、非常に喜ばしいことだと思っています。

 難問長文クイズには特有の面白さがあります。しかし、まず存在自体が「クイズ界」以外には全く知られていません。また、問題が難しいことから、初心者には非常にとっつきにくい。
 一方で現在、どちらかというと盛り上がっているのはabcを始めとする「易問短文クイズ」であり、しかも短文クイズは難問クイズに比べるととっつきやすい(あるレベル以上に行くのが大変なのは難問長文と同じです。しかし、短文の方が第一歩が踏み出しやすいのは確かです)。

 そんな中、難問長文クイズの面白さをどのように伝えればいいか?
 たとえば易問短文クイズであれば、「まずはやってもらう」ということが非常に重要です。xyzコミクリなどでも痛感したんですが、初心者の方、さらにはクイズのために来たのではない人にとっても、早押しクイズというのはやり方次第では楽しんでもらえる。これは他の趣味と比べてもかなり優位性が高いと思います。
 一方で難問長文クイズは、そのまま体験してもらっても、その面白さを感じてもらうには敷居が高すぎる。
 ではとうすればいいか……ということについて、考えてみました。


 難問長文クイズには、「難しい物事を覚える」ということがついて回ります。
 今回は、「難しい物事を覚える」楽しさ、ということにフォーカスを当てて考えてみました。
 難問長文を愛好される方にとってみれば「違う」「全然わかっていない」という声もあろうと思いますが、10年前は一時期は橙も難問に手を染めていた時期があったので、それに免じてご容赦下さい。

 で、「自分がもともと知っていた知識との距離感」という切り口を使うと、「難しい物事を覚える」という楽しみは、下記の二つに大きく分けられるのかな、と思います。

 (1) 全く知らなかったことを、とにかくガツガツ覚える。
 (2) 今まで知っていたことの周辺部分を覚える。

 (1)は、「鉄道の駅を全部いえる」「アフリカの国と首都を全て覚える」など、記憶することそのものが面白い、ということです。大盛りの食事を平らげること自体に快感や達成感を覚える、そんな感覚に近いのかもしれませんし、別の見方では収集欲に近いのかもしれません。
 クイズでいけば、なにやらよくわからない単語を言えることが面白い、とか。僕も大学1年のときは「ダミアン・ダットン賞」「マッカビアン・ゲームズ」「アグスティン・デ・イトゥルビデ」「クヴィエタ・パツォウスカ」などの問題をひたすら自作していたように思えます。

 (2)については、いわゆる「デリバティヴ(派生)」と言われるものです。ある知識を起点に、その知識の周辺部分を覚え、その周辺部分を基点にさらに他の知識を覚え……というように、知識がリンクしながら広がっていくのが面白い、という感覚。「以前はこれだけしか知らなかったけど、今はそれをこんなに広げることができた」という成長意欲に近いものがあるのではないでしょうか。
 (1)と比べると、既存の知識の周辺にあるわけだから、比較的手を出しやすい切り口です。

 で、この二つの必要条件となるものが一つあります。
 それは、【他人との知識の重なり】です。
 他人とのかかわりあいを全く持たないのであれば、読書など一人でもできるはずですし、そういう人も世の中にたくさんいると思います
 クイズの場合、「他人との知識の重なり」が持てるところが、読書などと大きくことなるところです。出題者と解答者の知識が重なることがイコール「正解」であり、どんな難しい知識であれ、他人と知識が重なりあい、それについて話せるからこそ面白い。
 で、その知識が、マイナーであればあるほど、希少であればあるほど、つまり重ならなければ重ならないほど、逆に重なったときの「快感」は大きくなります。それの極北が「単独正解」であり、つまり「その場において、その知識を共有できているのは、出題者と解答者のたったふたり」という状況です。100問のうち正解が出るのが2~3問だったとしたら、その2~3問を正解した解答者(そして出題者も)の快感は非常に大きいものでしょう。
 とはいえ、正解が「0」であったら、やはり快感は味わえない。微少であっても、「他人との知識の重なり」は必要ですし、これをいかに持つかというのが難問長文クイズにおいても重要なポイントかと考えます。

 ……で、「難しい知識を覚える」かつ「他人との知識の重なりを楽しむ」という具体案を、2つばかり考えてみました。

 (1) 「予習」の活用
 ・あらかじめ正解となるべき単語や、デリバティヴ元の問題を、企画1週間前にオープンにする(50個くらいのリストを公開するような形)。
 ・解答者には、事前にその単語や問題について調べてきてもらう。
 ・当日出題されるのは、その単語自体、もしくはデリバティヴ元の問題文中に含まれた単語。

 たかぼーくんのHUNDRED100に触発されて考えたもの。

 (1)の「記憶すること自体を楽しむ」というのは、「記憶した結果、何かいいことがあった」というメリットがないと、なかなか実感もできなければ長続きもしないものです。
 そこで、事前に「予習」することで、より「知識の重なり」による快感が発生しやすくする。それを何度か行うことで、「記憶すること自体を楽しむ」ことを訴求する。
 今回「Quizzes-2」の"10Minutes Challenge"でやってみたいと思います(問題面でご協力いただける方、募集中です!)
  
