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2005年8月13日 (土)

【動機】なぜクイズを始めたのか(3):自分自身篇

 というわけで、「なぜクイズを始めたのか」。
 前回の「環境篇」に引き続き、「自分自身篇」です。
 同じ環境であっても、性格・価値観・能力などによって、反応は全然変わってくるわけで。  

・競争志向、ジャンプ的価値観

 もともと「人と競いたい、勝ちたい」という競争志向が強い。
 また、「勝利を目指して、仲間との友情を大切しながら、努力を重ねる」、そんなジャンプ的価値観に強く影響を受けている。
 これは、クイズを始めた理由として大きな要素を占めています。

 これは世代的なものに大きく影響されるのかもしれません(ある意味、教育や文化の影響であり、「環境」といえなくもない)。クイズに限った話ではなく、他の世代の人と話していると、このあたりの「競技志向」「ジャンプ的価値観」というものに世代的な差があるように思えます。
 20歳前後の人はここらへんが(クイズ関係者に限らず)薄くなってきているように感じるし、一方で自分+5歳くらいの方は第二次ベビーブーム世代=受験の激化ということもあり、競争志向やジャンプ的価値観が自分らよりもさらに強いように思えます。
 たとえば、KingTowerさんのクイズに対する姿勢が一つの実例ですし、KingTowerさんのご同期のKanaupapaさん(「天」の覆面クイズ集団のボス)にしても、あれだけ温和な一方で闘争心とか負けず嫌いな点では相当強いわけで(その点を橙はすごく尊敬しています。もちろん「知識の深さ・幅の広さ」「はっきりとした答え方」という点も)。もちろんこのお二人が「クイズ王」だから……という側面もありますが、平均的に見ても競技志向の強い代、と感じます。

 ・運動音痴
 
 競争志向やジャンプ的価値観。これを追求する最適の場の一つが、体育会です。
 最近、「橙さん=体育会系の性格」といわれたことがありました。確かに競技志向だし、気合とか努力とか好きだし、良くも悪くも「先輩-後輩」視点で対人関係を見がちだし……その一方で、クイズの文化部っぽいとこはあまり好きになれない(ぬるい雰囲気とか。もちろんそれを好む人がいる以上「あり」であることは承知していますが、好き嫌いで言えば「好き」にはなれない)……なるほど。
 しかし、橙は体育会には行かなかった。

 運動音痴。この一語に尽きます。
 運動が苦手で、ケンカも弱い。「動物」としての劣等感(生存本能に根ざしたもの)を常に持っていました。
 
 今も昔も、「運動音痴なのに、競技志向」の人が選べる選択肢はほとんどありません。
 クイズは、その数少ない選択肢でした。なんせ、「史上最強」のキャッチコピーは「クイズは頭の格闘技!」だったわけですから(このスレ見てたら、いきなりこのフレーズが>>89に出て驚いた)。
 「運動さえできれば体育会を選んだ。が、運動音痴だからクイズを選んだ」という方も、結構いるように思えます。

 *逆に、「もともとスポーツをやっていたので、”クイズ王番組”の競争志向なところに魅かれた」という人も多いです(というよりこちらの方が多いかも)。中・高は運動部に所属していたクイズ関係者もかなり多いことですし。
 そう考えると、「知的競技としてのクイズ」という点でもクイズはまだまだチャンスがあると信じているのですが、それはまた別の話。

 ・「新しいことを覚えること」「本を読むこと」について、もともと抵抗がなかった

 運動が苦手な一方で。
 「駅の名前を全部言えるようなガキ」ではありませんでしたが、
 「幕府の歴代将軍の名前を全部言えるようなガキ」ではありました。
 執権は言えなかったけど。大伴弟麻呂とかは言えなかったけど(Wikipediaによると、幕府以外では坂上田村麻呂・大伴弟麻呂・源義仲だけらしいんですが……本当?詳しい方、ご教示いただけるとありがたいです)。

