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2006年1月26日 (木)

【動機】クイズをやる人=「頭がいい人」「何かを記憶するのが好きな人」?

 「クイズって”頭のいい人”とか、”何かを記憶するのがもともと好きな人”がやるもんでしょ?」

 こういう認識の方って、クイズ界以外の一般社会には非常に多いのではないか。
 そしてそれが、「"やる"クイズ」が敬遠される一つの要因になっているのではないか。

 ……という話が、xyzの打ち合わせの際に出ました。
 そういわれてみれば、橙も職場でそんなことを聞かれた記憶があります。
 ちなみに僕は、「野球少年にとっての甲子園が、僕にとってはクイズ王番組だった。それだけのことですよ」と返答したのですが。 

 クイズ界を見回してみると、確かに「頭のいい人」「単純に記憶するのが好きな人」「情報を得ることに喜びを感じる人」もいないわけではありません(イント郎さんとかストローワラさんとか、「知の巨人」とも言うべき人はごくわずかです。それにしてもストローワラさんがKOを袖にしなければこのツートップが同期で成立していたかと思うと、個人的には惜しい気がします)。
 しかし、大多数の人は”頭がいい”と自覚している(本当はどうであれ)わけでも、"覚えること""情報を得ること"そのものが好きなわけでもなく、「競技・ゲームとして何か打ち込めるものがほしかった」であるとか、もしくは「テレビ番組に出たい」であるとか、ひょっとすると「もともと興味はなかったけど、人から勧められてクイズをやってみたら面白かった」といったあたりが動機ではないでしょうか。

 もし最初に挙げた認識が一般的だとしたら、クイズ界の現実とは大きなギャップがあるわけで、クイズは非常に損をしているのかもしれません。自分のことを「頭がいい」「記憶するのが好き」と思っている人は、クイズ界にもクイズ界以外にもおそらくほとんどいないのですから。少なくとも、自分のことを「足が早い」「走るのが好き」という人、「歌がうまい」「歌うのが好き」という人に比べれば非常に少なく、むしろ「変人」だったり「傲慢」「勘違い」の可能性すらある。
 となると、大多数の人々(自分のことを「頭がいい」とも思っていないし、「記憶することに苦手意識を持っている」人)は、「クイズは自分がやるものではなく、もっと特殊な人達がやるもの」と捉えてしまう恐れがあります……というのが、最近持っている仮説です。
 
 となると、そんな大多数の人々に対してヒットするような、クイズの魅力を伝えるやり方が何かあるのではないか。うまく伝えれば、クイズの市場はもっと広がるのではないか。
 たとえば、下記のようなメッセージ。

 ・みんながクイズ王を目指しているわけではない。
  野球と同じで、プロを目指している人もいるし、草野球レベルで楽しむ人だっている。
  また、「競技する」「勝ち負けを競う」だけがクイズの楽しみ方じゃなくて、いろいろなクイズの楽しみ方がある。

 ・そもそもクイズ王だって、全ての知識を知っているわけではない。
  「クイズに出やすい知識」を重点的・経験的に覚えているし、どんなに簡単な問題でも100%解答するのは非常に困難。野球のバッターと同じで、3割打てれば一流。
 それにテレビ番組は、正解が出ない問題はカットしているし、アタック25やミリオネアは「正解が出そうな問題」を事前にプロフィール等からリサーチして出している(これはクイズ界外の人には衝撃的らしいです)。

 ・クイズを通して、お互いの「好きなこと」「経験してきたこと」にまつわる知識を共有化することができる。
  いわば、コミュニケーションツールとして、クイズを使うことが可能。 

 ・まあ、というよりクイズって楽しいよ。まずは一回やってみない?

 などなど。

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 一方で現実を見てみると。
 
 *ここから先、「学歴」というかなりデリケートな話題に踏み込みます。
  誤解がないように先に書きますが、橙武者は
 「学力・学歴に一切関係なく、できるだけ多くの人にクイズを楽しんでほしい」
 「しかし、現状を見る限り、高偏差値の大学生・OBに偏っている」
 「であれば、それ以外の方々にももっとクイズを広めるチャンスがあるのではないか」 
 ……という立場であり、けして「高偏差値以外の層はクイズをやるな」という立場ではないことをお断りしておきます。

 「高校・大学のクイズ研は、偏差値が高い学校に集中している」というのも、一つの事実です。
 たとえば高校生オープンやabcを見ると、上位どころか出場している人も、いわば高偏差値の学校の人が大半を占めています。開成や東大寺などの私学の超・進学校のみならず、県浦和・県前橋・県船橋・仙台一・水戸一といった公立校も、いずれも県トップクラスの公立校です。
 これは最近だけではなく、クイズ研が山のようにあった90年代初頭でも、やはりその大半は高偏差値の学校に集中していた記憶があります。