 (2) 「デリバティヴ」の活用
 ・毎回、5問作ってきてもらう。
 ・5問出題した後に、コーチがその問題文中の単語の一つに赤丸をつける。
 ・次回、赤丸のついた単語を答えにする問題を作ってきてもらう。
 ・その問題文の中の単語にさらに赤丸をつける。
 ・さらに次回、赤丸のついた単語を……

 こちらは、「今まで知っていたことの周辺部分を覚える」ことの楽しさを体験してもらう試みです。
 5回繰り返したあたりで1回目の問題を振り返ってみると、自分の登ってきた山の高さがわかるのではないでしょうか。
 

 どちらにしても、重要なのは「エッセンスを抽出し、わかりやすく体験してもらう」という点です。
 裏を返せば、現在の難問長文クイズをそのまま出題したのでは、初心者には楽しみがほとんど伝わらない、というのが橙武者の認識です。
 だからといって難問長文クイズが劣っているとか、そういう話ではありません。問題そのもののレベルが上がりすぎてしまっている以上、やむを得ない部分です。難問長文クイズの創始者達は、テレビで出ているような問題(それこそ、今で言うabcレベルの問題)をもとに、さらに知識を広げていく……という形で難問長文クイズを進化させてきました。現時点で始めようとする人からみれば、いきなり進化した後の形から触れなければならないわけで、それはかなり壁が高い。「楽しさ」を感じるだけでも壁が高い。
 となると、「楽しさ」をまずは形を変えてでもわかりやすく伝える、ということが効果的なんじゃないか、と傍から見ていて感じたわけです。クイズ全般の中でも、特に難問長文クイズについては、マッチメイクのように「今まで関心がなかった人にこそ、関心をもってもらう方法」や、今回のように「楽しさを実感してもらう方法」、さらにはその先の「ある程度活躍できるようになるための育成メソッド」にもっと工夫を凝らさない限り、どんどん先細りになるだけなのに……というのが、第三者からの正直な意見です。たとえばマンオブの参加率=「学生でクイズをやっている人のうち、何割が参加したか」が減り続けたのも、この部分がほとんど意識されていないからなのではないか、と考えます(これは学連スタッフだけの責任ではなく……自分含め、先輩もこの点についてはほとんど何もできてないわけですから……、難問長文好き全体が受け止めるべき責任だと思います)。

*************************************

 で、ちょっと立ち位置を変えてみます。
 これまで「難問長文クイズの楽しさを伝える」ための難しさと工夫について触れてきましたが、この考え方は「クイズ全体の楽しさを伝える」ということにも活かせるのではないだろうか。
 前述の通り、易問短文であれば、クイズを”やって”もらえれば楽しさを伝えることができます。しかし、そこまでの距離が遠い。同人誌即売会などの新しいチャネルを模索していますが、たとえば「対・女性」「対・高齢者」(というより、「対20~30代男性以外のすべての層」)に対しては攻めあぐねているのが正直なところ。”やる”クイズの存在をアピールしたとしても、そこからどう興味・関心を持ってもらうか。単に存在だけをアピールするのではなく、何か別の伝え方をすることで”やる”クイズに引き込めるのではないだろうか。

 今回、難問長文クイズに対する提案では、楽しさというものを「抽出して」体験させることを試みました。「そのものの形」で勝負するのではなく、エッセンスとなっているものをわかりやすい形で伝えよう、という試みです。
 クイズ全般に当てはめれば……クイズそのものをアピールするのではなく、その楽しさを「抽出する」、クイズそのものだけで味わいにくいものを、より味わいやすい形で提供する……本当にクイズを広げていきたいのであれは、このような試みが必要不可欠になってくると思います。

 では、クイズの楽しさって?……理解しやすい形で伝えようとすると、これがなかなか難しい。
 「うまくいくと楽しい」「勝負して楽しい」「他人と知識が重なり合うと楽しい」、こんな形で「一般化」をまずはすることなのかな、と思っています。普段の生活とか、他の趣味で得ることができるメリットが実にクイズにはふんだんにあって、そういうメリットを味わいたい人にとってみると、他の趣味ではなくてクイズをやってもらうことが、その人のニーズに叶っている……ということが言えるとわかりやすいんだけどなあ、と。これについては、また項を改めて考えてみます。

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