 本を読むことはもともと好きでした。
 さらに輪をかけたのが、小学生のときに「図書館で何冊本を借りたか、ランキングする(物語は青、伝記は緑といったような形でシールを貼って、教室の後に貼る)」という仕掛け。これにまんまとはまり、上記の競争志向もあり、「負けるもんか」と思いながらひたすら本を読んでいました。特に図書館においてある伝記を全部読んでいたのが、後でクイズをやるときの基礎知識としてかなりアドバンテージになりました。

 何かを覚えることにはそんなに抵抗がなかったので、勉強は得意でした。今思えば頭が良いわけではなく、単に勉強してただけ。運動音痴というルサンチマンを勉強で晴らそうとしていただけ。
 逆に言ってしまえば、外見も×、スポーツも×、とりえといえば勉強だけ(それもたいしたことない)、しかも負けず嫌いですぐムキになる……というヤなガキだったわけで。

 ・人とちょっと違うことを求める

 「他の人と同じ」というよりは、「ちょっと人と違う」「みんなのやっていないことをやろうとする」方を求める志向は、クイズと関係なくもともと持っていたと思います。音楽の趣味にしても、取り上げる話題にしても。
 といっても、他の人が全く知らないものでも俺は好きだ、というほどの確固たるポリシーとかがあるわけでなく、あくまで「ちょっと違う」もの。少しだけ話題になってるとか、100人いたら1人くらい知ってそうなこととか……。音楽で言えば、新曲が20位くらいに入るバンドは好きだけど、かといって無名のインディーズバンドまで追っかけるほどではない、といった感じ。

 ・目立ちたがり屋

 前段とも共通するんですが、自己顕示欲は相当強いと思います。
 クイズだろうがなんだろうが、とにかくテレビに出たかったのは確かです。

 ・女性が好き

 今となっては信じられない話かもしれませんが、昔は「クイズ王がファンが殺到する時代」がありました。しかも、うら若き女性たちが。
 外見も×、スポーツも×、とりえといえば勉強だけ……といった人間がもてるわけもない。となると、「動物」としての劣等感に加え、「オス」としても否定される日々。

 そんな橙少年からすれば、テレビで女性から歓声を浴びるクイズ王はまばゆく映りました。
 「クイズ番組に出れば自分も……」
 今となってはとち狂ったとしか思えないようなことを、この当時は真剣に信じていました。
 もうどうにもこうにもDT。
 
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 スポーツという形では、競技志向を満たせない。
 環境によっては、刻苦勉励して「東大法学部→国Ⅰ→エリート官僚」「医者・弁護士」を目指し、周囲の人間を「人生の勝者」気取りで見下す、鼻持ちならないヤツになっていたかもしれません。
 しかし。幸か不幸か、僕の周りの環境にあったのは、クイズでした。
  
 クイズは、競技としてチャレンジすることができる。たとえ運動音痴であっても。
 勝利に向かって努力することだってできる。
 新しいことを覚えることは抵抗がないし、他人が知らないことを突っ込んで知るのも面白そうだ。
 しかも、クイズに強くなればテレビで目立つことだってできるし、クイズ王になれば女性にもてるかもしれない。
 クイズだ!クイズだけが、クイズだけが俺の唯一の活路なんだ!
 ……痛い。痛すぎるよこんな10代。

 クイズをやるモチベーションが「知的好奇心」に根ざしている方もいます。
 また、時代によっては「高額賞金狙い」という方もいるでしょう。
 が、自分はそれよりも、「競技志向」だったり「差異欲」「自己顕示欲」の方が強かった。
 もちろん、知的好奇心が満たされればそれに越したことはないし、賞金をもらえば嬉しい。ですが、それはあまりモチベーションにはなっていなかったのです。それよりもとにかく「勝ちたい!」「人と違う、と言われたい!」「目立ちたい!後世に名を残したい!」(そしてその結果「彼女が欲しい!オスとして認められたい!!」)というところにモチベートされていました。
 だから、「クイズでなければならない」理由は、正直あまりありませんでした。クイズ王の代わりにオセロ王や百人一首王がもてはやされていたとしたら、そちらを選んだことでしょう。また、もし10年くらい後に生まれていたら、「大食い」を志していたかもしれません。