 また、テレビのクイズ番組を見ていても、「タイムショック21」「天」いずれも出場している学校は高偏差値揃い。高校生クイズで「優勝候補」として取り上げられるのは、たとえクイズ研ではないにしてもラ・サールや東大寺などの「超・進学校」の面々(ラ・サールってクイズ研、確かなかったのでは)。
 これらの番組を見ていると、「クイズを(わざわざ)やる人=高学歴=頭がいい人」という認識がさらに強まる可能性が高いのではないでしょうか(「学歴と頭の良さの相関」が正しいかどうかは触れません。一般的にそう認識されていることが問題です)。

 「高学歴の人しかクイズを”やる”ことができない」と一般に考えられているとしたら、それは物凄く「もったいない」ことであると考えます。
 それ以外の方にいかにクイズを広めていくか。今後の課題として考えていきたいと考えています。

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 それにしても、素朴な疑問。
 何故、高偏差値の学校にクイズ研は集中しているのでしょうか?
 高校生クイズには様々な学校が参加していることを考えると、もっといろいろな学校にクイズ研があってもおかしくないのでは?もっといろいろな学校の人、いろいろなバックボーンの方がクイズを楽しんでもらうことができるのでは?
 ……このことについて、どなたか考えてみませんか?
   
 橙の仮説としては、「何かを覚えることが好き」という人はクイズ界にも非常に少ないものの、「何かを覚えることに抵抗がない」という人はわりと多いのでは、というものです。
 「何かを覚えることに抵抗がない」というのは、単純に記憶力の問題ではない。好奇心の強さとか、忍耐強さとか、向上心の強さとか、そのようなファクターも関連してくる。そしてそれらのファクターは、受験勉強にも活かされるので、正の相関関係が見られるのではないか……と。
 
-------------------------------------

 なお、「クイズを始めるまでの流れ」を「アイドマの法則」っぽくチャート化すると、各段階でそれぞれ違った阻害要因があり、今回の「クイズは”頭のいい人”がやるものだ」というのも、その阻害要因の一つとなります。

 【クイズに興味がない】

     <Attention(注意)><Interest(関心)>
     ・まずは「クイズ」や「”やる”クイズ」の存在を知ってもらう必要がある。
   ↓ この部分については草の根では難しく、マスコミの力が非常に重要。
     草の根でやれることかあるとしたら、「会社のレク」「公民館などの公的行事」など?

 【テレビ番組などで、クイズに興味を持つ】

     <Desire(欲求)>
     ・クイズって「見る」ものだけど、「やる」ものじゃないよね。
        →「やる」クイズがある、ということを知ってもらう
   ↓           =「クイズ体験」(コミクリや職場レクなど)
     ・自分がやっていいの?クイズをやるのは頭がいい人なんじゃないの?
        →今回のテーマ。ここの抵抗感をどう和らげるかがポイントになる。

 【クイズをやってみたい】

   ↓  <Memory(記憶)><Action(行動)>
     ・どこでやればいいの?→各サークルや、クイズ体験イベント「xyz」の告知

 【クイズをやる】

      再び<Action(行動)>
     ・入れるサークルがない→サークルの案内(特に初心者サークル)
   ↓ ・イベントに行っても、クイズ的にも人間関係的にもついていけない
       →・初心者にも参加機会・解答機会があるイベント(Quizzes-2など)
         ・仲間の輪(内輪)に引き込む仕組み作り

 【クイズを続ける】

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コメント

はじめまして。
以前から時々覗かせていただいてます。

幼少期より“面白い視聴者参加クイズ番組”を見て
育った私としては、最近の
「学歴偏重傾向にある」今のクイズバラエティは
どうなん?と思っているしだいです。
(その辺のことはTB記事にも書いてます)
今後ともよろしくです。

>ファイアー負男EXさん

 はじめまして。
 コメント&トラックバックありがとうございます。

 >『クイズ』とは、最低限の知識と知的好奇心があれば、年齢・性別・学歴に関係なく楽しめる“頭脳道楽”である

 全く同感です。
 だからこそ、「20~30代、男性、高学歴」に偏重しすぎている現在のクイズ界は「もったいない」と思っています。

 (僕も世代的にほとんど見られなかったんですが)昔は「クイズグランプリ」「100万円クイズハンター」など、「お茶の間のあなたでも出られるかもしれない」という敷居の低いクイズ番組が多々ありました。
 これらについては、当然「クイズ=高学歴」という風潮は全くなかったと推測されます。あったとしたら参加者集まらないでしょうし、「あなたでも出られる」というところが強調されていたと思われます(ここは現在の「アタック25」でも踏襲されています)。