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 まあ、こんなきっかけであっても、クイズを通してさまざまな貴重な経験を積むことができたので結果オーライなのですが。「クイズがなかったら、今の自分はない」と信じているし、クイズに情熱をつぎ込んでいる日々を誇りに思います。
 
 経験を積む中で、自分自身の性格・価値観も変わっていくこともあるし、変わっていないこともある。もちろん、並行して環境も変わっていく。それによって、クイズへの携わり方も当然変わってくる。
 もともとクイズ王を志してクイズを始めた橙武者が、どのようにして「クイズ論」や「実践」の方にシフトしていったのか。
 その過程で、どんな環境や自分自身の変化があったのか。
 それについては、またいずれ書こうと考えています。 

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コメント

「早い段階でクイズを“競技”としてとらえたこと」
これが、自分が今までクイズを続けられた要因です。

第10回アメリカ横断ウルトラクイズ・決勝。

「つた子!」
「ヘミングウェイ!」
「テレホンカード!」
「コジュケイ!(誤答)」

……自分にとってのきっかけはコレでした。
それまでの
「出たいなぁ」というぼんやりした考えから
「勝ちたい」という気持ちになった瞬間を今でも覚えています。

 クイズ番組のない現代、そんなステキなきっかけを提示していくのは大変なことだと思います。
 それでも自分なりに、多くのモノをくれたクイズに対して(イイことばかりじゃなかったですが)、
恩なり義理なりを返していきたいな、と考えます。

>ますやんさん
 「タジマハール!」ですか。<10回決勝

 僕の場合、「早い段階でクイズを“競技”としてとらえたこと」かつ「クイズ番組がなくなっても、オープンという形で”競技”の目的があったこと」が、プレーヤーとして続けられた大きな要因だと思っています。

 その後、プレーヤーというより「企画者」「運動家」として続けてこれたのは、「関クイ連・学連など”支える側”の立場に否応なく立たされたこと」経験が凄く大きいと思います。

 おそらく関クイ連や学連のスタッフにならなかったら……「プレーヤーとして頑張ろう!」というベクトルでクイズをやっていた、というより、とっくにクイズに飽きていたのでは、と推測します。 

 閑話休題。
 「競技としての」クイズの可能性も非常に高いと思います。昔の自分みたいに、「運動音痴」が競える「競技」として、誰かの支えになれるかもしれない。
 ただ、その一方で「競技以外としての」クイズもかなり可能性が高い。まだほとんど模索されていないので、自分がやっていきたいと考えています(お気づきの方もいるかもしれませんが、これも「差異欲」「自己顕示欲」であり、形を変えた「競技志向」~他のクイズ界の誰よりも先駆者でありたい~です)。

「競技志向」「自己顕示欲」というのは自分にも当てはまります。
何事も人並み以上にできないと気が済まなかったので、
何かがあるとその度にとことんのめり込みました。

その中で、周りがテトリス(光らない)やドクターマリオをやっている頃、
自分はゲームボーイも持ってなかったので、
PC-98を起動してクイズソフトをやってました。
確か7歳ぐらいの話ですね…

今クイズをやっているのも必然かもしれません。
もう生涯スポーツのレベルなんでしょうね。
だからこそ、これからも何らかの形でクイズとはおつきあいを続けるつもりです。

>S本くん
 一瞬、誰かと思ったよ。南大沢の方な。

 「競技志向」というのは誰しもある程度は持っているものだと思います。
 が、持ち続けるためには、おそらくある程度は「勝ち」を味わう必要があるのでしょう。9割負けでもなんらかの形で1割勝ちがあれば、「競い続けよう」と思える。これが10割負けと思ってしまうと、競争を回避するようになってしまう(橙における運動のように)。

 その点、クイズというのは他とはあまり関連性のない「競技」です。
 この手の競技はあればあるほど、多くの人を無力感の淵からすくう(救う&掬う)ことができるんじゃないの、と思います。
 まあ、そんなアイデンティティ要素ばかり前面に押し出してもまずいんだけど。

 しかし、98使いの7歳ってのもなんだなあ。
 僕が7歳のときには……カセットテープでロードしてたような気がする。PC8001でした(http://www.geocities.jp/ryochan_home/onbode4.htm←懐かしい!)。

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