 一方でクイズ王番組の場合。
 今書いてて思い出したんですが、TBS(史上最強)って学歴はほとんど出してなかったのでは。せいぜい「名門・立命館」くらいで、基本的には「クイズ王のパフォーマンスそのものをアピールする」演出だったように思えます(西村さん=早稲田というのは、確か水津本で初めて知ったような記憶が)。
 フジ(FNS)にしても、プロフィールのところに出身大学は出てきますし、予選のときに「大学別予選通過人数」を出したりしていましたが、いざ本戦になってみるとそれほど前面に押し出してなかったかと。
 そう考えると、実は(意外なことに)ウルトラが一番大学にこだわっていたような気もします。ただ、大学名というよりは、どちらかというと「クイズ研」にフォーカスを当てていたのでしょうね。組織の看板を背負った意地のぶつかり合い、を演出したかった、と。
 また、「高学歴でないとウルトラに勝てない」というよりはむしろ逆で、体力・時の運を盛り込むことで「クイズ研でも勝てない」「高学歴でも勝てない」というのを強調していた、と。

 で、当時のことを思い返すとそれもそうで、当時は本当にさまざまな人が予選に来ていたんですよね。で、「いろいろな人を巻き込もう」という意識も高かった(全国さまざまな会場で予選をやっていたわけですし)。クイズ研の存在が知られるようになった当時でさえ、ほとんど「クイズ=高学歴」という認識はなかったように思えます。

 となると、今の風潮はどこらへんに由来しているんでしょうか(僕は最近のクイズバラエティはほとんど見ていないのですが、芸能人が出演する番組ですら、学歴とセットになることがあるらしいですし。それこそ「東大中退のホリエモン」とか)。
 一つの要素として、「幅広い人が参加する」のか、「一部の限られた人しか参加しない」のか、というのはあるかと思います。
 今のクイズバラエティというのは幅広い人を参加することを前提においていない、ということなんでしょうね。多くの人を参加させようとするならば、わざわざ「クイズ=高学歴」ということを謳うのはマイナスでしかないわけで。タイムショックにしても、あまり「幅広く一般公募する」という感じではなかったわけですし。 
 で、一方で「幅広く参加させる」クイズ番組があればこれでもいいんだけど、こっちの方が「アタック25」以外ではほとんどない現状では、結果「クイズ=高学歴」になってしまっている、と。

 「”やる”クイズ」の普及はとても難しいのですが、引き続き草の根で取り組んでいく所存です。
 今後ともよろしくお願いします。

高校時代、例えばTRPGばかりやっていて、やたらと世界の神話に詳しい奴とか、軍事マニアで近代世界史では知らないことがない奴とか、いっぱいいましたよね。
彼らはその後大学に進んだり、進まなかったりだけど、たまにクイズに誘うととっても強かった。僕も、彼らのような人たちが本当に「物知り」だな、と思っていました。そういう人たちと、もっと出会って、もっとクイズをしてみたいと思いますね。

若干、気付いた点。
FNSは、確か予選通過者の「大学別通過者数」を円グラフで出していたはず。
他にも問題の難易度を「東大生正解率」に拠っているなど、学歴重視の傾向はかなり見られると思います。
これは、恐らく史上最強が「正統派」クイズだったのに対し、問題などの面で異質だったFNSが、「学歴」を笠に着て権威付けを行おうとした結果ではないかと思います。
芸能人のクイズの場合は、「こいつ東大なのに出来ないじゃん」というギャップが欲しいのかも、とも。

>僕も、彼らのような人たちが本当に「物知り」だな、と思っていました。そういう人たちと、もっと出会って、もっとクイズをしてみたいと思いますね。

 全く同感です。
 いろんなバックボーンの人がクイズを楽しめるようにしていきたいですな。

>これは、恐らく史上最強が「正統派」クイズだったのに対し、問題などの面で異質だったFNSが、「学歴」を笠に着て権威付けを行おうとした結果ではないかと思います。

 確かにあったな<東大生正解率
 ただし、出ているプレーヤーが「高学歴だから凄い」って演出はほとんどなかったように思えます。
 東大生正解率については「高学歴の極みである東大の人ですら知らないことを、この人たちは(実際には高学歴の人もいるんだけど)知っている」というのを演出したかったんでしょう。
 であれば、「参加者=高学歴」の関係はあまり成り立たないのかな、むしろ「≠」を強調していたのかな、と。そこが「タイムショック」高校生大会との大きな違いかと思います。これらは高学歴(超・進学校か公立の県下トップ、でなければ名門私立女子高)でなければ土俵にも上がれないわけで。

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